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スズキ車の楽園・インドでまちかど自動車を眺める

掲載 更新 9
スズキ車の楽園・インドでまちかど自動車を眺める

運営元:旧車王
著者 :TUNA

ベルリンの街でスタイリッシュなクラシックカーを探そう!

■5ドアジムニーの祖先、ジプシー筆者が今一番欲しいクルマ、それはスズキのジムニー5ドアだ。

もう、欲しくてたまらない。

そもそも、本格オフローダーの名を欲しいがままに、セレブリティな車両と肩を並べるその日本車が気にならないはずはないのだが...。

そんなモデルが新車で、性能を考えればそれなりにリーズナブルに登場したとなれば、興味を持ってしまうのは仕方のないことであろう。

残念ながら、国内ではまだ数万台の既存ジムニーのバックオーダーを抱えており、日本での発売は先とのことだが、今から待ち遠しい。

2023年7月現在の販売地域は、南アフリカとオセアニアなどと、生産国であるインドである。

以前の記事(https://www.qsha-oh.com/historia/article/india-car-situation/ )でも少し触れたが、スズキのインドにおけるシェアは国内トップの約40%ある。

これでも少なくなった方で、1981年にインド政府とスズキの合弁会社、マルチ・ウドヨグを設立後、1990年代にはシェアが80%を越えていた。

2006年には、インド政府が全保有株式を売却し完全民営化され、翌年現在の社名マルチ・スズキ・インディアとなった。

先述の5ドアジムニーの生産もマルチ・スズキがおこなっており、今後販売や輸入等どうなるかが楽しみだ。

マルチがジムニー系列のモデルを生産するのは今回が初めてではなく、1985年から2019年頃まで生産を続けていた2代目ジムニーのロング版「ジプシー」が存在する。

「ジプシー」のボディサイズは、全長は4010mm、全幅1540mm、全高1845mm、ホイールベースは2375mm。

日本国内でも数年前まで並行輸入されているケースもあった。

現地ではパーソナルユーズのほか、警察や軍用車両として導入されているのを見ることができる。

その信頼感は抜群のようで、かつてインド政府が掲げた”国民車構想”は深く浸透し、数十年経ってなお生き続けているように思える。

■世界人口トップの国。その国民車中国を抜き、いまや世界人口がトップになったインド。

まだ幹線道路は、リアカーやオートバイがひしめき合う光景も見ることができるが、片や徐々に富裕層も増え始め、街のいたるところで再開発をおこなっている光景が見られる。

カラフルなバスや装飾されたトラックも数多く見受けられるが、人々の所得が増えるほどに、各世帯へとクルマが普及していくことだろう。

なかでもマルチ・スズキの発展を支えてきたのは、同社が得意とする小型車の存在だといえる。

マルチ・ウドヨグ時代から、日本のアルトをベースとするマルチ800が、インドにおけるベーシックラインとして販売され続けてきた。

初代モデルは1983年、2代目モデルは1986年から2014年まで生産が続けられ、累計で291万台もの生産がされた。

いまだに街のなかで見かける回数が多い。

マルチスズキでは後継車にアルト800、アルトK10が存在する。

これらはインドの街中で数多く見かけることができ、まさに国民車といえる様相だ。

当然、他のメーカーも黙ってそれを見過ごすわけもなく、ヒョンデからはi10、ルノーからはKWIDなど、近年ではエントリークラスでも商品性の高い車種が増えた。

やはりベーシックカーの人気は依然高く、インドの街中をキビキビと走る小さなモデルを観測してみるのはユーザーによって改造が施されたり、ダメージを受けていたりなど...個性が際立っていてとても面白い。

トップシェアのマルチ・スズキ。

そこにラインナップされるのはベーシックカーだけではない。

街のなかではワゴンR、初代ランディをベースとしたEECO、マルチパーパスカーのエルティガ、スイフトベースのセダン、ディザイアなど、バラエティに富んだ顔ぶれだ。

また、よく街中でみかけるのは7代目キャリーをベースとしたオムニ。

2019年まで生産されてきた廉価なバンは、商用車から乗り合いタクシー、救急車にまで採用され、いまだに数多くが走っている。

ほとんどの車種がインド国内向けに特化した改良が施されており、例えば同じスイフトでも、インド向けでは装着される部品のあしらいかたに差異が感じられるのも特徴だ。

■現地化されたトレンドのキャッチアップもちろん、世界的なトレンドはインド市場でもキャッチアップされ、顧客の要望は高まっている。

インドのマネサール工場で生産され、日本へも2020年まで輸入されていた、初代・スズキバレーノ。

インド人の知人に、現地で感じるバレーノの様子を伺うと

「インドでは一般の人にとってクオリティの高い上級車種として捉えられていると思う。特にデザインはカッコいいと思っているけど、自分のような若手のビジネスマンにとってまだ新車では難しいね。」

と教えてくれた。

現在も2代目のバレーノ、そしてOEM車種として、トヨタからはグランツァ(なんと南アフリカ向けの輸出名はスターレットとして販売)が発売されている。

2015年より、マルチ・スズキはインド向けの高級販売チャンネル「NEXA」を立ち上げ、バッレーノを筆頭に上級セダンのシアズ、SUVのフロンクスやグランドビターラなどもラインナップさせている。

現状、インドにおけるスズキブランドの最高級車ジムニーもNEXAでの取り扱いだ。

ディーラーのなかはさながら輸入車ディーラーのようであり、ストリートの雑然とした雰囲気とは一線を画す。

これからもどんどん増えていくと予想される、世界を向いたインドの若い層に響くクルマづくりは欠かせないことであろう。

ベーシックカーから顧客のニーズに応える上位車種まで、インド国内の世相を読み取りながら発展するスズキの動向に、今後も目が離せない。

 

[ライター・撮影 / TUNA]

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みんなのコメント

9件
  • ちなみに、初代スズキ・バレーノは、日本名カルタスクレセント。
    旧車の王を名乗るなら、その程度の間違いなどしないでほしい。
    旧車についての間違いがやたらと多いぞ。
  • ジムニーロング良いよなあ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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