すべてのAT車に電圧48Vのハイブリッドを搭載
text:Richard Bremner(リチャード・ブレンナー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
新しくなったディスカバリー・スポーツ。登場から4年が経過し、モデルライフ中期として定番のバンパーやヘッドライト回りのデザイン変更を受けた。しかし、内面ではプラットフォームを置き換えるという、驚くべき更新を受けている。
かなりコストを要する変更だが、ディスカバリー・スポーツが獲得したのは、ジャガー・ランドローバー社(JLR)の新しいプレミアム・トランスバース・アーキテクチャ(PTA)。イヴォークにも採用されているもので、これには見かけのコスト以上に重要な意味がある。
新しくなったディスカバリーは、イヴォークと同じ、リバプール近郊の新しいヘイルウッド工場で生産されるためだ。JLRによれば、2020年までにハイブリッドを含む電動化技術を採用すると表明していることを考えると、更に合点がいく。PTAは、電圧48Vによる電動化技術をサポートしているのだから。
新しくなったディスカバリー・スポーツは、ATを搭載するモデルのすべてに、ベルト駆動されるスターター・ジェネレーターと、エネルギーを蓄えるバッテリーを搭載。回生エネルギーを充電し、瞬発的なエネルギーが必要となった場合、モーターがエンジンをアシストしてくれる。
さらに燃費を向上させる狙いで、一定速度でクルージングしている時、回転ロスを減らすためにリアタイヤをATから切り離す機能も採用。クルマの走行速度が17km/hを下回ると、自動的にエンジンを停止させるシステムも搭載した。
ボディデザイン以上に刷新されたインテリア
さらに運転時にわかりやすい先進技術としては、クリアサイト・ルームミラー。リアシートのヘッドレストや窓枠などを取り除いた映像を、ルームミラーの位置のモニターに表示してくれる。
また、クリアサイト・グラウンドビューは、クルマ前方直下の映像をモニターに表示してくれる機能。オフロードだけでなく、都市部での駐車でも役に立つだろう。
インフォテインメント・システムもアップグレードされ、エアコンの操作もタッチパネルで行うようになっている。オールテレーン・レスポンス・システムも新しくなったほか、スマートフォンのワイヤレス充電機能や、リアビューカメラも搭載。最大2500kgまで対応する牽引アシストも、この手のオーナーには有用なはず。
ボディデザインはいつものディスコだが、中に乗ると新しい。幅いっぱいに伸びるダッシュボードの基本デザインは踏襲されているものの、インスツルメントパネルやセンターコンソール、ステアリングホイールも新しくなっている。
タッチモニターとモニターによるデジタルメーターに合わせるべく、大幅にデザインし直されている。センターコンソールからは物理ボタンがなくなり、従来よりも使いにくくなった印象だが、すぐに慣れると思う。
目新しいところに馴染めば、ディスカバリー・スポーツが漂わせる上質で磨き上げられたオーラに包まれる喜び実感する。鋭く加速したり、速めのコーナリングを試しても、車内はノイズから切り離され常に落ち着いた空気が保たれている。
特筆すべき操縦性とオフロード性能
車重が2tもある大きなSUVで、車高も高くオフロード性能も相当な水準にあることを考えれば、この落ち着いた走りは特筆するべきものだ。清々しいほどのコーナリングに、不安感のないグリップ力。ボディロールもよく調整が効いている。
すべてがダイレクトで正確で、適度な重み付けがされたステアリングの操舵感を引き立てている。グリップ力の限界値が近いことはわかりにくいものの、あくまでもファミリー向けSUVだから、さほど問題ではないだろう。
オフロード性能は素晴らしい。進化したオールテレーン・レスポンス・システムと、改善された前後の重量配分やクルマのバランスが心強い。以前のディフェンダーならドライバーの腕が試されるような地形でも、深さが600mmまでの河川でも、ディスカバリー・スポーツにとっては進路になり得る。
そのかわり、2.0Lエンジンは1826kgもあるボディを動かすのには、少々苦労している様子。すべてが頼もしいわけではない。少々夢中になって郊外の野山や道路を走り回った結果、190kmほどの走行距離での平均燃費は7.3km/Lに留まった。平均速度は61km/hだった。
ディーゼルエンジンを搭載したD180なら、燃費は50%ほど優れているはず。重たいSUVとディーゼルエンジンとの相性の良さを実感させられる。
オンロードでのP200だが、0-100km/h加速9.0秒というカタログ数字ほど元気さはなく、追い越し加速も鋭いわけではない。エンジンは回転数が上がってもスムーズさは変わらない。9速ATは深くアクセルを踏み込んでキックダウンを誘わなければ、基本的に高い段数を保とうとする。
幅広い実力を兼ね備えた結果の車重
一度に何段飛ばしで減速したり、低速域でコースティング状態からアクセルを踏み込んだ際には、若干ATがもたつくことがある。だが、ほとんどのドライバーは気づかないレベルだろう。高速でのクルージングは安楽にこなせる。
もしクルマに高い実用性と走行性能を必要とし、ディーゼルエンジンに抵抗があるのなら、ガソリンエンジンのディスカバリー・スポーツは有力な選択肢だ。燃費は7km/Lを少し超える程度で、パワフルさでは少々歯がゆいこともあるかもしれないけれど。
ディスカバリー・スポーツP200は、路面を問わず、とても上質な長距離クルーザーとして機能するだろう。荷物も沢山詰めトレーラーも牽引できる。上質な乗り心地でありながらオフロードもいとわず、学校の送り迎えも余裕でこなせる。
1人でコーナーの連続する道に差し掛かったのなら、優れたシャシー性能を楽しんだ走りもできる。軽くない車重が残念とはいえ、これほどの実力を幅広く兼ね備えた結果なのだから、仕方ない。
ランドローバー・ディスカバリー・スポーツP200 AWD S Rダイナミックのスペック
価格:4万1425ポンド(579万円)
全長:4597mm
全幅:1920mm
全高:1727mm
最高速度:207km/h
0-100km/h加速:9.0秒
燃費:10.9km/L
CO2排出量:208g/km
乾燥重量:1826kg
パワートレイン:直列4気筒ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:200ps
最大トルク:32.5kg-m
ギアボックス:9速オートマティック
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