埼玉県幸手市の県営権現堂公園駐車場で11月10日、「幸手クラシックカーフェスティバル」が開かれ、貴重なビンテージカーや昭和のクルマなど、約200台近くが集まった。
市民祭りの一環として1996年に始まり、2007年からは地元の「埼玉クラシックカークラブ」が中心となって運営を続けてきた老舗の旧車イベント。今回で第27回目の開催となった。
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エントリーしたのは、実行委員の10台に一般募集された190台。「ワク井ミュージアム」からは、若林恭平館長がなんと日々通勤として使用しているというロールス・ロイス『トゥエンティ』(1928年)と、最初にインドのマハラジャにデリバリーされたという歴史を持つ『シルバーゴースト』マハラジャ(1914年)を特別展示。100年前のクルマが今も立派に走ることに驚くギャラリーから盛んに質問が飛んでいた。
また、今回はブリストル『406』(1960年)も目玉の1台。「小型のベントレー」を目指した少量生産の高級クーペだ。航空機会社ならではのノウハウを盛り込み、直列6気筒OHVの2216ccにソレックスキャブを3連装し105馬力を絞り出した。4輪ディスクブレーキの採用も先進的だ。この個体は自動車評論家の故・川上完氏の愛車だったという。
赤じゅうたんの上に停車しての愛車紹介は、このイベントならでは。それぞれの愛車自慢にギャラリーたちが聞き入った。
所有歴が50年以上というクルマも多かった。トヨタ『スポーツ800』(1967年)、ホンダ『N360』(1969年)、日産『フェアレディ240Z』(1971年)、スバル『1000』スポーツ(1968年)、トヨタ『パブリカ』コンバーチブル(1968年)、トヨタ『コロナ』(1965年)などで、いずれも年代を感じさせないコンディションを保っていた。
この日は朝早くから来場者用の駐車場が満杯となり、少し離れた駐車場も続々と埋まっていった。東京都内から両親に連れられて来たという小学5年生男子は、フィアット『500R』(1973年)の運転席に座らせてもらい「かっこよくてすごい!」とニコニコ顔だった。
主催者の鈴木初雄委員長も感慨ひとしきりの様子。「これだけ続いてきたのが不思議なくらいですが、年々申し込みが多くなっているのはありがたいこと。まずは30回を目指していきたい」と話していた。
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