「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、トヨタ ノア/ヴォクシーだ。
トヨタ ノア/ヴォクシー(2010年:2代目 マイナーチェンジ)
トヨタの売れ筋ミニバン、ノア/ヴォクシーが2007年のフルモデルチェンジ以来、初のマイナーチェンジを受けた。パワートレーンは、バルブマチックを搭載した3ZR-FAE型2Lエンジンと7速スポーツシーケンシャルシフトマチックを全車に採用拡大した。エンジンやCVTの制御を改良して、全車が自動車取得税・自動車重量税の75%のエコカー減税対象車となった。
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エクステリアでは、ヘッドランプ、フロントグリル&バンパー、リアコンビランプ、ホイールなどのデザインを変更。ヴォクシーはスポーティ感と精悍さ、ノアは都会的な上質感を向上している。
インテリアでは、シートやドアトリムの表皮柄を変更。一部のグレードではメーターやステアリングのデザインも変更されている。またセカンドシートのアレンジを変更し、180度回転できるマルチ回転キャプテンシート(7人乗り)と6:4分割チップアップシート(8人乗り)を新採用した。さらに、セカンド&サードシートの中央席にも3点式シートベルトとヘッドレストを加え、安全/快適性能も進化している。
さて、バルブ自体が吸入空気量を直接無段階コントロールすることで効率良くエンジンパワーを生み出す新世代エンジン「バルブマチック」を初めて採用したのが、このノア/ヴォクシーだった。
エンジンのパワースペックはノア/ヴォクシーともに全グレード共通だが、トップグレードのステアリングはパドルシフト付きとなる。エンジン自体のフィーリングは、アイドリング領域からわずかに回転が上がったところから力強い立ち上がりをみせ、それがスムーズに高回転域へとつながる。
走りはどっしりと落ち着いた印象
パドルシフト付きとなったCVTとの相性もいい。クルージングスピードから一気に加速させたい時には左手でポンポンッとパドルを操作すれば瞬時にシフトダウンする。右手でシフトアップすれば違和感なく、スッと低回転域に移行する。CVTでありながら、ダイレクトな操作感がある。
トップグレード以外ではシフトレバーを前後に操作することでマニュアル変速ができ、パドルシフト付きと同じような走りが可能だ。必要な時に、思いのままにパワーを引き出すことができるので、どのグレードでも2Lエンジンであることに不満を感じることはないだろう。
背の高いミニバンとしてはコーナリング時のロールが気になることは少なく、どっしりと落ち着いている印象を受けた。浮き足だった感じはなく、路面をしっかりと捉えている。ステアリングフィールもこの手のファミリー向けミニバンにありがちな妙な軽さはなく、落ち着いている。
ただし、室内は高さのあるステップがある分、床面の広がり感は少なく、ひと昔前のミニバンを見ているように思えてしまう。このあたりは、ちょっと古さが感じられてしまうようだ。
それでも、経済性はもちろん、安全と環境性能や走りを進化させ、魅力はアップした。だが、これはノア/ヴォクシーに限ったことではなく、ライバルであるハイト系ミニバン全般に言えることだが、重さや挙動などに改善の余地が残っていることも否定できない。今後、こういったネガ要素をどうつぶしていくのか? パッケージング技術と軽量化の進化に期待したい。
■トヨタ ヴォクシー V(ノア Si) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4595×1695×1850mm(4635×1720×1850mm)
●ホイールベース:2825mm
●車両重量:1590kg(1600kg)
●エンジン種類:直4 DOHC
●排気量:1986cc
●最高出力:116kW<158ps>/6200rpm
●最大トルク:196Nm<20.0kgm>/4400rpm
●トランスミッション:7速スポーツシフト付きCVT
●駆動方式:横置きFF
●10・15モード燃費:14.4km/L
●タイヤ:195/65R15(205/60R16)
●当時の価格(税込み):270万円(249万円)
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みんなのコメント
それをもってして、言われても実情マーケット&シーンでのリアル性が薄いんだよな。
みんながみんな、Siグレード買わないし、その最上級スポーティグレードは拡販グレードでもない。Xグレードまで通じているセリングポイントなり、ハード的(技術&メカニズム、設計)特徴を言ってくれないと。