現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 昔は愛車が試乗車代わり! ドレスアップやチューニングも禁止! 新車ディーラーマンの愛車事情

ここから本文です

昔は愛車が試乗車代わり! ドレスアップやチューニングも禁止! 新車ディーラーマンの愛車事情

掲載 3
昔は愛車が試乗車代わり! ドレスアップやチューニングも禁止! 新車ディーラーマンの愛車事情

 この記事をまとめると

■昭和時代の新車セールスマンは新車を買って乗ることはあまりなかった

海外のディーラーマンはライバル車に乗るなんて当たり前! 自社扱い車しか乗れない日本のディーラーは80年代を引きずりっぱなし

■平成中期になると自社で取り扱う新車に乗るようになった

■いまは仕事用で自社のクルマを所有してプライベートは他メーカーを所有する人が多い

 セールスマンの愛車事情

 日本の新車セールスマンならでは……ということであれば、自分が販売する新車以外に乗ることができないということはその代表例だ。ただ、昭和のころのセールスマンが仕事で使っているクルマといえば、たしかに自分が勤めるブランドで扱っているモデルとなるが、新車を買って乗ることはまずなかった。販売したお客から下取りしたクルマのなかで程度のいいものを選んで乗っていたりしていたのである。

「下取り車に乗っている人のなかには、『あのお客の乗っているクルマがほしい』と、そのお客に新車を売りこんで下取りしたところで自分のものにするという強者ともいえるセールスマンもいました。新車を買って仕事に使うのは入社したての新人セールスマンぐらいだったと聞いています」(事情通)。

 あまりに年式の古いクルマに乗っていると、「●年落ち以上のクルマには乗るな」とのお触れが会社から出て、半ば強制的に乗り換えを命じられるというケースもあったと聞いている。

 ディーラーによって異なるが、多くは「社員購入割引制度」というものがあるし、新車かどうかにかかわらずに任意保険料の一部負担や、ローンを利用した場合には社員向けの金利が適用されるなど、新車の購入促進策も用意されていた。それでも新車に乗って営業するセールスマンは少かった。

 平成中期ぐらいになると、新車販売セールスマンが自分の店舗で取り扱う新車に乗るようになった。お客の自宅で商談をする「訪問販売」から、店頭で商談を進める「店頭商談」がメインになろうとしていた時期だ。そんななか、商談では「まず試乗」みたいな傾向も強まっていったのだが、まだ店舗に十分な試乗車が用意されていなかったことも少なくない。そこで「セールスマンのクルマ=試乗車」という扱いもできることから、「セールスマンは新車に乗るように」とディーラーの方針も変わってきたのである。

 試乗車の代わりということもあり「素の状態」、つまり過度なドレスアップやアクセサリーをたくさんつけるといったことは禁止されているとも聞いたことがある。「監督官庁の違法改造の取り締まりも厳しく、ディーラー店舗への抜き打ち監査も行われることがあったそうです。そこで真っ先にチェックされるのが社員のクルマだったらしいのです。純正からインチアップしたタイヤを履いていて、ほんの数ミリでもフェンダーからはみ出していれば指摘されてしまうようなので、車両改造のみならず合法であってもエアロパーツなどの装着すら禁ずるディーラーもあったと聞いています」とは事情通。

 プライベートでは好きなクルマに乗っていることが多い

 そして令和のいまはどうなっているのだろうか?

「私が話を聞いたあるディーラーでは、社員向けの割引制度はなくなったとのことでした。任意保険料の一部負担もなくなったそうです。そんななか、残価設定ローンでの購入を前提として、月々の支払額の一部会社負担を行っているそうです。そこでは月々3万円を会社で負担してもらえるとのことでした。ただ、この会社負担は新車購入後3年間だけ行われるとのことなので、初回車検のタイミングで新車へ乗り換えることになるとのことです(事情通)」

 購入車両の改造については、話を聞く限りは合法チューンであっても誤解を生むとして控えるようにしているそうである。ただ、各店舗に試乗車が多く用意されるようになったこともあり、試乗車の代わりに使うといたこともなくなったので、アクセサリーなどの装着についてはとくに縛りはなくなっているとのことであった。

 意外なところでは、仕事用としては自分が販売しているクルマを使う一方で、プライベート用に他メーカー車や輸入車を別に所有しているセールスマンも結構いるとも聞いている。プライベートでは何に乗ろうが制限はなく、あくまで出勤や仕事で使うクルマは自分の取り扱い車にするようにとなっているのが一般的だ。

 真に多様性や個人というものが重んじられているアメリカでは、新車セールスマンは自分の売っているクルマかどうかに関係なく、好きなブランドのクルマに乗っている。そしてそのようなセールスマンからクルマを買う消費者も、そんなことは気にしていない。

 アメリカの新車ディーラーで話を聞いていて嫌な顔をされる質問がある。

「このクルマはどんなタイプのお客が多いですか?」という質問である。日本では逆に重要視されるような質問だが、筆者の経験した限りでは「そんなことは知らない」など冷たい反応が多い。そもそも、アメリカではそんなことは売る側も買う側も気にしていないのだなと筆者は感じている。

 しかし日本では、「セールスさんはどのクルマに乗っているんですか」とお客が聞いてきたり、セールスマンが「私も乗っているのですが……」というトークが、販売促進上有効となることも多い。

 アメリカでも社員購入割引制度のようなものはあるが、「仕事とプライベートは別」というのが徹底されているお国柄であるし、買う側もセールスマンがどんなクルマに乗っているかに興味がないところで、日本とは様子が異なるようである。

