2020年9月25日に発売された新型CBR600RR。今回のモデルチェンジでは、レースシーンでの要望を盛り込んだ進化も果たしている。どのようにしてこの新型の開発は始まったのだろうか。開発ライダーを務めた小山選手と、開発チームに話を伺った。
ホンダ新型「CBR600RR」開発ライダー・インタビュー
「電子制御デバイスの威力は想像以上でした」
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開発ライダーとして最初にお願いしたのはパワーアップと、ブレーキのスタビリティの向上でした。今回の新型CBR600RRはフルモデルチェンジではなく、従来型の発展版ですが、個人的にはとてもよく仕上がっているなと思っています。このカテゴリーはベースマシンのポテンシャルがものを言うクラスですが、ライバルと比べてみても、ストック状態ならポテンシャルは上回っているんじゃないかな、と思っています。
新型CBR600RRで一番驚いたのは、やっぱり電子制御デバイスの威力ですね。正直なところ、この新型CBR600RRに乗るまでは「ビッグバイクならともかく、600クラスのバイクに電子制御デバイスなんてホントに要るの?」という気持ちが少しあったのですが、実際に乗ったら大違いだったんです。
というのも、フルパワー・制御なしの状態でアタックをした後、電子制御を入れ、モードを落としてラクに走ってみたんですが、想像以上にそのときのタイムがよかったんです。アタックではなく、それほど飛ばしているつもりはなかったんですが…走り方のムダな部分を電子制御がうまくなくしてくれている感じ、とでも言うんでしょうか。ラクして速く走れてすごいな、と思いましたし、電子制御の威力を見せつけられました。
皆さん気になるウイングですが、あり、なしで乗り比べたらハッキリ違いを感じます。レースでは外径の大きなスリックタイヤを履かせるのですが、そのとき、フロントノーズが上がってリフトしやすくなってしまうのをウイングがしっかり抑えてくれています。
あと、スクリーンの角度を立て、タンク上面を下げてもらったおかげで、ウインドプロテクションが良くなりました。僕の場合、従来型ではトップスピードでヘルメットが揺さぶられていたんですが、新型は伏せればストレートもほぼ無風ですよ。これなら、ライバルとも互角に戦えると思います。
ホンダ新型「CBR600RR」開発チーム・インタビュー
持ち前の魅力を活かしてポテンシャルも高めた
アジアロードレース選手権のベースマシンのポテンシャルを高めてほしい。タイをはじめとした、アジア各国のライダーの要望を受け、新型CBR600RRの開発は始まった。
「まずはベースマシンの不足しているポテンシャルを上げるところから考えました。どこまで変更すればいいか、求められるポテンシャルの検証からのスタートでした」
様々な検証と検討が重ねられ、時には他のエンジンレイアウトまで考えたそうだが、最終的に結論は従来型の発展版になった。
「もともと、CBR600RRがエンジン、車体を含めて、非常にバランスに優れているマシンだった、というのが大きかったです。あと、パワーに関しては、やっぱり直4が一番だということもありました」
とはいえ、先代から4年、設計年次で言えばもっと古いバイクを「発展」させるわけである。そこで、兄貴分でもあるCBR1000RR-Rで得たノウハウや電子制御技術が惜しみなく投入されたのであった。
「CBR1000RR-Rと同じく、ウイングレットは加速旋回時にダウンフォースを生むアイテムですが、持ち前の俊敏なハンドリングをスポイルしないよう配慮しました。1000RR-Rは大胆に割り切って高性能を求めたバイクですが、600RRは市販車としても操って楽しい、俊敏なマシンを目指しています」
レースポテンシャルは高めるが、市販車としての扱いやすさも犠牲にしない。そのコンセプトはパワー特性に関しても同じだった。
「新型は出力特性を高速側にシフトしていますが、高出力化を目指す一方で、低速も犠牲にしないよう配慮しました。排気系に合わせてエアファンネルの長さも見直していますし、スロットル・バイ・ワイヤの採用で乗りやすさも大切にしています」
レースで勝てる、俊敏なスプリンター。新型CBR600RRの魅力は、サーキットだけでなく、ワインディングでも存分に楽しむことができそうだ。
まとめ:オートバイ編集部
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みんなのコメント
見てくれに出てしまうんでしょう。近年バイク売れないから 原価を下げる 原価を下げるから 性能、見た目も安っぽくなる 安っぽいから売れない 悪循環だ…。