ターボ車の影に隠れてしまったNA搭載のスポーツグレード
90年代~2010年ぐらいまで、スバルはターボ車がよく売れた。初代レガシィ/初代インプレッサの時代から4代目レガシィが売られていた頃までは「売れ筋は上級グレード」という他社が羨むような販売の流れが続く。しかしその反面、低価格なNAエンジン搭載車は地味な存在となってしまう。
スバル車ならなんでも大好き……なハズのスバリストからも見放されたスバル車3選
時として驚くほどの入魂開発がなされたNAのスポーツグレードが販売されても、ターボや6気筒の影に隠れてサッパリ売れずに終わってしまう悲劇が続いた。ここでは、そんな歴代スバル車屈指の「NAスポーツ」3台をピックアップし、その素晴らしさを惜しんでみたい。
1)インプレッサSRX(1998年)
初代インプレッサの後期型(アプライドF~G型)にのみ設定された、初のNA版WRXとも呼ぶべきグレード。EJ20エンジンが吸気ポート形状やバルブタイミングなどを見直したフェイズIIへ移行し、NA版もポテンシャルアップがはかられたこともあって、インプレッサ初の本格NAスポーツという位置付けで登場した。
見た目はボンネットにエアスクープがなく、ホイール径の小さなWRXという感じ。値段は200万円強で設定されたが、時代はスバルのWRC参戦全盛期の真っ只中ということで、ほとんど売れず。あと50万円ほど足せば100馬力以上強力なターボのWRXが買えるのだから、売れないのも無理はなかった。
インプレッサ系初の可変バルブタイミング機構AVCSを搭載するEJ20・4はハイオク指定で、1998年当時のNA2リッターとしては、まずまず高出力といえる155馬力を発揮。同じスバルの水平対向NAでも当時の1.5リッターや1.8リッターより明らかに高回転寄りのセッティングで、ATでも7000回転まで引っ張れる痛快なユニットだったが、残念ながらその良さを味わえた人は少ない。
等長等爆化による改良効果はNAの方が大きかったという声も!
2)インプレッサWRX-NA(2000~2002年)
2代目インプレッサWRXは、デビュー当初はセダンが全車WRXに昇格。ターボを積む「WRX-NB」と、NAを積む「WRX-NA」の2グレードを設定し、歴代で唯一となる「NAのWRX」が発売されていた。エンジンは初代SRX時代と同じ155馬力仕様で、軽量初代ベースのSRXよりやや重くなったとはいえ車重はAT車でも1300kg。NAのWRXと呼ぶに相応しい動力性能を発揮していた。
GD系の拡幅・強化されたボディに搭載されることで、SRX時代と比較するとシャシー性能は劇的に向上。とてもバランスの良いNAのスポーツセダンとして、今からでも再評価に値する力作として、しっかり思い出しておきたい。
2代目WRXのデビュー直後は、少し遅れて発売されるSTIバージョン待ちという人も多く、NA仕様はほぼ見向きもされなかったことが惜しまれる。フェイスリフトで涙目顔となるアプライドC型以降は消滅し、完全に忘れ去られた。
3)4代目レガシィ2.0Rシリーズ(2003年~)
4代目レガシィで実施されたエンジンの等長等爆化による改良効果は、じつはターボよりもNAのほうが大きかったと言われる。そこでレガシィ初の本格NAスポーツグレード2.0Rが誕生した。SRX、WRX-NAと連続してNAスポーツが商売的に失敗し、その傷もまだ癒えぬうちから、3度目の正直と言わんばかりに入魂開発されている。
まずは、エンジンがじつに素晴らしい。NAらしい中低速トルクを維持したまま大幅な高回転化と高出力化に成功。真円度を高めたライナーとシリンダーブロックの密着性が向上し、ピストンの振動は大幅に減少している。それまでは吸気側のみに採用していた可変バルブタイミング機構AVCSの採用を拡大し、MT向けは名実ともにNAスポーツユニットと呼べる190馬力を発生。ガソリンはハイオク指定となる。
そもそも水平対向エンジンは、いわゆるこもり音につながる低次基本次数が小さいことがメリットとして挙げられ、大容量の吸気キャンバーが設置される独自のレイアウトを活かすことで、濁りのない軽快でリニアなサウンドが生み出されるようになるのだが、当時のエンジニアがとくに強く意識したのは、車内のドライバーに聴かせる音作り。
大容量の吸気キャンバーが設置される独自のレイアウトを活かしたサウンド作りがなされた結果、アクセルを踏み込んだ際の吸気音は、今乗っても痛快の極みだ。ターボや6気筒の影に隠れ、中古車市場でも安値で推移していることにも注目したい。
これほどの力作2.0Rも販売は振るわず、これ以降、レガシィとインプレッサ系に本気のNAスポーツグレードは設定されなくなってしまった。せっかく秀逸なNAスポーツが過去に3台も設定されたというのに、発売されていた当時はその価値に気がつかず、スルーし続けた自分の見る目のなさを恥じるばかり。
NAスポーツの系譜はBRZが受け継いでいるともいえ、BRZに乗ると、過去のNAスポーツに投じたスバルの情念が感じられるのは、気のせいではないはずだ。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
トヨタ本気の「小さな高級車」に驚きの声! めちゃ豪華な「本革×本木目」内装を採用! 小型車に「クラウン品質」取り入れた“直列6気筒エンジン”搭載モデルに反響あり!
日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key’s note】
斬新「日本の“フェラーリ”」に大反響! 「約700馬力のV8スゴイ」「日本なのに左ハンしかないんかい」「めちゃ高ッ」の声! 同じクルマが存在しない「J50」がスゴイ!
スズキ・フロンクスが月販目標の9倍も受注! 絶好調な理由は小さくて安いのに感じられる「高級感」!!
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key’s note】
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
中古車バブル崩壊……その時あなたは何を買う!? 絶版国産[スポーツカー]ほしいランキング
トヨタ『ランドクルーザー』リコール…ドライブシャフト不良、走行不可能になる恐れ
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?