関連タグ

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

「デートカーとかウケる」とか笑わないで! 「アラ古希」「アラ還」の昭和オヤジがデートしまくった鉄板モテ車たち
「デートカーとかウケる」とか笑わないで! 「アラ古希」「アラ還」の昭和オヤジがデートしまくった鉄板モテ車たち
WEB CARTOP
730万円からのトヨタ新型「クラウンセダン」“いつかはクラウン”はいつ買える!?  必要な年収とは
730万円からのトヨタ新型「クラウンセダン」“いつかはクラウン”はいつ買える!? 必要な年収とは
VAGUE
【このVIP用Sクラスなんぼ?】走行距離380km!新車状態の希少な「メルセデス W220 S600 プルマン」販売中 その価格は?
【このVIP用Sクラスなんぼ?】走行距離380km!新車状態の希少な「メルセデス W220 S600 プルマン」販売中 その価格は?
AutoBild Japan
整備のときこそ新車セールスのチャンス! アメリカで見られる「魅力的な代車」事情
整備のときこそ新車セールスのチャンス! アメリカで見られる「魅力的な代車」事情
WEB CARTOP
「オーナーは運転するべからず」のセンチュリーに大改革! 世の固定観念を覆したSUVタイプとGRMNの存在
「オーナーは運転するべからず」のセンチュリーに大改革! 世の固定観念を覆したSUVタイプとGRMNの存在
WEB CARTOP
メルセデス・ベンツのSUV軍団に漆黒の限定車! GLE/GLEクーペ/GLSに特別仕様車「Edition Black Stars」が登場
メルセデス・ベンツのSUV軍団に漆黒の限定車! GLE/GLEクーペ/GLSに特別仕様車「Edition Black Stars」が登場
WEB CARTOP
「セダンにマッドガード」「灰皿」「回転シート」ってあぁ懐かしや! 昭和オヤジ感涙のほぼ絶滅装備6選
「セダンにマッドガード」「灰皿」「回転シート」ってあぁ懐かしや! 昭和オヤジ感涙のほぼ絶滅装備6選
WEB CARTOP
冬はクルマのバッテリーの「突然死」が急増! 交換の際は複雑化している「種類」を要チェック!!
冬はクルマのバッテリーの「突然死」が急増! 交換の際は複雑化している「種類」を要チェック!!
WEB CARTOP
街中で見かけるレクサス版ハイエースになんちゃってタイプR  エンブレムを変えるドライバーの心理って!?
街中で見かけるレクサス版ハイエースになんちゃってタイプR  エンブレムを変えるドライバーの心理って!?
ベストカーWeb
乗用車とはちょっと違う! 独自の進化を遂げるトラック用スタッドレスタイヤ
乗用車とはちょっと違う! 独自の進化を遂げるトラック用スタッドレスタイヤ
WEB CARTOP
「ガソリンはパワー型」「ディーゼルはトルク型」といわれるのはナゼ? 同じレシプロエンジンなのに特性に違いが出る理由を考えてみた
「ガソリンはパワー型」「ディーゼルはトルク型」といわれるのはナゼ? 同じレシプロエンジンなのに特性に違いが出る理由を考えてみた
WEB CARTOP
11月1日から装着義務化されたバックカメラは一度味わったらもう手放せない! 1000円台から買える後付けカメラって大丈夫!?
11月1日から装着義務化されたバックカメラは一度味わったらもう手放せない! 1000円台から買える後付けカメラって大丈夫!?
ベストカーWeb
SUVの「フォード・マスタング」と「ヒョンデ・ツーソン」となぜか似てる見た目の2台が北米で人気! 売れる秘密はデザインにあり!?
SUVの「フォード・マスタング」と「ヒョンデ・ツーソン」となぜか似てる見た目の2台が北米で人気! 売れる秘密はデザインにあり!?
WEB CARTOP
クルマ好きなら当然やって……ない! それどころか知らない人だらけの国交省推奨のクルマの日常点検15カ所
クルマ好きなら当然やって……ない! それどころか知らない人だらけの国交省推奨のクルマの日常点検15カ所
WEB CARTOP
トヨタ新型「カローラ」公開に反響多数! 2年ぶり“顔面刷新”&走行性能強化の「4WDスポーツカー」に「好き」「カッコイイ」の声! 「新GRモデル」加国に登場し話題に
トヨタ新型「カローラ」公開に反響多数! 2年ぶり“顔面刷新”&走行性能強化の「4WDスポーツカー」に「好き」「カッコイイ」の声! 「新GRモデル」加国に登場し話題に
くるまのニュース
モノコック全盛だがラダーフレームにしかない利点もある! クルマのボディ構造とメリデメ
モノコック全盛だがラダーフレームにしかない利点もある! クルマのボディ構造とメリデメ
WEB CARTOP
こんなん絶対乗りたいでしょ! SUBARUのSVXにあった幻のワゴン「アマデウス」の存在感がヤバい
こんなん絶対乗りたいでしょ! SUBARUのSVXにあった幻のワゴン「アマデウス」の存在感がヤバい
WEB CARTOP
蒸気機関車よりも蒸気船よりも先にデビュー! 世界初の自動車は「蒸気機関自動車」だった!!
蒸気機関車よりも蒸気船よりも先にデビュー! 世界初の自動車は「蒸気機関自動車」だった!!
WEB CARTOP

みんなのコメント

3件
  • ふくふく
    愛車って言うか会社貸与と思ってた。
    でも、クルマ好きな営業は普通にカスタマイズしてたし、他メーカーの別車持っていたよ。
  • B3M
    セールスマンの買った新車が試乗車になるのなら、チューニング禁止とはいえこっそり純正車高のまま社外品のショックに変えたり、車高調入れて1番高い車高にしてもわからないし、試乗してもらった時に「走りがスポーティー!」「コーナーが気持ちいい!」と高評価につながりますね(笑)
    当然購入したお客には純正ショックのまま納車されるから、買ってからガッカリするかもしれないけど(笑)
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村