■世界に衝撃を与えた、国産スーパーカーの金字塔!
1980年代の日本の自動車産業は、コストパフォーマンスの良さや耐久性の高さが魅力の大衆車を世界中に輸出することで、まさにこの世の春とも言える時代を過ごしていました。
一方、高いパフォーマンスとそれを可能とする機能美にあふれたスタイリングを持つクルマ、つまり、スーパーカーについては欧米の自動車メーカーの独壇場が続いていました。
そんななか、世界に衝撃を与えた、国産スーパーカーとはどのようなクルマなのでしょうか。
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当時、ホンダはミッドシップ(MR)のハイパフォーマンススポーツカーの開発を着々と進めてきました。
そして日本がバブル経済の真っ只中にあった1989年に「NSX」が発表され、翌1990年から日本や北米、欧州での販売を開始。
発売当初の価格は800万円からと、当時の日本車としてはもっとも高価なモデルの1つであったNSX。
ワイド&ローの美しいデザインを持ち、さらには量産車としては世界初のオールアルミボディが採用されるなど、これまでの日本車とは明らかに一線を画するものでした。
心臓部には3リッターV型6気筒エンジンが搭載され、最高出力はAT仕様で265PS、MT仕様で280PSを発揮。
280PSを上限とする当時の日本車の馬力規制の影響を受けたNSXは、その後登場した「タイプR」などの高性能仕様でも最高出力は280PSとなっていました。
しかし、その高いハンドリング性能は、多くの人から評価され、とくにマクラーレン「F1」やメルセデス・ベンツ「SLRマクラーレン」などのスーパーカーの開発を手掛けたゴードン・マレー氏はNSXを絶賛したといいます。
バブル経済を追い風に、発表当初は多くの予約を獲得したNSXは、バブル崩壊とともに、その後多くのキャンセルが発生するなど、苦難の時期を経験しながらも度重なる改良が加えられながら2005年まで販売が続けられました。
排出ガス規制の影響から惜しまれながら引退することとなったNSXですが、国産スーパーカーの金字塔として、いまなお多くのファンを魅了しています。
■極上個体のNSX、2200万円でドバイに登場!
NSXは、1990年から2005年までの間に、7000台あまりが販売されたといいます。
2022年10月現在、国内の中古市場には65台のNSXが出品されており、年式や状態にもよりますが800万円から1500万円前後が相場となっているようです。
一方、アラブ首長国連邦・ドバイでは状態の良いNSXが販売されており、2000万円を超えるプライスタグが付けられています。
希少なクラシックカーを多くあつかう「Tomini Classics」で販売されているこのNSXは、「フォーミュラ・レッド」とブラック内装の組み合わせという、スーパーカーらしいカラーリングが特徴の1台です。
MT仕様のこのNSXは、アメリカ・ウィスコンシン州のブルックフィールドという街で1990年に新車で購入されたもので、その7年後にアリゾナ州ツーソンのオーナーへと売却されました。
そして2019年に「Tomini Classics」が購入した後、ドバイのオーナーへと一度売却されたものの、2022年にふたたび「Tomini Classics」によって買い戻されたという経緯を持つ個体です。
アメリカで新車として購入された北米仕様の個体であるため、ホンダではなくアキュラのエンブレムが装着されていますが、完全にオリジナルの状態が保たれており、内外装ともに目立った傷はありません。
走行距離は約9800マイル(約15772km)と、販売されてから30年以上が経過したものとしては非常に低走行です。
このNSXの販売価格は14万9000ドル(約2178万円)となっています。
当時の新車価格と比べてもかなり高額となっていますが、これまで数え切れないほどの称賛を浴び続けてきたNSXの極上個体ともなれば、妥当な価格といえるのかもしれません。
※ ※ ※
2005年に惜しまれながら生産終了となったNSXですが、その後も復活を望む声は多く、2016年にはハイブリッドスーパーカーとして2代目NSXが登場しました。
しかし、その2代目NSXも2022年12月をもって生産終了となることが決定しています。
そんな2代目NSXも、すでに新車価格と同等以上の価格で中古車市場に流通しており、今後の動向に注目が集まっています。
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みんなのコメント
それはさておき、初代NSXはやはり、リトラの顔のほうがいいよなあ。
で、なんで後半の写真がLFAなんだ? そっちのほうが枚数多いし。