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国内試乗アウディA8新型 先進装備の今、4.0ℓV8ターボの印象は

掲載 更新
国内試乗アウディA8新型 先進装備の今、4.0ℓV8ターボの印象は

もくじ

どんなクルマ?
ー 新型A8、新技術を続々投入
ー 自動運転レベル3、着実に

どんな感じ?
ー ボディデザイン/MMIについて
ー 4.0ℓV8ターボの印象は?

「買い」か?
ー 自分でステアリングを握るなら

スペック
ー アウディA8 60TFSIクワトロのスペック

どんなクルマ?

新型A8、新技術を続々投入

アウディのフラッグシップセダン「A8」が、8年振りにモデルチェンジをおこなった。これによりドイツ御三家のフラッグシップの中では一気に最新型へと躍り出た形だ。

アウディを代表するモデルとして、初代より独自のアルミボディ構造であるASF(アウディスペースフレーム)を始め、高効率直噴エンジン、前後不等分トルク配分のクワトロ(フルタイム4WD)、フルLEDヘッドライト、インフォテイメントシステムなど先進的な技術を続々と投入してきた。

新型もこれら技術の最新バージョンが積極的に盛り込まれている。その中で最も注目を集めるのは、将来の完全自動運転に繋がる先進安全運転支援機能についてだろう。

次項で見ていこう。

自動運転レベル3、着実に

アウディは自動運転技術について積極的に研究成果を発表していたメーカーのひとつだ。2016年のドイツ・ベルリン国際映画祭では、ドライバー不在の従来型A8が映画俳優をレッドカーペットまで送迎するというデモンストレーション走行を披露している。

既に新型A8でも、自動運転レベル3を実現した「AIトラフィックジャムアシスト」の搭載が予告されている。これは高速道路などでの交通渋滞時など60km/h以下の速度の緩い速度で交通が流れている状況下で、運転操作をクルマが担ってくれるもの。この新機能には、大きな期待が寄せられている。

ただ現時点では、法律など環境整備が進められている段階で、アウディを含めて自動運転レベル3を搭載する市販車は存在しない。しかしながら、アウディは、レベル3以上の自動運転実現の市販化に向け、着実に歩みを続けている。

センシングの強化として新型A8には、量産車世界初のレーダースキャナーを搭載。ミリ波レーダーやカメラ、超音波センサーを合わせて最大23ものセンサーを備える。

さらに、これらのセンサーの情報を統合的に分析して高度な周辺環境モデルを構築する「セントラル・ドライバー・アシスタンス・コントローラー(zFAS)」を採用した。誤解してはならないのは、このままソフトアップデートのみでレベル3にアップグレードされるわけではないということだ。

しかしながら、高度化されたシステムは、より人間の間隔に近い、遅れの少ない自然な制御を実現しているという。まだ内容に開きのある自動運転レベル2を、アウディがA8でどれだけ熟成させてきたか、注目したい。

どんな感じ?

ボディデザイン/MMIについて

新型A8について詳細に見ていこう。アウディの中では、フォーマルなポジションであるA8だが、ライバルのSクラスや7シリーズと比べると、そのフォルムに若々しさを感じさせる。

これはアウディセダンのクオーターガラス付きのルーフデザインと先進的な独自のLEDランプデザインを持つマスクによる相乗効果によるものだ。これがアウディのスポーティさを強く意識させるエッセンスとなっている。

新型は、標準ボディとロングボディの2種類のボディを持つ。ボディサイズは、標準車が全長5170mm×全幅1945mm×全高1470mm、ホイールベースが3000mm。一方、ロングホイールベースのA8Lは、全長5300mm×全幅1945mm×全高1485mm、ホイールベースが3130mmまで拡大される。

インテリアは、外よりもさらに先進的に生まれ変わった。A7スポーツバックのものとも似ているが、それぞれ専用にデザインされている。

アウディ自慢の液晶メーターパネル「アウディバーチャルコクピット」に加え、ダッシュボード中央には、10.1インチと8.6インチの2枚のタッチパネルを備えたインフォテイメントシステム「アウディMMIタッチレスポンス」が加わった。

新世代MMIでは、操作の要であったコマンダーを廃止。文字入力を含め、全て画面上でスマートフォンのように操作できるようになった。

タッチパネルを振動させることで疑似的にスイッチ感覚を演出しているなど、操作性もしっかりと考慮されていた。これなら走行中のちょっとした操作もし易く、スイッチレスの不便さを感じにくいだろう。

4.0ℓV8ターボの印象は?

ラージセダンだけにキャビンスペースに不満は一切なく、トランクルームも505ℓを備える。A4以上に採用されるMLBエボで開発されたボディは、静粛性が極めて高く、エアサスペンションによる乗り心地は極上だ。

標準装備となる17スピーカーのバング&オルフセン3Dサウンドシステムでお気に入りの音楽を再生すれば、そこは走るリスニングルームとなる。

パワートレインは、3.0ℓV6直噴ターボ(340ps)と4.0ℓV8直噴ツインターボ(460ps)の2種類を設定。どちらのエンジンも、48Vのマイルドハイブリッドシステムを備え、全車に8速ATと4WDのクワトロが標準となる。

今回の試乗車は、パワフルな4.0ℓのV8を積む「アウディA8 60TFSIクワトロ」だ。このV8の滑らかなエンジンフィールが味わえるのも、今やフラッグシップモデルの特権である。

アシストが基本のハイブリッドシステムは、控えめで、停車直前のアイドリングストップや巡行時のコースティング走行で存在を意識させるくらい。ただアクセルを開けると強烈な加速力を見せるが、強靭なボディとエアサス、そしてクアトロのサポートのおかげで荒々しい走りとは無縁で、ドライバーをいたずらに刺激はしない。

注目の先進機能については、ほとんど試すことができなかったので、割愛するが、最新世代の全車速追従ACC「アダプティブドライブアシスト」の操作は、従来のACCと同じレバー式を踏襲していた。

小さなレバーに全ての操作を集約する方法は、必ずしも操作性に優れるとはいえず、この点は、新たな提案を望みたい。

「買い」か?

自分でステアリングを握るなら

この手のクルマで1140万円からという価格を議論するのは、無粋というものだろう。

2tのボディを軽快に加速させる力強いエンジン、取り回しに優れるステアリングとシャシー性能、高い静粛性と快適な乗り心地を備えるキャビンなど不満は一切ない。

唯一気になるのは、やはりドライバーズカーというよりはショーファードリブンの色が強いことだ。ステアリングを握るなら、今後登場するであろうS8、もしくは安全や快適装備で同等の先進機能を備えるラージサイズの4ドアクーペであるA7スポーツバックの方が魅力的に映るだろう。

また都市部では、ライバルよりも大きい1945mmの車幅が気になるシーンもあるかもしれない。

ただA8は、真面目なサルーンでありながら、多機能な液晶モニターを効果的にデザインに盛り込むことで、ドライバーや乗員に次世代のクルマの持つワクワクを与えてくれる。この演出については、「S」や「7」も敵ではないだろう。

アウディA8 60TFSIクワトロのスペック

■価格 1510万円
■全長×全幅×全高 5170×1945×1470mm
■最高速度 –
■0-100km/h加速 –
■燃費 8.7km/ℓ(JC08モード)
■CO2排出量 267g/km
■車両重量 2110kg
■パワートレイン V型8気筒3996ccターボ
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 460ps/5500rpm
■最大トルク 67.3kg-m/1800-4500rpm
■ギアボックス 8速オートマティック

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