現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 近ごろ個性派車種のタクシー車両が増えた理由とは

ここから本文です

近ごろ個性派車種のタクシー車両が増えた理由とは

掲載 更新
近ごろ個性派車種のタクシー車両が増えた理由とは

 座席やドアに関する基準が緩和されたため自由度が上がった

 タクシー車両のトピックスといえば、2017年秋にトヨタがクラウン・コンフォートの後継として、LPガスハイブリッドユニットを搭載する、JPNタクシーが正式発売になったこと。JPNタクシーも東京都内ではかなり見かけるようになったが、個人タクシーを中心に多彩な車種がタクシーとして都内などでは走っている。

個人タクシーの行灯の形はどう決まる? など「タクシー行灯の疑問」

 国土交通省は2015年6月12日に“タクシー車両の基準緩和等について”というリリースを発表している。これによると、タクシーなど乗車定員10人以下の旅客自動車運送事業用自動車に係る基準の廃止を行ったとしている。

 廃止されたのは、 (1)座席の寸法に関する基準 (2)通路の幅と高さに関する基準 (3)乗降口の大きさ、構造等に関する基準 (4)緩衝装置及び座席が旅客に与える振動、前方の座席との間隙等に関する基準 つまりそれまでは、タクシー車両として使える車種は限られたものとなっていたが、基準が緩和されたことで、事実上どんな車種でも使えるようになったのである。

 過去には初代マークXがデビューしたときに、個人タクシーとして使おうとしたら、後席ドアの開口面積が基準を満たしておらず、面積を広げるための改造が必要となっていた。

 2005年にレクサスブランドが日本展開したときには、初代ISが改造を行っても、タクシー車両としての要件を満たす後席ドアの開口面積が確保できなかったそうだ。そして、それがブランドイメージを保つために、意図的にそのような設計にしてタクシー車両に使われないようにしているなどと、販売現場で説明を受けたとの話も聞いたことがある。

 つまり、タクシー車両として鉄板だった、クラウンやセドリックはタクシー車両としての要件を満たしているだけでなく、自動ドアの設置などの改造も容易であったこともあり、タクシー車両として大勢を占めていたのである。

 過去に韓国ヒュンダイ自動車が日本市場で乗用車の販売を行っていたころには、グレンジャーを購入すると、タクシー車両として必要な改造費が無償になるサービスがあったのは有名な話である。

 基準緩和以降にミニバンタクシーが増えてきているのは、すでにリヤスライドドアが電動オートクロージャーとなっているので、自動ドアに改造する手間がいらないことも大きいと聞いている。

 JPNタクシーもリアスライドドアはセミオートクロージャーを採用しているので、その点では自動ドアへの改造が不要となっている。

 また最近では都内でも、個人、法人を問わず日産ノートeパワーのタクシーを頻繁に見かけるようになった。当初は「そんなコンパクトカーでどうなの?」という話も多かったが、実際ステアリングを握るドライバーさんからは、「自家用車と変わらない雰囲気でY31セドリックなどに比べれば運転しやすい」と意外なほど好評。利用客からも、ひとりで利用する乗客などからは、「ひとりだからこれぐらいで大丈夫」と、スンナリ受け入れられているとのことである。

 基準緩和前からメルセデス・ベンツEクラスやSクラスのタクシー車両も走っていたが、少し前にドライバーさんに聞いた話では、「メルセデス・ベンツというクルマ自体はもちろん性能は抜群ですが、やはりドイツのクルマなので都内の舗装道路にベストマッチはしていないのか、足まわりの硬さが目立ちます。ただロング(長距離利用)のお客さまを乗せて高速道路を使うなどのシチュエーションではさすが、という性能です」とのことであった。

 ただ、メルセデス・ベンツも近年では中国などの新興国でよく売れるようになってからは、だいぶ足まわりも軟らかめになっている印象なので、以前ほどではなくなっているかもしれない。事実某大手タクシー会社ではベンツSクラスをタクシー車両として採用し、おもに都内から成田空港までの送迎に使っているが、いつも予約でいっぱいになるほどの人気の高さとのことである。

 ちなみに成田空港では詳しい事情はわからないが、三菱デリカD:5の法人タクシーをよく見かけるようになった。

 ただし、長年タクシー車両として使われてきて、今でも多くのタクシードライバーが使用しているクラウンなどのほうが、多く使われているだけにメンテナンスコストや、タクシー車両として使うためのバックアップなどが充実している。その便利さから、いまでも不動の人気の高さを誇っているのもまた事実である。

