衝突被害軽減ブレーキや先行車を任意の車間とスピードで追従してくれるACCなど、安全なだけでなく疲労軽減につながる機能が目白押しとなっている昨今の新型車たち。でもなかには機械は信用ならん! 運転してこそ男だ! のように頑なに先進機能を煙たがる人が一定数いるのも事実だ。
そこでそんなガンコおやじにこそ使ってほしい先進安全装備を超簡単に解説! 気持ちはわからなくもないが、一度味わうと抜け出せなくなりまっせ。
食わず嫌いすんなし!! おじさんにこそオススメしたい最新装備
文/渡辺陽一郎、写真/TOYOTA、AdobeStock(トップ画像=metamorworks@AdobeStock)
■クルマの技術は日進月歩!! 特に安全装備と運転支援が大きく進化
交通事故は、クルマにとって最も深刻な欠点だ。最近は自動運転に通じる運転支援機能に対する関心も高まったが、最も優先すべきは安全性の向上になる。運転支援機能と衝突被害軽減ブレーキなどの安全装備は、同じシステムを使うことが多いから、安全装備が進化すれば運転支援機能も自ずと向上する。安全と運転支援の優先順位が逆にならないように注意したい。そして今日の新車では、従来型から乗り替えた時に、最も大きく進化するのが安全装備と運転支援機能になった。
例えば2022年1月にフルモデルチェンジしたノア&ヴォクシーも、安全装備と運転支援機能に力を入れた。衝突被害軽減ブレーキは、自車が右左折する時でも、直進車両を検知して作動する。横断歩道上の歩行者にも対応できる。電動スライドドアが開き始めた時に、ほかの車両が接近すると、作動を止めて降車時の事故を防ぐ安全装備もオプション設定した。
また先代ノア&ヴォクシーには、運転支援機能が採用されていなかったが、新型は充実している。高速道路上の渋滞時に条件が合えば、ステアリングホイールから手を離しても運転支援が続く。ステアリング/アクセル/ブレーキの操作がすべて軽減されるわけだ。
■支援機能は疲労軽減にも! 体感すると絶対良さがわかるハズ
トヨタ新型ノア/ヴォクシーのアドバンストドライブ(渋滞時支援)。渋滞時の再発進はドライバーの操作なしで実施でき、疲労軽減にもつながる
これらの運転支援機能は、ドライバーの疲労を抑えるから、安全性の向上にも役立つ。そのために今日の新型車では、衝突被害軽減ブレーキと併せて、運転支援機能も備えることが多い。
そして安全装備と運転支援機能の進化は、クルマの売れ行きを保つ上でも、大切な要素になる。前述のノア&ヴォクシーの室内空間は、2001年に前輪駆動を採用してから、現行型になるまであまり広くなっていない。ミドルサイズミニバンは、全長を4700mm前後に抑える必要があり、従来からその範囲内で最大限度の居住空間を備えていたからだ。
走行安定性や乗り心地には、進化の余地もあるが、従来型に著しい不満があったわけではない。そうなるとフルモデルチェンジを行っても、魅力的な新しさが生まれにくい。従来型のユーザーは、自分のクルマに故障の頻発といった問題が発生しない限り、車検を取って乗り続ける。
この時に効果を発揮するのが、安全装備と運転支援機能の進化だ。冒頭で触れたように、交通事故はクルマにとって一番深刻な欠点だから、ユーザーも高い関心を寄せている。従来型から現行型に乗り替えると、新しい実用性を伴うメリットが得られる。これが従来型のユーザーに対して、新型への乗り替えを促す。
この乗り替えの仕方は、パソコンの買い替えに似ている。パソコンも新たなアプリケーションをスムーズに使えることが分かると、従来型に不具合がなくても、新型を買うことがある。同様のことがクルマにも当てはまる。
■中高年は嫌煙傾向も付けるべき! 自動車保険の割引もあるゾ
ただしユーザーによっては、この流れに疑問を持つ場合も。特に中高年齢層の場合、長年にわたって安全な運転をしてきた自負があるためか、「余計な装備はいらない」と考える傾向が強い。そして衝突被害軽減ブレーキは、危険な状況にならないと作動しないから、安全に正しく運転していれば効果を体験する機会はない。サイド&カーテンエアバッグに至っては、大半のドライバーが作動を経験していない。しかも先進の安全装備や運転支援機能に、前述のクルマをたくさん売る目的が含まれていることも分かると、嫌悪感を持たせてしまう。
