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これまで同様「しっかり5シリーズ」 BMW i5 eドライブ40へ試乗 速く機敏で運転が楽しい

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これまで同様「しっかり5シリーズ」 BMW i5 eドライブ40へ試乗 速く機敏で運転が楽しい

過去の7世代と同様に、しっかり5シリーズ

英国は、欧州の中でバッテリーEVの普及が早い方だといえる。BMWによれば、全世界で販売されるモデルの内、バッテリーEVが占める割合は約15%。しかし、英国だけを見ると25%に達しているという。4台に1台という計算になる。

【画像】これまで同様「しっかり5シリーズ」 BMW i5 eドライブ40 サイズが近い電動サルーン 全130枚

同社は、2030年までに販売するモデルの50%を、バッテリーEVへ切り替えるという目標を掲げている。少なくとも英国に限っては、順調に推移しているようだ。

その流れを加速させるのが、新しいG60型の5シリーズ。内燃エンジンで走るモデルも用意されるが、バッテリーEVのi5も同時並行で販売される。ただし、より力強く後押しするモデルの登場は、数年後になる。

まったく新しいスタイリングをまとう、ノイエ・クラッセと呼ばれる次世代バッテリーEVの登場は、2年以上先。電動の3シリーズも、その中へ含まれる。駆動用バッテリーの密度やモーターの効率、急速充電能力などが飛躍的に向上するらしい。

筆者がBMWのバッテリーEVを真剣に検討しているなら、もう少し待とうと考えるかもしれない。それでも、i5の完成度は間違いなく高い。

長年5シリーズへ乗り慣れてきたユーザーも、過度に構えずに乗り換えることが可能かもしれない。過去の7世代と同様に、しっかり5シリーズしている。

不足なく速く機敏で、運転が楽しい

英国での価格は、確かにお高め。新世代のデジタル環境が車内を包み、少し違った運転体験を提供する傾向はある。

スタイリングには、一癖ある。エッジが立った面構成で、ボンネットとトランクリッドの位置が高い。そんな腰高感を薄めるべく、デザイナーはボディ下部へ影を作り、目立たなくなるよう努力した。

それでも、適切な仕様を選択すれば、i5は優れた電動サルーンだといえる。車内は広く、装備は充実し、作りはソリッド。走りは洗練されていて、航続距離も充分に長い。

不足なく速く機敏で、BMWらしく運転が楽しい。5シリーズを名乗るのに相応しい内容にある。

当面、英国のディーラーへ並ぶi5は2種類。G60型5シリーズの、上位グレードという位置付けだ。シングルモーターのi5 eドライブ40で、7万4105ポンド(約1371万円)からに設定されるが、その実力を考えれば納得はできるだろう。

ちなみに、ガソリンエンジンのマイルド・ハイブリッド、520iは約5万ポンド(約925万円)から。プラグイン・ハイブリッドの530iは、約6万ポンド(約1110万円)からに設定された。

ビッグサルーンのフィーリング

プラットフォームは、フラットなフロアに駆動用バッテリーを敷き詰めたスケートボード構造ではなく、従来的なCLARアーキテクチャの改良版。とはいえ、84kWhのバッテリーはフロア部分に並べられている。

アクスルマウントやブッシュ、サブフレームの補強メンバーなどは専用品。リアに搭載される駆動用モーターの重量を受け止めるべく、エンジン版の5シリーズ・ツーリングと同等の、セルフレベリング機能付きエアスプリングも組まれる。

i5のツーリングも、2024年には登場予定。ステーションワゴンのバッテリーEVはまだ珍しく、人気を集めるのではないだろうか。

実際に英国の市街地を走らせてみると、フィーリングはビッグサルーン。車重が2130kgあり、全長は5060mm、全幅が1900mmもあることを考えれば、まったく不思議ではない。先代の5シリーズよりひと回り大きく、路上でも成長したことを実感する。

だが、オプションのアダプティブサスペンション・プロフェッショナル・パッケージが試乗車には実装され、想像より扱いやすく感じた。これにより、後輪操舵システムとアダプティブダンパーが追加される。

車内空間は、デジタル技術が中心の新しい高級感。マルチカラーのアンビエントライトがダッシュボードを彩り、14.9インチのタッチモニターが中央に据えられ、iドライブ・インフォテインメント・システムが稼働する。

ロータリーコントローラーとショートカットキーで、操作性を高めているものの、インターフェイスは少々複雑。覚えるまでに時間を要する。

従来以上に7シリーズの雰囲気へ近づいた

人間工学的な配置は良好。ボディが大きいだけに、空間には余裕がある。ドライビングポジションはやや高め。フロントシートの下、リアシートの乗員がつま先を潜らせる空間も、若干狭い。駆動用バッテリーの影響だろう。

内装は、i7ほどではないものの、素材は上質で組み立て品質も高い。若干、質感に及ばない部品も散見されるが。

乗り心地は全般的にしなやか。標準のMスポーツ・サスペンションの若干落ち着かないマナーは、アダプティブダンパーが改善させている。

操縦性は、まとまりに優れスマート。後輪駆動らしいシャシーバランスで、鋭く正確に大きなボディを導いていける。シングルモーターでも、動力性能は充分以上。アクセルレスポンスもリニアで鮮明。ツインモーターの必要性を感じさせない。

ブレーキペダルの印象は、漸進的で好ましい。ただし、パドルなどで回生ブレーキの強さを変更できるシステムを、BMWは採用していない。そろそろ導入しても良いのでは。

試乗の限り、航続距離は400kmから450kmの間になる様子。大きなアドバンテージはないが、自宅や出勤先で充電できるなら困ることはないだろう。

新しいi5は、従来以上に7シリーズの雰囲気へ近づいた5シリーズだといえる。価格も、そのぶん上昇したと考えていい。有能で洗練された、完成度の高い電動サルーンだ。予算に余裕がある5シリーズ検討者には、バッテリーEVへ踏み出す好機になるはず。

BMW i5 eドライブ40 Mスポーツ(英国仕様)のスペック

英国価格:7万4105ポンド(約1453万円)
全長:5060mm
全幅:1900mm
全高:1515mm
最高速度:193km/h
0-100km/h加速:6.0秒
航続距離:476-582km
電費:5.0-6.2km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:2130kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:81.2kWh
最高出力:340ps
最大トルク:43.7kg-m
ギアボックス:1速リダクション(後輪駆動)

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みんなのコメント

2件
  • fuj********
    キャラクターラインが折り紙で細工した感じを受けてしまうんだよね。。あとEVと共通PFなためか全高が高くすぎてて個人的には残念。。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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