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52年前のスバル「R−2」がオリジナルのまま現存! キレイを保つ秘訣は「納屋」保管にありました

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52年前のスバル「R−2」がオリジナルのまま現存! キレイを保つ秘訣は「納屋」保管にありました

一般ユーザーでコレクタブル車を所有する九州のカーマニア熱に脱帽

「第3回Kカーミーティング2023」に集まったさまざまな車両の中で、個人的に最も驚いた車輌がこちらの1971年式スバル「R-2」だった。フロントウインドウに飾られたボードには、「ノンレストア車」、「当時のラッカー塗装」、「実走行1万7000km」などの文字が並ぶ。レストアされずに美しいボディのまま現存する車輌など、博物館にでも行かない限りはお見かけできないと信じ切っていたが、まさかの個人所有車で、しかも普通にミーティングへ自走参加するオーナーに巡り会うとは!

スズキ「セルボ」を10年かけて手直し。「ピアッツァ」オーナーは生粋のジウジアーロファンでした

インターネットで発見した奇跡的な巡りあわせ

これだけのコンディションを維持するには、さぞかしR-2にとって至れり尽くせりの高級ガレージに保管されているのだろうと予想したが、取材に協力してくれたオーナーの高栁良一さん(※高は”はしごだか”)からは、まさかの答えが返ってきた。

「19年前にインターネットで中古車を探していたときに、ある中古車屋さんがこの車輌を売りに出しているのを偶然発見しました。しかも、その情報をネットでアップした直後に、私が真っ先に問い合わせをしたらしいのです。その後、またすぐに別の購入希望の方からも連絡があったそうなので、ほんの少しでもタイミングが遅れていたら、私の元にはこのR-2はやってこなかったですね」

それから19年、このスバルR-2を大切に保存し続けている。幼少の頃、父親がスバル「サンバーバン」(初代のくちびるサンバー)からR-2へと乗り換えて、ファミリーカーとしてフル活用していたのだとか。キャンプに連れて行ってくれたり、その当時単身赴任していた長崎から住まいの宮崎まで、R-2を走らせて帰ってくる父親の姿が、高柳一家にとっては思い出に残るワンシーンだった。

しかも、高柳さん自身もR-2はサンバーバンよりも静かで良く走るクルマだなという思いが幼心にもあったそう。大人になったら自分でR-2を入手して、ご両親と一緒に懐かしい思い出を楽しもうと決めていたのだった。

手に入れたこの個体は、現在の正規ディーラーである福岡スバル西営業所の前身、国際モータースが販売した車輌とのこと。当時のオーナーが80歳になって愛車に乗れなくなったのをきっかけに、購入したディーラーへと買い取りを依頼。それを引き受けたディーラーは、このR-2があまりにも美しい車輌だったため店内にて20年ほど展示していた。しかし、店舗改装の関係で近隣の中古車販売店に譲渡し、それから後の話は、前述した通りである。

初お披露目の日を迎えるまで、磨きながら温存していた

「手に入れた直後は、もちろん両親にこの車輌を見せました。家族全員にとっての大切なファミリーカーだったので、個体は違えど同じR-2を所有できて、みんなで喜びました。その後は、この美しい車輌を大切に保存したかったので、ずっとガレージで温存していたのです。8年前に私が定年を迎えてからは、少しずつ車輌を磨いたりするなどして、来るべき初お披露目のタイミングをずっと見計らっていました(笑)。その結果、皆さんの前に登場したのは、2021年の第1回Kカーミーティングになります」

このように大切に保管されてきたR-2は、基本的にはノンレストア。しかし、サスペンションだけは完全に抜けきってしまっていたため、装着していた純正品をビルシュタインに送付し、特注で仕上げてもらっているそう。

また、タイヤ以外のほとんどが本当に当時の純正品のまま。シートカバーは、購入時に装着されていたものが色褪せていたため、それを型紙として使用し、雰囲気の似た布を使って作り直しているほどのこだわりよう。ちなみに、このような極上コンディションのまま保存するには、R-2のためのエアコン完備の素晴らしいガレージに保管されているのでは? と訊ねてみると、

「保管場所は家内の実家の農業倉庫ですよ。土壁で作られた昔の倉庫は、風通しが良くて湿気とは無縁なので、クーラーを稼働させて神経質に管理するよりも、クルマの保管にもちょうどいいみたいです(笑)。昔はコンバインなどが停まっていた場所を、このクルマのためにスペースを空けて、カバーを被せて保管しています」

九州では、高柳さんのように貴重な旧車を大事に所有しているオーナーを、多く見かける印象がある。この地域で古い個体が元気に現存する理由のひとつに、昔ながらの納屋の存在があるのかもしれない。

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