それでも先進的な安全装備は、可能な限り装着したい。その理由は「最新型の自動車保険」でもあるからだ。自動車保険も、使う機会はきわめて少ないが、万一の時に優れた効果を発揮する。運転ミスによる事故は、誰でも発生させる心配があるから、自動車保険に加入する。先進的な安全装備も同様で、交通事故の加害者になるのを防ぐのだ。
■ゼッタイに欲しい機能とは!? オススメ装備を暴露
トヨタ新型ノア/ヴォクシーのプロアクティブドライビングアシスト(PDA)。先行車の原則を感知し、減速支援を行う
装着したい安全装備で筆頭に挙げられるのは、今では大半の乗用車が標準装着する衝突被害軽減ブレーキだ。カメラやミリ波レーダーを使ったセンサーを装着して、ドライバーの操作が遅れて衝突不可避の状態に近付くと、衝突被害軽減ブレーキを作動させる。
警報も発するから、衝突被害軽減ブレーキの作動と同時、あるいはそれ以前に、ドライバーが積極的にブレーキペダルを踏むことも多い。ノア&ヴォクシーなどが搭載するプロアクティブドライビングアシストは、走行状態に応じて、衝突被害軽減ブレーキよりも早い段階で緩い制動を行う。
例えば通常の市街地走行で、先行車が速度を下げて自車が近付いた時、ドライバーがアクセルペダルを戻してブレーキペダルに踏み換えるようとすると、戻した時点で緩やかな制動が行われる。車両が交通状況とドライバーの操作を先読みして、制御を行う。
プロアクティブドライビングアシストは、地味な装備だが、運転が滑らかになって減速の仕方も穏やかになる。そのために自車が追突される危険も減らせるのだ。極めて有効な装備で、なおかつ衝突被害軽減ブレーキの応用技術だから、コストはほとんど高まらない。従って今後は装着車が増える。
事故防止には誤発進抑制機能も有効だ。発進時などに、アクセル/ブレーキペダルの踏み間違いなどに基づく事故を防ぐ。
誤発進と判断された時、エンジン出力を絞るタイプと、エンジン制御に加えてブレーキまで作動させるタイプもある。後者は車庫入れ時などのために徐行している場合、衝突被害軽減ブレーキを作動させることも可能だ。
ブラインドスポットモニターなど、後方を走る並走車両を検知して知らせる機能も有効である。油断していると、ミラーの死角に入る後方の並走車両に気付かず、車線変更を開始して焦ることがある。ブラインドスポットモニターは、このような時に警報を発して事故防止に役立つ。
このほかアラウンドビューモニターなど、車両の周囲を上空から見たような映像として、モニター画面やルームミラーに表示する機能もある。移動物の検知機能を備えたタイプなら、モニターの視野内に歩行者などが入ると警報を発する。
これらの安全装備は交通事故の危険を少なく抑えるが、それでも不幸にして被害が生じた時は、エアバッグが作動する。交通事故を防ぐ装備と併せて、サイド&カーテンエアバッグも装着しておきたい。
■中高年が嫌がるのは開発姿勢!? 一番重要なのは視認性!
これらの安全装備の充実は好ましいが、視界の優れた運転のしやすいクルマを開発することも大切だ。今は軽自動車を除くと、乗用車の大半が3ナンバーサイズに肥大化した。しかも全般的にサイドウインドーの下端が高く、運転席に座ると、車両に潜り込んだ感覚になる。
外観に躍動感を与えるため、サイドウインドーの下端を後ろに向けて持ち上げたり、ボディ後方のピラー(柱)を太くしたクルマも多い。これでは後方がマトモに見えず、縦列駐車や車庫入れがしにくい。
安全運転には、車両の周囲に潜む危険を早期に発見することも大切だ。後方を映すモニターでは、左右から急接近する自転車などを見落としやすく、ドライバーの視覚で直接確認したい。そもそもモニターはインパネなどに装着されるから、これに頼ると、前方を向きながら後退することになってしまう。
「モニターが装着されているから、後方が見えにくくても大丈夫」という開発姿勢は間違いだが、そのように感じさせるクルマが急増している。優れた視界を確保した上で、外観をカッコ良く見せるのが、本当の工業デザインだ。中高年齢層は、ここにも疑問を感じて、安全装備に対しても懐疑的になってしまう。
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みんなのコメント
難しい日本語。投稿前にスペルチェックを。
煽り運転をしろって言うのか!
お断りだ!あんな煽り運転しかしない下品なクルマなんで死んでも乗るか。
じじい舐めんなよ