現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【ホンダNSX マイチェン試乗記】ドラスティックに変化し感性に寄り添う19年モデル vol.1/3

ここから本文です

【ホンダNSX マイチェン試乗記】ドラスティックに変化し感性に寄り添う19年モデル vol.1/3

掲載 更新
【ホンダNSX マイチェン試乗記】ドラスティックに変化し感性に寄り添う19年モデル vol.1/3

ホンダのスーパースポーツ「NSX」がマイナーチェンジをした。2018年10月25日に発表され、2019年5月より発売が始まるがひと足先に19年モデルに試乗できたので、その「変化」についてお伝えしよう。


2代目NSXが発売されたのは2016年で、アメリカのホンダR&Dが主導で、日本のホンダ技術研究所との共同で開発がすすめられ発売に至っている。メインマーケットが北米であることを考えれば当然のことではあるが、19年モデル(Y19 )は日本のホンダ技術研究所が中心となって開発を進め、大きく変化したモデルとなっている。

フォルクスワーゲン「ティグアン 4MOTION」試乗 待望のディーゼル+4MOTIONでSUV力を大幅アップ


とはいえハードパーツに変更はなく、主にデザインと制御の変更によるマイナーチェンジになっている。搭載するパワーユニットは3.5L V6ツインターボに3つのモーターを持つハイブリッドで、9速のトランスミッションをミッドシップに搭載というのは変更がない。

制御の変更では、人の想像を超える新しい曲がり方を提案した現行NSX(Y17)に対し、人の感性に寄り添うように制御したのが19年モデルのNSXということだ。17年モデルの試乗レポートはこちらで掲載しているが、フィードフォワード制御で新しいコーナリングの世界を実現したと書いている。
※関連記事:NSX試乗記 フィードフォワード制御の 新しい曲がり方

19年モデルでは、この制御ロジックを人間中心にシフトし、感性に寄り添うように変更。試乗してみると、その違いは「まったく別のクルマ」というのがファーストインプレッションになる。


試乗レポート

ドライビングモードは「クワイエット」、「スポーツ」、「スポーツプラス」、そして「トラック」の各モードで、この部分は変更がないが、制御の中身が大幅に変更されているのだ。乗ってすぐに感じるのはエンジンの音が良く聞こえるようになったこと。これはエンジンサウンドの演出という部分では変更していないというが、使う領域の変更によりサウンドがよくきこえるようになったとLPL(開発責任者)の水上氏は説明する。

17年モデルの物足りなさとして、スーパースポーツの超高額なモデルであるにもかかわらず、サウンドによる高揚感が薄いということをレポートしているが、その部分が大きく変わり、乗って興奮する歓びがあるのだ。アクセルを踏んで、ブレーキ踏んで、そしてハンドルを切って、心の高ぶりがありスーパースポーツに相応しいサウンドになったと言える。


そして制御ロジックの変更では、コーナリング時ステアリングの舵角センサーをフィードフォワードし、フロントの2モーターの駆動と減速(回生)させることで、コーナリングヨーモーメントを強く発生させ、回頭性を上げるという制御だった。そのため、想像を超える回頭性を味わうことができ、新しいコーナリングの世界観を体験することができたわけだ。19年モデルは、その2モーターの出力を共に駆動力とし、出力差をつけることで旋回ヨーを作るという制御にかわったのだ。

その結果、ドライバーの意思どおりに旋回が始まり、コーナリングGも想定どおりに発生する走り方に変わったのだ。これは「スポーツ」と「スポーツプラス」でも制御が異なり、スポーツのほうが回頭性が鋭いものの横Gは小さいという新しい旋回の世界観は残してある。そしてスポーツプラスにすると、スポーツのときより横Gが大きく、ドライバーは予測通りの旋回Gを感じながらコーナリングするということになる。


シンプルに説明すると、極端な回頭性は薄くなり、思った通りの旋回をするようになった、というのがざっくりとした説明で、そのための制御ロジック変更はドライスティックであり、正反対の制御モデル(制御プログラムを構成する数式=ブロック線図のこと)を作り出したということだ。

これは2モーター制御において、駆動力差を1/1000秒の瞬時に変更できる電気デバイスならではのコントロールであり、時にはイン側を回生(減速)制御にして回頭性を上げるということも行なっているはずだ。この辺りの制御はモードによってことなり、また、入力されるデータ、つまり、車速、車輪速、舵角センサー、スロットル開度などの情報の違いにより、瞬時にモーターへの信号を変化させる制御モデル(数式)を作りこんでいるということになる。


このことからホンダの技術研究所は究極の制御モデルを2つ作り、つまり、Y17 とY19 だが、しかも実装して評価を得るレベルのMBD技術(モデルベース開発)があるということの証明でもあり、高い制御技術を手中にしたスーパースポーツということができるだろう。モデルベース開発の詳細はこちら。
※関連記事:自動車開発で、もはや常識となっているモデルベース開発とは何か?

