■我道を行く無骨なクルマたち
クルマのデザインは販売を左右する重要な要素ですが、時代によって流行は変わっていくものです。
これはロシアの「走るシーラカンス」!? 本格クロスカントリー4WD車5選
近年はセダンやステーションワゴン、SUVでも、リアセクションを斜めにした、クーペスタイルが流行っています。
一方で、流行に反して角張ったデザインのモデルも存在。そこで、無骨なデザインを採用しているクルマ3車種をピックアップして紹介します。
●ラーダ「4×4」
ロシアのラーダというメーカーは日本では馴染みがあまりないのですが、乗用車タイプのSUV、ラーダ「ニーヴァ」が、1980年代から4WDマニア向けに日本に輸入されていたことで、海外製4WD車好きには認知度が高いメーカーです。
現行モデルのニーヴァは信頼性、操縦性、安全性を向上させ、強化シャシやクリアランスの拡大でオフロードの可能性を高めたラーダ「4×4」に名前が変わりました。
3ドアがスタンダードで5ドアもあり、最上級グレードの「4×4 BRONTO」には235/75R15のワイドタイヤや、リアアクスルとフロントスプリングの強化、フロントとリアにスクリュータイプの「セルフロックディファレンシャル」を備えてオフロードの走破性を高めています。
また、パワーステアリングの装備や、シャシの騒音や振動の低減、エアコンやシートヒーターなどの快適装備も充実し、外観はほぼ1980年代のままで大きく変えず、ストイックなイメージのニーヴァから乗用車として進化しました。
エンジンは最高出力83馬力の1.7リッター直列4気筒で、トランスミッションは5速MTが組み合わされ、最高速度137km/h、0~100km/h発進加速は18秒と、性能的には前時代的です。
ボディサイズは全長3680mm×全幅1713mm×全高1740mm(4×4 BRONTO、3ドア)と、近年のSUVに比べかなりコンパクトな設計で、本格的なクロスカントリードライブには適しているでしょう。
●日産「NVパッセンジャー」
日産は1958年に北米進出していますが、当時から積極的に商用車(ピックアップトラック)を販売していました。現在、トヨタやホンダはピックアップトラックがメインですが、日産はバンも複数ラインナップしています。
なかでも箱型デザインのボンネットバン「NVカーゴ」は、シンプルながらもユーティリティに優れており、さまざまな用途に活躍しています。
ボディタイプは標準ルーフとハイルーフがあり、さらに乗用に使えるワゴン「NVパッセンジャー」をラインナップ。
エンジンは4リッターV型6気筒と5.6リッターV型8気筒ガソリンを搭載し、ボディサイズは全長6111mm×全幅2029mm×全高2134mm、ホイールベース3710mmと、マイクロバス並のサイズです。
室内の乗車定員は12名の4列シートとなっています。
外観は、ちょうど日産「キューブ」を大きく長くしたようなイメージで、デザインのバランスはなかなかのものです。ボンネット部分を含め四角で構成されたボディは、他のモデルにはない特徴となっています。
■カクカクボディの老舗といえば!?
●ジープ「レネゲード」
ジープというと「ラングラー」という無骨なモデルがありますが、もっとコンパクトなサイズの「レネゲード」も、負けじと無骨なイメージのSUVとなっています。
現行モデルは2015年に発売され、2019年2月にマイナーチェンジしたモデルで、グレード構成は「Longitude(ロンジチュード)」「Limited(リミテッド)」「Trailhawk(トレイルホーク)」の3モデルです。
ボディサイズは全長4255mm×全幅1805mm×全高1695mm(ロンジチュード)と、日本での使い勝手が良い大きさで、エンジンは全グレードで1.4リッター直列4気筒ターボを搭載。
シャシやエンジン、ドライブトレーンなどはフィアット「500X」と共有しています。
駆動方式はトレイルホークが4WDで、ほかはFFとなり、ジープのクルマとしては、悪路走破性は考慮されておらず、都会派のクロスオーバーSUVという位置づけです。
外観は500Xと大きく異なり角張ったデザインで、ジープのアイコンといえる伝統の「7スロットグリル」を採用しています。
日本仕様ではドアミラーにオート格納機能があり、オーディオ/ナビゲーションシステムに地上デジタルTVチューナーが標準装備となっているなど、日本での使用状況が考慮されています。
※ ※ ※
流行りの流麗なデザインは美しく見えますが、どれも横並びに流麗では個性を主張しづらいという面もあります。
今回、紹介した3車種のように決してスタイリッシュではないものの、機能的にデザインされたクルマというのはカッコよく見えるのではないでしょうか。
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