ホンダ初の4輪乗用車はスポーツカーの「S500」だった!
ホンダのスポーツカー「S」の始まりは1963年のS500。コンパクトなボディにレーシングマシン顔負けのメカニズムのDOHCエンジンを搭載したオープンスポーツは、S600(1964年)、S800(1966年)と進化。ホンダの名を世界に知らしめた。1st・Sシリーズは1970年に生産を終了する。
ホンダが特別な擬装を纏った新型シビック・タイプRをオートサロンに限定展示
第2の「S」は29年後の1999年に登場したS2000だ。F1エンジンに匹敵するピストンスピードを誇る高回転型2リッターエンジン、オープンモデルながらクローズドボディ並みの剛性を備えたハイXボーンフレームなど、こだわり設計が個性だった。しかし性能と注目度とは裏腹に販売はさほど振るわず、2009年にモデルライフを閉じる。
その6年後の2015年、第3の「S」としてS660がデビューする。1996年に販売終了したビート以来となるMRレイアウト採用の軽マイクロスポーツである。メカニズムはほぼ専用アイテムで構成。デビュー当初は大きな話題となったが、こちらも販売は持続せず、2022年3月で生産終了と発表された。
スーパーカーを革新したNSXの価値
もうひとつのスポーツカーの称号がNSXだ。その意味は「新しいスポーツカー体験」である。1990年に登場した1stモデルは「誰もが操れるスーパースポーツ」、2016年に登場した現行型は「スポーツカー×電動化」という新たな価値を提案。
どちらも当初は、伝統的なスポーツカーとは異なるコンセプトに否定的な意見も多かった。だが、その先見性はその後のライバルの進化を見ると一目瞭然。残念なのは世の中のトレンドが到来する前に、本家の生産が終わってしまうことである。
赤バッジのタイプ Rは、新型シビックがスタンバイ!
そして、もうひとつのスポーツカーが「R」だ。その意味は「レーシング」である。タイプRは厳密にいうとモデルではなくグレードを意味する。走りを研ぎ澄ませたNSX-R(1992年)を皮切りに、インテグラ(1995年)やシビック(1997年)に設定。現在はシビックのみの展開となる。シビック・タイプRは自然吸気ユニットを積む軽量FFハッチとしてスタート。ここ数世代でターボを装着したスーパーモデルに進化した。最新モデルはプロトタイプが、東京オートサロンでお披露目され正式発表待ちである。
この先はどうなるのか? ホンダのスポーツカーへの徹底したこだわりは他社を大きく凌ぐ。ただし「一発屋」が多く、継続性に乏しいのが最大の難点だ。現在はシビック・タイプRが孤軍奮闘している。ホンダ・スポーツを待ちわびるファンは多い。次の世代に向けた新たな提案を期待する。
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