3月17日、岡山国際サーキットで行なわれたスーパーGT公式テストの2日目。体調不良で欠席となった牧野任祐に代わって100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTのステアリングを握ったのは、レッドブル育成ドライバーとして今季はスーパーフォーミュラに参戦する岩佐歩夢だった。
岩佐は今季、日本のレースカテゴリーに参戦しているとはいえ、拠点は引き続きヨーロッパに置いている。鈴鹿サーキットでのスーパーフォーミュラ開幕戦を終えたあとしばらく日本に残っていた岩佐だったが、週明けにヨーロッパに戻ろうというタイミングで、スーパーGTテスト参加の話が舞い込んできた。
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「明日(18日)から海外に戻る予定でしたが、当日のスケジュールがたまたま空いていて、僕の経験値の足しに少しでもなればということで。今はスーパーフォーミュラに参戦していますが、F1を目指す上で何かに乗って経験値にならないことはないので、今回チャンスをいただきました」
そう語る岩佐。あまりに急なオファーだったということもあり、さすがに緊張もあったという。テスト初日の16日には現地入りし、チームと共に基本的操作などを夜まで確認。“走れる状態”まで漕ぎ着けてテストを迎えた。走行距離は、午前のセッション3が8周、ウエットコンディションとなった午後のセッション4が14周と決して多いものではなかったが、彼にとっては収穫になったようだ。
岩佐はテストを次のように振り返った。
「すごく楽しめました。ドライでは計測5周くらい走ったと思いますが、その数周の中で感覚は早く掴めました。ドライ・ウエット共に走れたのは経験値になりましたし、運が良かったと思いますが、ドライでもう少し走りたかったですね」
「(GT500車両の)特徴やクセも掴めたので、充実した周回だったと思います」
また岩佐は、この経験をスーパーフォーミュラに活かしたいと強調する。特にスーパーフォーミュラでは走行時間も限られているため、ハイパフォーマンスマシンに乗れる機会があれば乗るべきだとレッドブルからも助言されているという。
「今回の経験をピックアップして、SFに活かせるものを活用し、自分のパフォーマンスを上げていきたいです」
「やはり実車に乗ること自体がすごく重要だと思っています。スーパーフォーミュラは走行回数も少ないので、ハイスピードなダウンフォースの効くマシンで走れることが収穫だったと思います」
「高次元のマシンに乗れる機会があれば、乗った方がいいというアドバイスはレッドブルからもあり、今回実際にそういった機会をいただけた形です。次の(スーパーGTドライブの)機会に関しては今のところ全くありません。今後に向けたテストでは全くなく、ドライバーとしての経験を積ませていただくための走行です」
2019年にスーパー耐久に参戦して以来5年ぶりに岡山を走った岩佐。これからすぐに欧州に戻り、スーパーフォーミュラ、そしてF1へと気持ちを切り替えていくことになる。
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