こうした制御ロジックの変更は、要因として時代の変化に寄り添うことから起きることもあり、こうしたホンダブランドを象徴する、つまり「F-1のホンダ」が作るフラッグシップは、常に、最先端の技術と商品の魅力を持ったプロダクトでなければならないという宿命を持っているということだ。だから、ホンダNSXは将来的にもホンダブランドを象徴するモデルとして、ホンダである限り永久的に継続しなければならないモデルでもあるわけだ。

さて、こうした制御ロジックの変更を支えるシャシーまわりにも変更が行なわれており、それについては、2/3でレポートしたい。<レポート:高橋明/Akira Takahashi>

価格:2370万円(税込)

ホンダ NSX 関連情報
ホンダ 関連情報

こんな記事も読まれています

トヨタ『カムリ』新型...ベストセラーはどこが新しくなったか?
トヨタ『カムリ』新型...ベストセラーはどこが新しくなったか?
レスポンス
Vストローム250SX専用! ZETA「アドベンチャー アーマーハンドガード」がダートフリークから発売!
Vストローム250SX専用! ZETA「アドベンチャー アーマーハンドガード」がダートフリークから発売!
バイクブロス
ダイハツ[ロッキー]復活!! 物価高時代の頼れる味方スズキとダイハツの小型SUVを一挙公開! 
ダイハツ[ロッキー]復活!! 物価高時代の頼れる味方スズキとダイハツの小型SUVを一挙公開! 
ベストカーWeb
「GT-R」じゃない方の「スカイライン」が面白い! 日産の「FR+直列6気筒」の伝統と魅力を再発見
「GT-R」じゃない方の「スカイライン」が面白い! 日産の「FR+直列6気筒」の伝統と魅力を再発見
Auto Messe Web
世界的に注目される「ニュル24時間レース」も「偉大なる草レース」と呼ばれる! そもそも草レースって何?
世界的に注目される「ニュル24時間レース」も「偉大なる草レース」と呼ばれる! そもそも草レースって何?
WEB CARTOP
マクラーレンのランド・ノリスが参戦110戦目にしてF1初優勝。角田裕毅7位【決勝レポート/第6戦マイアミGP】
マクラーレンのランド・ノリスが参戦110戦目にしてF1初優勝。角田裕毅7位【決勝レポート/第6戦マイアミGP】
AUTOSPORT web
ダムドが伊・OZ Racingとコラボしたネオクラシックホイール「Rally Racing 4×4」の受注を開始
ダムドが伊・OZ Racingとコラボしたネオクラシックホイール「Rally Racing 4×4」の受注を開始
レスポンス
幸運を呼ぶ男!? トランプ元米大統領がF1マイアミGPでマクラーレンを訪問。チームは政治的意図はないと釈明
幸運を呼ぶ男!? トランプ元米大統領がF1マイアミGPでマクラーレンを訪問。チームは政治的意図はないと釈明
motorsport.com 日本版
600馬力のV12スーパーチャージャー搭載 ジャガーXJS、高性能レストモッドで復活
600馬力のV12スーパーチャージャー搭載 ジャガーXJS、高性能レストモッドで復活
AUTOCAR JAPAN
日本郵船、自動車専用船で使った固定用ベルトをRPF燃料に再資源化
日本郵船、自動車専用船で使った固定用ベルトをRPF燃料に再資源化
日刊自動車新聞
最速の新型「クーペ“SUV”」世界初公開! 大排気量「V8」搭載の「SE」!  速すぎる「800馬力ウルス」中国に登場
最速の新型「クーペ“SUV”」世界初公開! 大排気量「V8」搭載の「SE」! 速すぎる「800馬力ウルス」中国に登場
くるまのニュース
避けた方がいいかも!? 教習所が混雑する期間とは
避けた方がいいかも!? 教習所が混雑する期間とは
バイクのニュース
時代に逆行? 自然吸気6.5L V12で830馬力、フェラーリ新型「12チリンドリ」公開 華麗なるフラッグシップモデル
時代に逆行? 自然吸気6.5L V12で830馬力、フェラーリ新型「12チリンドリ」公開 華麗なるフラッグシップモデル
AUTOCAR JAPAN
BMWがスマホアプリでエンジンやエアコンをリモートで操作できる「リモート・エンジン・スタート」を導入
BMWがスマホアプリでエンジンやエアコンをリモートで操作できる「リモート・エンジン・スタート」を導入
@DIME
アキュラ初のEV『ZDX』には「タイプS」も設定…納車を開始
アキュラ初のEV『ZDX』には「タイプS」も設定…納車を開始
レスポンス
横断歩道の途中まで歩いてバイク発進!これって法律上問題ないのか!?
横断歩道の途中まで歩いてバイク発進!これって法律上問題ないのか!?
バイクのニュース
クルマの「窓ガラス内側の曇り」水道水がダメな理由は? 逆効果で余計に曇る? カンタンお手入れ方法とは
クルマの「窓ガラス内側の曇り」水道水がダメな理由は? 逆効果で余計に曇る? カンタンお手入れ方法とは
くるまのニュース
移籍が噂されるフェルスタッペンについて、レッドブルのマルコ博士言及「パフォーマンス……まさにそれが、我々が用意しなきゃいけないモノ」
移籍が噂されるフェルスタッペンについて、レッドブルのマルコ博士言及「パフォーマンス……まさにそれが、我々が用意しなきゃいけないモノ」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2420.02794.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

600.05900.0万円

中古車を検索
NSXの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2420.02794.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

600.05900.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村