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「トレノ」ではない「スプリンター」はいくつある? バブルの徒花「シエロ」のテールライトでビビッときた人はかなりのマニアです【カタログは語る】

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「トレノ」ではない「スプリンター」はいくつある? バブルの徒花「シエロ」のテールライトでビビッときた人はかなりのマニアです【カタログは語る】

1代限りで消えていった「スプリンター」一族の5ドアハッチ

ご存知のとおり「スプリンター」の名が使われたのは、もともとは初代「カローラ」時代に2ドアファストバックとして派生した「カローラ スプリンターSL」からで、1968年のことだった。そして1970年、カローラが2代目に初のモデルチェンジを受けた際にクーペ版が独立(追って4ドアセダンも設定)したのがスプリンターの始まりだ。

「トレノ」じゃない90系「スプリンター シエロ」とは? 当時の営業マンでさえ売ったことがないと断言する「激レア車」で人生激変しました

かつてトヨタ車ラインナップの一角を占めていたスプリンター

そういえば……という感覚だが、スプリンターの銘柄自体は、すでにない。調べてみると2002年8月に3代目「スプリンター カリブ」が販売終了となったのがスプリンターの最後だった。スプリンターには「トレノ」(1972年)、「カリブ」(1982年)、「シエロ」(1987年)、「マリノ」(1992年)が存在した。だが時系列で見ると本体のスプリンターのセダンが2000年に終了した後、サブネームを冠したシリーズのうちのカリブが最後のスプリンターだった、ということになる。

ところでサブネームを冠したシリーズを改めて見返すと、それぞれ時代の空気に呼応させたクルマとして登場していたことがわかる。RVブームのまっただ中に登場した初代カリブはその典型だった。

斬新なスタイルはスペシャルティカーの趣きさえ帯びていた

今回取り上げるシエロも、その中の1台。経緯を追うと、スプリンター(カローラ)に5ドアが設定されたのは、シエロの先代に当たる5代目AE80/AE81型から。この世代はセダン系がFFへと切り替わった(FRで残されたのがAE85/AE86型)最初のモデルで、シリーズ全体がスタイリングも含めてグッとモダナイズされて登場した。その中で4ドアセダンとともに新設定されたのが5ドアで、欧州車調のシンプルながら粋なスタイリングには目を見張るものがあった。だが、この機能的でスタイリッシュな5ドアは、当時のユーザーニーズがあったかどうかというと、必ずしもそうとはいかず、大ブレイクには至らず。

そこで1987年にスプリンター(とカローラ)が6代目へモデルチェンジを果たしたのを機に、形式上は同じ5ドアながら「シエロ」のサブネームが与えられ、生まれ変わることに。なお5ドアのシエロはスプリンターのみに設定されたモデルで、カローラに設定があったのは5ドアながら2ボックスの「FX」だった。

カローラFXがカジュアルかつスポーティな持ち味だったのに対して、スプリンター シエロはよりスタイリッシュ方向を打ち出した点が特徴だった。もともとセダン同士の比較では、オーソドックスの王道をいくカローラに対し、スプリンターのセダンはカタログのコピーが「ハードトップ・フィーリング」というほどで、6ライトキャビンによりカローラセダンよりもちょっと上級かつ上質な雰囲気をもっていた。

そのスプリンターの4ドアセダンをベースに仕立てられたのがシエロで、外形デザインはリアドアまでが4ドアセダンと共通で、そこから後ろを専用化。ちょうどT160型・4代目トヨタ「セリカLB」のような、リアクオーターウインドウからバックドアのガラスにかけて連続的にラウンドさせたグラスエリアとカラードリアスポイラー(GTに標準)、立体的な形状のリアコンビランプなどを特徴としたデザインになっていた。

なお4215mmの全長、1655mmの全幅、1360mm(ツインカム車)の全高、ホイールベース2430mmはセダンと共通。だがシエロのリア部分は俯瞰で見ると角張ったセダンに対し丸みを帯びており、ポピュラーカーのスプリンターながら斬新でスペシャルティカーの趣きさえあった。

4A-GE型を搭載し走りにこだわったGTも設定

インテリアはこの世代のカローラ同様、上級車クラスのクオリティを追求したもの。ただしシエロにはカローラ(とスプリンターのセダン)に設定のあったバーガンディの内装色は設定されておらず、シリーズを通してクールな印象だった。

搭載エンジンは当時の打ち出しだった、LASREαシリーズ。「ハイメカツインカム」と呼ばれた、エキゾースト側のみタイミングベルトをかけたプーリーを設けて駆動させ、インテーク側のカムシャフトとはシザーズギアで繋ぐ方式の1.5L・DOHCの2機種(5A-FE型と5A-F型)のほか、トップグレードとして、4A-GE型を搭載するGTの設定も。トランスミッションには5速MTのほかにオーバードライブ、ロックアップ機構を備え3つの変速パターンが選べる電子制御式4速AT=ECT-Sも用意があった。

このGTは他にもメカニズムが充実しており、サスペンションは前後ともスタビライザー付きのストラット式の4輪独立をベースにパフォーマンスロッド、フロントがベンチレーテッド式の4輪ディスクブレーキなどが奢られ、さらにオプションで電子制御により減衰力を切り替えるTEMSも用意されていた。

* * *

「シエロ、その名は遥かなる天空を意味する。」は、カタログのトップページに記されたコピー。その下に「スタイリッシュ・5ドアNEW SPRINTER CIELO誕生」と、ややゴチャゴチャッと書かれてはいるが、今にして思えば、いかにもトヨタらしい魅力的な内容を秘めた、じつは商品性の高いクルマだった。

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みんなのコメント

22件
  • テールが独特で目を引いたのを覚えてるよ
  • カリブが使い勝手が良くて売れたからね。
    それで風かわりなシエロを発売しても売れない。
    よっぽどのマニアでない限り購入しないでしょう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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