この記事をまとめると
■モータースポーツの世界には「ニックネーム」をもつプロドライバーが多数いる
レーシングカートからeスポーツへ!? 時代と共に変わりゆくレーシングドライバーへの道
■一部ではアナウンサーが名付けたニックネームが広がったケースが目立つ
■ラリードライバーは運転スタイルがそのままニックネームになることが多い
テレビ中継の実況で名付けられたF1ドライバーのニックネーム
元プロ野球選手の松井秀喜なら「ゴジラ」、サッカー選手の三浦和良なら「キング・カズ」など、トップアスリートのなかには、ニックネームで呼ばれる選手も多いが、モータースポーツで活躍するトップドライバーのなかにも、ニックネームを持つ選手が少なくはない。
例えば、F1ドライバーでいえば、1988年、1990年、1991年のチャンピオン、アイルトン・セナは、抜群の才能のもち主ゆえに「ジーニアス(天才)」や「マジック・セナ」の異名をもっていたほか、1985年、1986年、1989年、1993年のチャンピオン、アラン・プロストは、戦略に富んだ走りを見せていたことから「プロフェッサー(教授)」と呼ばれていた。
さらに、1994~2004年にかけて7回のタイトルを獲得したミハエル・シューマッハは、機械のように正確なドライビングを披露していたことから「サイボーグ」と呼ばれていたが、これはF1のテレビ中継で古舘伊知郎が名付けたことが影響しているのだろう。日本では、セナであれば「音速の貴公子」、プロストであれば「微笑み黒魔術」、シューマッハであれば「ターミネーター」や「皇帝」といったイメージが強いのではないだろうか?
そのほか、2007年のチャンピオン、キミ・ライコネンは「アイスマン」、2000~2011年に活躍したニック・ハイドフェルドは「クイック・ニック」、さらに2002~2008年までF1で活躍し、2010年からはインディカー・シリーズで活躍している日本人ドライバーの佐藤琢磨は、英語圏で「タク」と呼ばれていた。
ラリードライバーは走り方や人格がそのままニックネームになった
一方、WRCに目を向ければ、1973~1993年に活躍したマルク・アレンは19勝を挙げながらもタイトルを獲得できなかったことから「無冠の帝王」と呼ばれたほか、1995年のチャンピオン、コリン・マクレーはつねにクラッシュと紙一重の全開アタックを繰り広げたことから「マクラッシュ」の愛称で親しまれた。
2000年代に入ると、2004~2012年にかけて9連覇を果たしたセバスチャン・ローブは、つねに冷静な表情を見せていたことから「アイスクール・セブ」の異名を持つ一方で、2003年のチャンピオン、ペター・ソルベルグは常に明るくトップスターのような振る舞いを見せていたことから「ハリウッド」と呼ばれていた。
ちなみに前述の佐藤琢磨のほかにもニックネームを持つ日本人ドライバーは多く、全日本F2選手権やル・マン24時間レース、全日本ツーリングカー選手権、全日本GT選手権で活躍した星野一義は「日本一速い男」と呼ばれたほか、1997年のダカールラリーの覇者、篠塚建次郎は、そのアグレッシブな走りから「ライトニング(稲妻)・ケンジロー」の異名で親しまれた。
1996年から2009年のF1で活躍したジャンカルロ・フィジケラの「フィジコ」や2005年および2007年のPWRCチャンピオン、新井敏弘の「トシ」、さらに現在WRCで活躍する勝田貴元の「タカ」のように、多くのドライバーのニックネームは名前を短縮したものだ。
しかし、なかにはユニークな愛称もあるだけに、注目ドライバーの異名をチェックしてみてはいかがだろうか?
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