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これが本来の形…と言うべきか!?タミヤ製プラモ「ホンダNSX」から「NS-Xプロトタイプ」を再現・後編【モデルカーズ】

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これが本来の形…と言うべきか!?タミヤ製プラモ「ホンダNSX」から「NS-Xプロトタイプ」を再現・後編【モデルカーズ】

「快適F1」が市販車となるまでの通過点

ホンダの初代NSXにおけるプロトタイプ車両NS-Xの実車とその模型化作品については、前編の記事(下の「関連記事」参照)においてすでに説明されている。ここでは、実車NSXの全体像について述べていこう。

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1989年に発表された初代NSXであるが、その原点を探ると、1984年1月に開始された、ミッドシップ技術の基礎研究に行き着くとされている。初期のホンダSシリーズや軽トラックを別とすると、その後のホンダのクルマ創りはFF方式を基本にしていた訳だが、それ以外のレイアウトの可能性を探る研究であった。この時試作されたのは、初代シティをベースにアンダーフロア型のミッドシップとした車両だったという。これは商品企画には結びつかず開発中止となったのだが、そのレイアウトに相応しい企画として浮上したのが、新たなスポーツカーだったという訳である。

そうした経緯から、本格的なスポーツカーの開発は1985年秋に始まった。度重なる議論を経て、コンセプトは「快適F1」に決定。当時ホンダが目覚ましい活躍を見せていたF1での技術力を反映しつつも、ドライバーを緊張させるスパルタンなクルマではない、解放するスポーツカーである、というのがその趣旨である。前編の記事で述べられたような経緯で開発は進み、いよいよ発表となったのは1989年2月のシカゴモーターショー。この時の車名はNS-Xであった。

正式に発売となったのは翌1990年9月のこと。いよいよ日本の自動車メーカーからも本格的なスーパースポーツが登場したかと大いに注目を集めた。ボディサイズは全長4430mm/全幅1810mm/全高1170mmと、プロポーションとしては若干細長い。これは前編で述べたようにホイールベースが開発途中で延長されたこと(2530mm)、リアに実用的なトランクルームを具えたことなどが理由である。オーバーハングの長い理由は、トランク以外に空力性能の向上も理由とされた。

乗員の背後に置かれるエンジンは、レジェンド用のV6をベースに開発された3L DOHCのC30A型。インテグラなどに採用されていたVTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)を採用し、最高出力は280psを発揮する。これに組み合わせられるトランスミッションは5速MTと4速ATを用意。AT車が設定されたのも、コンセプトの「快適」に基づく部分である。なお、AT用のエンジンは265psにデチューンされていた。サスペンションは前後ともダブルウィッシュボーン、ブレーキは4輪ベンチレーテッドディスクとなる。

NSXにおける自動車技術的な最大のトピックと言ってよいかもしれないのが、オールアルミ製ボディであることだった。これは、量産車としては世界初であるとも言われるほどの挑戦であったが、その理由はやはり軽量化の実現である。NSXの開発にあたってはパワーウェイトレシオを5kg/psに設定、そこから割り出されたのが車両全体としては200kg、ボディのみで見た場合は150gの削減という目標である。この高い壁にホンダの技術陣は果敢に挑み、ボディを全アルミ製とすることにより、ホワイトボディでは140kgの軽量化を実現。車両全体としては200kg軽くすること(車両重量は1350kg)に成功したのである。

そのボディがまとうスタイリングは、スーパースポーツであることを見る者にすんなりと納得させるもので、ロングテールなこともあり、キャビンフォワード・スタイルで自然とまとめられていた。また、モチーフとなったのはジェット戦闘機のF-16ということで、グリーンハウスがボディとは全く分離したキャノピー的な形状となっていたが、これは同時に前後の視界を大きく採るという目的にも適ったものである。リアデッキ後端にはスポイラーを一体化しているのも特徴であった。

その後の展開について簡単に述べておくと、ピュアスポーツとしての方向性を追求したタイプR(1992年)やタルガトップのタイプT(1995)を追加したのち、1997年には、エンジンを3.2LのC32B型へと変更し6速MTを搭載する(AT車は3Lのまま)マイナーチェンジを行っている。さらに2001年のマイナーチェンジでは、ヘッドライトを固定式に改めるなど外観を大幅に変更。翌2002年には、3年間で消滅したタイプRをNSX-Rとして復活させている。そして2005年、惜しまれつつも生産を終了。二代目が世に出るまで、10年のブランクが空くことになったのである。

プロトタイプの模型再現は自然とタミヤ・ベースが前提となる
初代NSXの1/24スケール・プラモデルは、タミヤとフジミの2社からリリースされている。実車デビュー当時にキット化されたタミヤ製NSXが初期タイプであるのに対し、フジミ製は2001年マイチェン後の固定ライトのタイプをモデル化。当然ながら、作例のようにプロトタイプへと改造しようという場合には、タミヤ製NSXをベースとすることになるだろう。また、フジミのキットも決して悪いものではないが、エンジンやシャシーなどがフル再現されていることもタミヤ製NSXのアドバンテージとなる。

タミヤのNSXには、登場初期のNSXと、1995年に発売されたタイプRの、2種類がある(JGTCやスーパーGTのマシーンもあるが、これはまた別のものである)。素のNSXは今も現役商品で入手は容易だが、タイプRは一度だけ再販があったのみ(2011年)のため、お好きな方は、見かけた際は躊躇なく入手された方がよいだろう。

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みんなのコメント

10件
  • 二代目の不甲斐なさもあって、先代がより魅力的に感じる
  • 車の発表と変わらない速さで販売される事を考えると、新車の図面を貰ってたるのか?と思ってしまった。
    タミヤのクオリティは最高、タミヤの模型映えするモディファイも最高。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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