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小山美姫がST-X初制覇。5回のFCYもDENSO LEXUSがポール・トゥ・ウインで今季初優勝/スーパー耐久第5戦

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小山美姫がST-X初制覇。5回のFCYもDENSO LEXUSがポール・トゥ・ウインで今季初優勝/スーパー耐久第5戦

 9月29日、三重県の鈴鹿サーキットでENEOSスーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE第5戦『SUZUKA S耐』の決勝が行われ、ST-Xクラスの31号車DENSO LEXUS RC F GT3(永井宏明/小高一斗/小山美姫/嵯峨宏紀)がポール・トゥ・ウインで今季初の総合優勝を飾った。

 前日の予選日は曇り空ながらドライコンディションでレースウイークがスタートした2024スーパー耐久第5戦。迎えた日曜決勝日は朝から雨がコースを濡らし、ピットウォーク中には強い雨が鈴鹿サーキットに降った。その雨は決勝レース直前に止んだものの、路面は乾ききらずにウエットコンディションで11時45分のフォーメーションラップスタートを迎えた。

【正式結果】2024スーパー耐久第5戦鈴鹿 決勝

 路面が乾くことを見越してドライ用スリックタイヤを装着する車両も見られた決勝では、総合ポールポジションを獲得したDENSO LEXUS RC F GT3の小高を先頭に、グループ1とグループ2の各車が5時間レースをスタートしていく。

 トップをいくDENSO LEXUS RC Fはスリックタイヤ装着でスタートしており、小高をもってしてもコーナーでマシンが左右に振られてしまう。背後からはウエットタイヤを履くCraft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3のリー・ジェフリー、TKRI松永建設AMG GT3のDAISUKEが襲いかかるが、順位を守った小高はタイヤも温まってきたか少しリードを広げる。

 1周目終了でST-5クラスのPROGRESS 高砂ロードスターが最終コーナーのピットロード入口でクラッシュ、FCY(フルコースイエロー)が導入される。そのFCY中にも走り続ける車両で路面が徐々に乾き始め、リスタートを決めたDENSO LEXUSの小高は逃げにかかる。

 その後もコース上ラインが乾いてきたことで、スタートでウエットタイヤを装着した車両は続々とピットインしてドライタイヤに交換していく。1時間を過ぎると各車ルーティンピットに入っていくが、130Rでメイプル広島レーシングMAZDAロードスターがクラッシュ。再開後には15号車岡部自動車Z34が2コーナーでコースアウト、ホームストレートでは新菱オートDXL夢住まい館EVO10がマシンを止めてしまい、それぞれFCYが導入された。

 レース残り3時間を切るとDENSO LEXUS RC Fの永井、DAISHIN GT-R GT3の坂口夏月、中升 ROOKIE AMG GT3の片岡龍也によるトップ争いが激化。3台パックのバトルでは、まず中升 ROOKIEの片岡がDAISHIN坂口をかわす。片岡はそのままトップをいくDENSO LEXUSの永井に迫ると、56周目の130Rでインをついてトップに立つ。さらに永井は坂口にもオーバーテイクされ3番手となる。

 しかし、残り2時間というところで今田信宏に交代したDAISHIN GT-Rが130Rでクラッシュ。マシンとドライバーに大きなダメージなくレースに復帰するものの、周回遅れとなりトップ争いから後退となってしまう。一方のトップ争いは中升 ROOKIEの鵜飼龍太をDENSO LEXUSの嵯峨が捉え、ふたたびレクサスのリードでレースは後半に入っていく。

 DENSO LEXUSは小山に代わった最終スティントでも安定したペースをみせてトップを快走。5時間127周を走りきって今季初優勝のトップチェッカーを受けた。DENSO LEXUS RC F GT3と永井/小高/嵯峨としては昨年の第5戦もてぎ以来、女性ドライバーの小山にとっては自身初のST-Xクラス優勝となり、シリーズでは1993年のN1耐久時代に佐藤久実が筑波12時間を制して以来、1998年からのスーパー耐久では史上初の最高峰クラス女性ドライバー総合優勝を果たした。

 GT4車両が争うST-Zクラスはスタート直後にTECHNO FIRST R8 LMS GT4がトップに立つも、8番手から追い上げてきた25号車raffinee日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4と激しいトップ争いを展開。その背後には富士24時間ぶりの参戦となった2W Yamaguchi GR Supra GT4 EVOの卜部和久がクラス12番手から猛追するも、スタート違反で痛恨のドライブスルーペナルティを科されてしまい後退。

 終盤には4番手から虎視眈々と上位進出を狙っていたEBI GROUP Cayman GT4 RS CSがクラストップに立つと、TECHNO FIRST R8を寄せ付けず今季初表彰台のクラス優勝を飾った。TECHNO FIRST R8は2位、25号車raffinee Zが3位に続き、ポールスタートから上位を争っていた埼玉 GB GR Supra GT4はピット作業違反のペナルティで4位となっている。

 ST-TCRクラスは、レーススタートからフィニッシュまでM&K Racingのホンダ・シビック・タイプR TCRがバトルを繰り広げ、最終盤に同門対決を制した98号車Racer ホンダカーズ桶川 CIVICが初優勝を飾った。97号車が2位、エヴァRT初号機 RS3 LMSが3位でフィニッシュしている。

 ST-1クラスは、唯一の参戦となるシンティアム アップル KTMが終始快走をみせ総合9位でフィニッシュ。ST-2クラスは序盤から首位を走行していたSPOON リジカラ CIVICが、残り1時間30分で右フロントバンパーにダメージを負い緊急ピットインすることになり、KTMS GR YARISが今季3勝目のクラス優勝を獲得した。OHLINS CIVIC NATSが終盤のバトルを制し2位、ENDLESS GRヤリスが3位に続いた。

 ST-3クラスはクラスポールスタートのTRACYSPORTS with DELTA RC350 TWSがAドライバーハンデで後退するも、僚友のエアバスター WINMAX RC350 TWSが最終的にクラス優勝を飾り、TRACYSPORTS with DELTA RC350も2位でワン・ツーフィニッシュを決めている。

 ST-5クラスは、予選で上位を独占したマツダ・ロードスター勢が序盤のウエット路面で後退すると、代わってFF勢が上位に上がってくる。しかし長丁場レースを制したのはodula TONE 制動屋 ROADSTERとなり、2位にDXLアラゴスタNOPRO☆MAZDA2、3位に村上モータースMAZDAロードスターが続いた。

 開発車両が参戦するST-Qクラスは最上位のGR Supra Racing Conceptが速さをみせて総合7位完走。Honda CIVIC TYPE R CNF-R、SUBARU HighPerformanceX Future Concept、MAZDA SPIRIT RACINGのマツダ3とロードスター、ORC ROOKIE GR Yaris DAT conceptも完走を果たしたが、ORC ROOKIE GR86 CNF conceptはスタート前に燃料系トラブルに見舞われ、修復作業が行われたものの出走は叶わなかった。

 これでシーズン7戦中5戦を終えた2024年のスーパー耐久シリーズ。次戦は10月26~27日に岡山国際サーキットで全クラス参加の第6戦が3時間×2レースで開催される予定になっている。

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