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【じっくり見たい】ルノー・ルーテシア新型 サイズは小型化 外観/内装/トランク/前席・後席、細部まで撮影

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【じっくり見たい】ルノー・ルーテシア新型 サイズは小型化 外観/内装/トランク/前席・後席、細部まで撮影

Bセグの本命 いよいよ上陸

text&photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)

【画像】新型ルノー・ルーテシア 実車を撮影【細部まで見る】 全79枚

2019年。ヨーロッパで激戦のコンパクト・クラス(Bセグメント)において、トップとなる販売台数を記録したのが、仏ルノーの基幹モデルであるルーテシアだ。

現地では「クリオ」と称されるが、日本では商標の関係から初代からルーテシアと呼ばれている。

新型ルーテシアは1990年にデビューして以来第5世代となる。

モデルチェンジごとに大型化していく潮流のなか、ルーテシアは先代よりわずかながらコンパクトになったのはニュースといえる。

そのボディサイズは、全長4075mm(先代比-20mm)、全幅1725mm(-25mm)、全高1470mm(+25mm)というもの。先代に比べて、短く、狭くなっている。アンテナの形状もあって、全高の値はやや高くなった。

それでも取り回しの良さを優先させたことは、タウンユースの多いBセグメントカーだけに評価できる点だ。

新型ルーテシアで注目したいのは、ルノー日産三菱アライアンスにより新設計されたCMF-B型プラットフォームを初めて採用したモデルということ。

先代に比べ20kgの軽量化を達成しながら、高い剛性を実現。

シャシーの剛性が高められたことから、サスペンションがしなやかに動き、乗り心地を向上させるとともに、優れたハンドリングを獲得。あわせてノイズと振動の低減も果たし、クラスを超えた基本性能を確保したという。

リアのスタイリングが印象的

エクステリア・デザインは成功を収めた先代をより洗練させたもので、官能的な曲線で構成されたスタイリングはBセグメントを越える存在感を放つ。

先代では主張のあったリアフェンダーは滑らかな曲面で構成され、フォルムをより引き締めている。

フロント周りでは拡大された開口部のほか、LEDヘッドランプの外側から下に回り込むCシェイプと名付けられたデイタイムランプが印象的。

フロントバンパーの補助灯の横に内蔵されたエアディフレクターにより空気抵抗を抑え、燃費も向上したという。

ドアハンドルを目立たなくしたリアドアも継承。リア周りでは、ハッチドアとバンパーが一体化されたデザインにより、凝縮感を高めた。テールランプもCシェイプが反復される。

大きく変更されたのがインテリア・デザインだ。

アップデートされたインテリア

新型ルーテシアの内装は、ドライバー・ファーストで「スマートコクピット」として構築。

スイッチ類やレバーの質感を高めるとともに、主要なボタン類はピアノタイプにされるなど、扱い易さと触感を考慮。

クルマに包まれた感覚になるようにドライバーに向けてレイアウトされ、クラスを越えた質感で仕上げられている。

装備として注目したいのは、インフォテインメント・システムの「EASY LINK」。

ダッシュボード中央に7インチのタッチスクリーン・ディスプレイを配置。スマートフォンとの連携を可能にするミラーリング機能により、使い慣れたナビゲーションや音声入力を利用できる。

このほか、計器類はドライバー正面に配置された7インチのデジタル・インストゥルメント・パネルに、様々な情報を表示できる。またパーキングブレーキは電動化された。

実用性 トランクの出来は?

リア・ラゲッジスペースは、可能な限り立方体となるように最適化。

上位クラスに匹敵するBセグ最大級の391Lを確保し、先代の330Lから大きく拡大。

リアシートを畳めば1069Lものスペースが出現する。また底板を下に移動すれば、嵩のある荷物も楽に積み込める。

トランクの側面にはBoseが開発した世界初の技術「フレッシュエア・スピーカー」を搭載したBoseサウンドシステム(インテンス/インテンス・テックパック)が陣取る。

これは小型のサブウーファーで、車外からの空気を取り入れることで、豊かでパワフルな低音を再生。非常に薄く設計されているため、ラゲッジスペースを損なうことがない。

エンジン 1.3L直噴ターボのみ

フランスでは1L3気筒のNAとターボ、1.3Lターボ、ディーゼル1.5Lターボ、1.6Lハイブリッドと5種のエンジンが用意される。

日本で販売される新型ルーテシアは、現時点ではルノー日産アライアンスとダイムラーとのパートナーシップで開発した1.3L直噴ターボのみの設定となる。

日本仕様に積まれるH5H型直4 DOHC 16バルブ1333ccエンジンは、最高出力131ps/5000rpm、最大トルク24.5kg-m/1600rpmを発揮。

注目したいのは最大トルクだ。先代の1.6Lエンジンを積むR.S.と変わらぬ24.5kg-mを1600rpm発揮しているのである。

この1.3L直噴ターボ・エンジンによりパフォーマンスは大幅に向上し、あらゆる場面で余裕のある走りを提供してくれる。燃費も向上し17.0km/L(WLTC:フランスUTAC測定値)をマークする。

トランスミッションは湿式デュアルクラッチを備えた電子制御7速AT(7EDC)が組み合わせられる。パドルシフトも備わり、スポーティな走りを楽しめるという。

安全運転支援装備が充実

今のクルマにとって欠かせぬ装備となった先進安全運転支援システム(ADAS)は、新型ルーテシアでは現在考えられるものがほぼ備わっている。

アダプティブ・クルーズ・コントロール(ストップ&ゴー機能付き:約0~170km/hで機能)、衝突被害軽減ブレーキ(歩行者・自転車検知機能付き)、前方車間距離警報、車線逸脱警報、後側方車両検知警報、前後パーキング・センサー、交通標識認識が全グレードに標準装備される。

オート・ハイ/ロービーム切り替えは「ゼン」以外のグレードに備わる。

上級グレードの「インテンス・テックパック」には、上記装備のほか360°カメラ(日産のアラウンドビュー・モニターに相当)、ACCとレーン・センタリング・アシスト(車線中央維持支援)との組み合わせて実現する「ハイウェイ&トラフィックジャムアシスト」が追加される。

安全運転支援装備が手薄だった先代に較べると、別物といえる充実ぶりだ。

また「インテンス」と「インテンス・テックパック」には、Boseサウンドシステムが標準で備わることも見逃せない。前述の小型サブウーファーと4基のウーファー、4基のトゥイターによる9スピーカーで構成される。

新型の日本仕様は、ベースグレードの「ゼン」(受注生産)、販売の中心となる「インテンス」、レザーシート、スマートフォン・ワイヤレス・チャージャーを追加した「インテンス・テックパック」の3グレードを設定。

外装色は赤メタ、オレンジメタ、ブルーメタ、ライトブルーメタ、ブラックメタ、ホワイトの6色を用意。

価格はゼンが236万9000円、インテンスは256万9000円、インテンス・テックパックが276万9000円。

先代に比べてインテンスで15万円強値上がりしているが、万全の安全運転支援装備や充実した内容と仕上がりを考えると、その差はないといえよう。

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