アルファロメオのセダン「ジュリア」に設定された特別仕様車「GTジュニア」に小川フミオが試乗した。見た目もさることながら、中身にも手がくわえられた本格的な1台とは?
足まわりにも注目
せっかくクルマに乗るのなら、誇らしく思えるブランド・ヒストリーも欲しい……そう思っているひとに最適とも思えるのが、アルファロメオの「ジュリア」だ。その最新モデルは、2022年1月に発売された、黄金色に輝く特別仕様車の「GTジュニア」だ。しっかりした足まわりを特徴とする、バランスのよいモデルである。
GTジュニアは、206kW(280ps)の最高出力と400Nmの最大トルクをもつ1995cc直列4気筒ガソリンターボ・エンジンを搭載。8段ATを介し、後輪を駆動する。ベースとなるのは「2.0ターボ・ベローチェ」だ。
エンジンを含めたドライブトレインは、ターボ・ベローチェと共通。いっぽう、GTジュニアの大きな特徴は、サスペンション・システムにある。それが、「ALFAアクティブサスペンション」。トップモデルの「クアドリフォリオ」と共用だ。
ALFAアクティブサスペンションとは、簡単にいってしまうと、電子制御ダンパーの制御。ALFAリンクサスペンションシステムという機構とつながっていて、「DNA」なるドライブモードセレクターで選んだ走行モード(D=ダイナミック、N=ノーマル、A=オールウェザー)に応じて設定が変わる。
スポーティな走行のために、リミテッドスリップデフ(LSD)もそなわった。たとえば小さなカーブをちょっと高めの速度でまわろうとするとき、橫方向のG(重力)のせいで内輪が浮きぎみになり、結果、差動装置が働いて、しっかり駆動力を発揮するべき外輪へのトルクが伝わりにくくなるのが一般的な傾向。それを回避するための機構だ。
想像するより落ち着いた走り
全体の印象は、数値から判断するより、うんと運転しやすい。ある意味、しっかり二面性があるともいえる。その気になって、パドルシフトを使い、ギアを選択し、積極的にアクセルペダルを踏めば、楽しい。
いっぽう、高めの回転を保たないとエンジンは充分な力を発揮しないということもなく、つまり、クルマにせっつかれない。安逸な気分でいられる。
速度を出したときも、おとなっぽい雰囲気だ。
ジュリアが日本に入ってきたときは、カリカリな印象だった。アクセルペダルへの反応がするどいエンジンと、“超”がつくほど反応が速いステアリング。それがBMW「3シリーズ」より楽しいのでは? と、思わせた。
GTジュニアはたっぷりパワーとトルクがあるものの、“どこまで速度を出すかは自分との勝負”といったフェラーリに乗るときのようなスリリングなところはない。じつに落ち着いているのだ。だからおとなっぽいのである。
さきに触れたとおり、スポーティなサスペンションのおかげで、操縦性はそれなりにシャープ。それでいて、運転に対する許容量が多くなった感じだ。
GTジュニアでは、19インチリム径の新デザインの軽合金ホイールをはじめ、ブラック仕上げのブレーキ・キャリパーを採用。さらに、フロントグリル、ミラーハウジング、エキゾーストパイプフィニッシャーなどもブラックで仕上げられているのも印象的だ。
インテリアでは、ダブルガラスルーフや、前・後席のシートヒーターを装備。ヒーター付きのステアリング・ホイール、レザーシート、ナビゲーション・システム、ハーマン/カードンの14スピーカー/900Wのオーディオ・システムなども搭載される。
個人的にGTジュニアでもっとも気に入ったのはボディカラーだ。「リーパリー・オーカー」。シチリアちかくのリーパリ島の名称と、黄土色を意味する英語のオーカーを組み合わせたものだ。文章で読むと、枯れた雰囲気を連想するかもしれないが、実際はキラキラとまことにきれい。このクルマのキャラクターに合っていると思う。
歴史がある、それも魅力だ
いまのアルファロメオの魅力である、楯型グリルを中心にしたフロントマスクがかもしだす存在感。そこから連想するスポーツ性に応えてくれるドライバビリティ……。
このクルマのネーミングをたどると、1963年にアルファロメオが発表して、その性能ぶりで高い評価を獲得したクーペ、「ジュリア・スプリントGT」と、そのクルマの1.6リッターエンジンのかわりに1.3リッターを搭載したやや廉価版の「GTジュニア」(1966年)にさかのぼる。
それだと、「なんだそれだけ?」と、思わそうだが、もう1台、1968年の「GTAジュニア」がある。1.3リッターエンジンながらツインプラグ化して性能を追求するとともに、ボディはアルミニウムで軽量化。はたして、欧州のツーリングカーレースを席巻したモデルだ。
そんなヘリティッジこそ、ジュリアのファンに許された特権だろう。逆にいうと、せっかくアルファロメオに乗るなら、そのクルマが生まれた背景を知ったほうが、より楽しい、ということだ。
いずれにしても、希有なクルマだ。
文・小川フミオ 写真・田村翔
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みんなのコメント
GQの記事写真にはアリがちだが、デジタル加工強すぎて、本当の色も形もまったく分からん
いろいろ下準備でまだそんなに走ってないですが、絶対に他には無いボディカラー、軽快な走りと静粛性、予想以上のクルマです