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ダイハツ 新型ムーヴ試乗レポート 驚異と脅威!軽自動車の枠を超えたスモールカーの新たなベンチマーク

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ダイハツ 新型ムーヴ試乗レポート 驚異と脅威!軽自動車の枠を超えたスモールカーの新たなベンチマーク

今や日本の新車販売の40%が軽自動車で、もしかしたらこの後、数年で50%に到達するかもしれない。軽自動車はガラパゴスカーと言われる一方で、まさに国民車というにふさわしい存在になっている。

■斬新・大胆な開発コンセプト軽自動車は、現在はボディタイプで大別すると軽自動車の原点の2ボックス・ハッチバック車、ハイトワゴン、全高が1700mmを超えるスーパーハイトワゴンという3種類があり、各メーカーはこれらボディタイプを網羅している。ダイハツでは、これまで2ボックスタイプのミラ・イースを第3のエコカーと位置付け、軽自動車の原点としてきた。

しかし、軽自動車市場での販売状況をみると、2ボックスタイプは20%強、ハイトワゴンが45%、スーパーハイトワゴンが35%弱といった現状で、ハイトワゴンが軽自動車の中でメイン車種になっていることがわかる。

ダイハツは新型ムーヴの開発にあたり、ハイトワゴンのムーヴこそがこれからの軽自動車の本流と位置付け、従来からのハイトワゴン・ユーザーだけではなく、小型車から軽自動車ハイトワゴンに乗り換えたユーザー、軽自動車に否定的で購入しない小型車のユーザー層の調査を徹底的に行なった。

つまり新型ムーヴは軽自動車のメイン機種に位置付けるというだけではなく、今後ますます増加すると予想される小型車からのダウンサイザーを満足させることを重視した開発を行なうことにしたのだ。

調査結果では、特にダウンサイザーには軽自動車特有の加速性能や走行安定性など、走りに関する不満点が多いことがわかった。そこで、ムーヴのフルモデルチェンジにあたり、低燃費、低価格は維持しながらもシャシー性能など基本性能を大幅に高め、走りが楽しくリラックスできることと、存在感のあるデザインの実現を開発コンセプトにした。

そのためにボディの骨格構造を一新し、シャシー性能を大幅に高める必要があったが、これは言い換えれば、これまでの軽自動車の限界を打ち破り、小型車ユーザーを納得させ、うならせるレベルにするということになるのだ。

だから、新しい軽自動車を造るというより、新しい小型車を軽自動車の枠内で造るという、常識破りの発想の下で開発が行なわれることになった。

そして性能目標として想定されたのが、安定感のあるしっかりした走りで定評のあるヨーロッパのBセグメントのクルマだ。具体的に言えばフォルクスワーゲン・ポロやルノー・ルーテシアなどである。もちろん、軽自動車はBセグメント車ほどのコストはかけられないため、どのように造り方を工夫するかがキーになる。

例えばボディ骨格は、ヨーロッパ車と日本車、軽自動車では、生産設備、材料から工法までかなり違いがある。その違いを前提に、新型ムーヴは大型部品のサイドパネルを厚めの高張力鋼板の一体成形にすることで、これまで使われてきた多数の補強材をなくし、軽量化と高剛性化を実現したという。

もう一つ面白いのは、これまでの軽自動車では定番の標準モデルとカスタム・モデルの造り分けは標準モデルをべースにしてカスタムを開発していたが、今回はカスタムをまずデザインし、標準モデルと、カスタムよりも上級でダウンサイザーにターゲットを絞ったカスタム・ハイパーを造っていることだ。

そんなことからも、これまでの軽自動車ユーザー層に加え、小型車ユーザー層を意識したクルマづくりが行なわれていることがわかる。

■試乗インプレッション試乗はまず、標準モデルの「X”SA”」から。標準モデルは、Xターボ、X、Lの3グレードとなっている。デザイン的にも標準モデルは大人しめのルックスで、タイヤも155/65R14サイズ(ダンロップ・エナセーブEC300+)だ。

ステアリングを握り、走り出してすぐにボディのしっかりした剛性感、きわめてナチュラルなステアリングフィールに驚かされる。この感覚は確かに従来の軽自動車のレベルではなく、日本車の1.5Lクラスを上回るほど。

タイヤからの路面のフィードバックや、路面との接地感もしっかり感じられ、同時に路面の凹凸に対してのサスペンションのしなやかな動きも絶妙といえる。ステアリングを切るのに比例して自然にロールするフィーリングと、リヤタイヤがしっかり粘る安心感は、これまでの軽自動車や小型車のレベルをはるかに上回っている。専門的に言うと2ランクは確実に上という感じだった。

ただし、表面がざらついた路面や細かな凹凸がある道路では路面からのロードノイズが気になった。これはスムーズな路面では室内が静かであるがゆえに目立つのだ。逆に言えば滑らかな舗装路面では十分に静かだといえるのだが。

エンジンは改良されているが、基本的に従来タイプを継承し、CVTと組み合わせている。さすがに追い越し加速時や上り坂では、スロットルの踏み込みに対してエンジンの回転が先に上がり、やや遅れて加速するというNAエンジンとCVT特有のフィーリングが顔を出す。しかし、市街地や平坦な道ではストレスなく走ることができる。

新型ムーブはパワーモード切替スイッチがステアリング上に設置されており、市街地や郊外路での追い越しなどでは、このスイッチを押すとよりスロットルが早開きとなり、高回転まで引っ張ることができる。従来のパワーモード・スイッチは、シフトセレクター部にあったが、その場所ではあまり利用されていないので、ステアリングから手を離すことなく簡単に操作できるこの位置にしたのだという。

シートの作り、ペダルの配置などもじっくり熟成されている。また使い勝手では、リヤゲートが従来の横開き式から一般的な跳ね上げ式に変更されている。またリヤシートの広さは従来通りで、大人4人でツーリングに出かけても不満は出ない。リヤシートは左右独立スライド式となり、使い勝手は向上している。一方、ターボだが・・・。

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