こんな記事も読まれています

“夜行寝台バス”は本当に成功するのか? 国交省「座席フルフラット化」が直面する3つの深刻課題とは
“夜行寝台バス”は本当に成功するのか? 国交省「座席フルフラット化」が直面する3つの深刻課題とは
Merkmal
【感動の動画】泥だらけのヴィンテージメルセデス、大洪水をほぼ無傷で生き延びた「メルセデスW123」の感動のストーリー
【感動の動画】泥だらけのヴィンテージメルセデス、大洪水をほぼ無傷で生き延びた「メルセデスW123」の感動のストーリー
AutoBild Japan
最上のおもてなしに、さらなるラグジュアリーをもたらす! ザ・ペニンシュラ香港に「ベントレー・ベンテイガEWB アズール」が登場
最上のおもてなしに、さらなるラグジュアリーをもたらす! ザ・ペニンシュラ香港に「ベントレー・ベンテイガEWB アズール」が登場
LE VOLANT CARSMEET WEB
トヨタ新型「クラウン“ワゴン”」いつ登場? 初公開から2年経過もなぜ未発売? 「なかなか発売されないクルマ」が増えたワケとは
トヨタ新型「クラウン“ワゴン”」いつ登場? 初公開から2年経過もなぜ未発売? 「なかなか発売されないクルマ」が増えたワケとは
くるまのニュース
KTM『890 アドベンチャー R』2025年モデル発表、新デザイン&新サスペンションで走破性向上
KTM『890 アドベンチャー R』2025年モデル発表、新デザイン&新サスペンションで走破性向上
レスポンス
生活を豊かにする灯り「アンビエンテックのポータブル照明」【Style in motion #191】
生活を豊かにする灯り「アンビエンテックのポータブル照明」【Style in motion #191】
LE VOLANT CARSMEET WEB
岡山・真庭に伝説のマシンが集結!MHヒルクライム/真庭速祭
岡山・真庭に伝説のマシンが集結!MHヒルクライム/真庭速祭
旧車王
CIEL のバイク用インカムの新製品「T20 Plus/プラス」が登場! さらにお求めやすい価格に
CIEL のバイク用インカムの新製品「T20 Plus/プラス」が登場! さらにお求めやすい価格に
バイクブロス
5年ぶりにレースウイークに実施へ。IMSA、開幕戦デイトナ24時間の予選スケジュールを変更
5年ぶりにレースウイークに実施へ。IMSA、開幕戦デイトナ24時間の予選スケジュールを変更
AUTOSPORT web
ホンダ「NSX/NSX-R」が大人向けトミカから登場。エンジンフード開閉ギミックに惚れた!
ホンダ「NSX/NSX-R」が大人向けトミカから登場。エンジンフード開閉ギミックに惚れた!
くるくら
新型「4ドア“GT”クーペ」初公開! 丸目4灯×6速MTのみの「現代版“ケンメリ”」!? レトロ顔の和製スポーツマシン「エムダブルファイブ」100台“限定”で発売へ
新型「4ドア“GT”クーペ」初公開! 丸目4灯×6速MTのみの「現代版“ケンメリ”」!? レトロ顔の和製スポーツマシン「エムダブルファイブ」100台“限定”で発売へ
くるまのニュース
カツカレー&メンチカツ 東名高速「港北PA」でダブルカツを堪能
カツカレー&メンチカツ 東名高速「港北PA」でダブルカツを堪能
バイクのニュース
ペレスの挽回を評価も「マクラーレンからもっと点を奪いたかった」と代表。去就は最終戦後に決めるとマルコが改めて明言
ペレスの挽回を評価も「マクラーレンからもっと点を奪いたかった」と代表。去就は最終戦後に決めるとマルコが改めて明言
AUTOSPORT web
[15秒でわかる]日産『パトロール』新型…新エンジンは出力と燃費を同時に向上
[15秒でわかる]日産『パトロール』新型…新エンジンは出力と燃費を同時に向上
レスポンス
懐かしのTV番組『走れ! ケー100』を完全再現! ワンオフ製作の6輪の青い「機関車」は公道走行可能…半年で作り上げました【マイクロカー図鑑】
懐かしのTV番組『走れ! ケー100』を完全再現! ワンオフ製作の6輪の青い「機関車」は公道走行可能…半年で作り上げました【マイクロカー図鑑】
Auto Messe Web
「止まるの?」「行っていいの?」挙動不審なクルマが多数! 「軽車両用信号」はクルマが従う必要のない信号だった
「止まるの?」「行っていいの?」挙動不審なクルマが多数! 「軽車両用信号」はクルマが従う必要のない信号だった
WEB CARTOP
日本とヨーロッパは1本の路線でつながっている? 東京にある国道の起点のひみつ。【川辺謙一の「道路の雑学」Vol.2】
日本とヨーロッパは1本の路線でつながっている? 東京にある国道の起点のひみつ。【川辺謙一の「道路の雑学」Vol.2】
くるくら
ウィーカーズ田中社長、北海道内での新規出店に前向きな姿勢 「拡大を無しにはしていない」
ウィーカーズ田中社長、北海道内での新規出店に前向きな姿勢 「拡大を無しにはしていない」
日刊自動車新聞

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

48.0890.0万円

中古車を検索
クラウンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

48.0890.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村