2025年までに販売する50%、2030年までにすべてのモデルをBEV化すると発表しているボルボ。そのボルボ初のBEV専用モデルとなるC40を、C40の生産工場があるベルギーで試乗した。(Motor Magazine 2022年1月号より)
BEV専業メーカーに向けた、ボルボ初のBEV専用モデル
ボルボは理念が明快で、それが企業の活動にも正確に反映された自動車メーカーだと思う。妙な言い訳などすることなく、一度決めたことを一心に進める。その姿勢は、清々しいと思えるほどだ。
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もともと優れた安全性で定評があるブランドだったが、やがてこれに環境問題への真剣な取り組みが加わるようになる。実は安全性も環境問題も「人を思う」ボルボの理念に照らし合わせれば当然のことで、その意味で彼らの方針は1927年の設立当時からまったく変わっていないとも言える。
そんなボルボが2019年より全モデルを電動化すると発表したのは2017年のこと。以来、プラグインハイブリッド車(PHEV)やマイルドハイブリッド車(MHEV)を着実に増やし、見事に公約を達成した。ちなみにPHEVは化石燃料を燃やさずに走行できる点でCO2削減に効果があると認められている一方で、MHEVはCO2削減効果もさることながら、実走行時のCO2排出量を規定した最新のEU排出ガス規制に適合するうえでも必要だったという立ち位置の違いがある。
そして2021年3月には「2030年までに電気自動車のプレミアムカーブランドに移行する」ことを宣言。あと9年でエンジンを搭載したモデルの生産をすべて取り止め、BEVのみを生産する自動車メーカーへの転身を目標として掲げた。正直、バッテリーの供給やインフラ整備を考えれば、これはかなりハードルの高い目標である。
ただし、これまでボルボが成し遂げてきたことを考えると、「ボルボだったらやり遂げるだろう」との思いも同時に抱く。いずれにせよ、ボルボが今後、チャレンジングな時期を迎えることだけは間違いないだろう。
XC40との共通点が多いとも、少ないとも言えるC40
そんなボルボのBEV化計画第1弾としてリリースされたのが、このC40リチャージである。ボルボがBEVを販売するのはこれが初めてではなく、2019年にはXC40ベースのBEV、XC40リチャージ P8 AWDをリリースし、欧州圏内で発売している(日本未導入)。しかしC40は、BEV版XC40と基本的に同一のハードウェアを持ちながらも、ボルボのBEV化計画にとってはるかに重要な意味を帯びている。
その第1は、これがBEV専用ボディである点。つまり、C40のハイブリッド車は生産されないのだ。「あくまでもBEV一本で生きていく」そんなボルボの覚悟が見え隠れする方針だ。もうひとつ注目すべきは、C40が全車レザーフリーとされたことにある。
レザーフリーとは、インテリアにレザーを一切使わないことを意味する。これは動物愛護の観点や、畜産業や酪農業が温室効果ガス排出に大きなインパクトを有していることから下された判断だ。ただし、自動車メーカーで明確にレザーフリーを謳ったのは、私が知る限りボルボが初めて。しかも、今後登場するBEVはすべてレザーフリーにするというから、その意気込みが伝わってくる。
ハードウェア面でC40とBEV版XC40の間に共通点が多いことは前述のとおりで、CMAプラットフォームをベースに78kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載。計408psを発揮する2基のモーターで前後輪を駆動する4WDとなる点は、すべてXC40と同じ。
ただし、今後はフロントのみにモーターを搭載した前輪駆動版も登場する見通しとのこと。ちなみに航続距離は最長485km。充電容量は、CHadeMo対応となる日本仕様でも150kWを確保するというから心強い。
ボルボのBEVに期待するすべてが詰まったC40
試乗会が催されたのは、XC40やC40を生産するゲント工場が建つベルギーで、ブリュッセル空港からゲントまでを往復する200kmほどの行程。これを1泊2日で走破した。
率直にいって、C40にはみなさんがボルボのBEVに期待するすべてが詰まっていると思う。たとえば、408psを誇示するような過激な発進特性は与えられず、あくまでもスムーズな身のこなしに終始。ボルボのBEVは全車ワンペダルドライブを装備するそうだが、C40の場合もスロットル操作に対する反応は洗練されていてドライバビリティは優秀だった。
安心感が強いハンドリングにも不満はない。乗り心地はソフト傾向。ただし、大入力時に微振動が残る点は、導入当初のXC40に共通する弱点と言えるが、XC40がそうだったように、C40もこの点は徐々に改良されるだろう。
ひとつ意外だったのは、高速域で思いのほか鋭い追い越し加速を披露する点。408psの面目躍如といったところだが、ボルボBEVの新しいキャラクターとして注目したいポイントだ。
クーペスタイルのフォルムは軽快でパーソナル感溢れるもの。レザーフリーのインテリアは、質感の点でXC40とはおもむきが異なるが、これもボルボの新たな理念を示すものとして注目したい。いずれにせよ、ボルボらしいBEVが誕生したことは間違いないだろう。(文:大谷達也/写真:ボルボカーズ)
ボルボC40リチャージ主要諸元
●全長×全幅×全高:4440×1875×1595mm
●ホイールベース:2700mm
●車両重量:2160kg
●モーター:交流同期電動機
●モーター最高出力:300kW(408ps)/4350-1万3900rpm
●モーター最大トルク:660Nm/0-4350rpm
●バッテリー総電力量:78kWh
●一充電航続距離:485km
●駆動方式:4WD
●タイヤサイズ:前235/45R20、後255/40R20
●車両価格(税込):719万円
[ アルバム : ボルボC40リチャージ はオリジナルサイトでご覧ください ]
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みんなのコメント
各社EV出してきてるけど、ボルボは安全面も心配ないし今後は試してみたい。