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もう二度と出ることはないかも? メーカーのイメージから離れた車5選

掲載 更新 26
もう二度と出ることはないかも? メーカーのイメージから離れた車5選

■今では消えてしまった異色のクルマを振り返る

 世界中にある自動車メーカーには、それぞれの個性や「色」が存在します。たとえば、ジープはSUVに特化したメーカーで、フェラーリはスーパーカーしかつくっていません。

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 さまざまなジャンルのクルマを生産しているメーカーでも、かつては販売していたけれど今は撤退したというモデルも存在。

 そこで、メーカーのブランドイメージとは離れたユニークなモデルを、5車種ピックアップして紹介します。

●メルセデス・ベンツ「Xクラス」

 メルセデス・ベンツは誰もが認めるプレミアムブランドですが、大型のバンやトラックといった商用車の生産にも力を入れています。

 そして2018年には、メルセデス・ベンツ初のピックアップトラック「Xクラス」が発売されました。

 Xクラスは、日産のピックアップトラック「NP300 ナバラ」がベースで、当時、ルノー・日産アライアンスと共同開発されたダブルキャブボディのモデルです。

 単にNP300 ナバラのエンブレムを変えるような手法ではなく、内外装はメルセデス・ベンツ流のデザインを反映。

 おなじみの「スリーポインテッドスター」を掲げるフロントフェイスや、インパネまわりも独自にデザインされ、ピックアップトラックでありながら高級感を演出しています。

 搭載されたエンジンは2.3リッター直列4気筒ディーゼルターボ、2.3リッター直列4気筒ディーゼルツインターボ、3リッターV型6気筒ディーゼルターボの3種類で、一部地域に向けてはガソリンエンジンも用意されました。

 駆動方式は4WDと2WDがあり、レジャー用途ではなく純粋に荷物を運ぶ商用車として使われる「ワークメイト」も設定。

 しかし、Xクラスは商業的に成功したとはいえず、発売からわずか2年ほどの2020年に生産を終えてしまいました。

●ロータス「エラン」

 イギリスのロータスといえば誕生以来スポーツカーの販売に特化したメーカーで、直近ではEVとともに最後の純粋な内燃機関のモデルを発売するとアナウンスされて大いに話題となっています。

 これまで数多くのスポーツカーを世に送り出してきましたが、そのなかでも異端な存在として知られているのが、1990年に発売された2代目「エラン」です。

 初代エランは1962年に誕生した小型FRオープン2シーター(後にクローズドボディを追加)のスポーツカーで、鋼板製バックボーンフレームにFRP製ボディを架装し、軽量な車体にパワフルな1.6リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載したことで優れた走行性能を発揮。欧州だけでなくアメリカでもヒットしました。

 1975年まで生産されて一旦は消滅したエランですが、前述のとおり1990年に復活。

 初代と同じくバックボーンフレームに、スタイリッシュなFRP製ボディを架装したオープン2シーターモデルで、エンジンはいすゞ製の1.6リッター直列4気筒DOHCを搭載し、ターボと自然吸気を設定。5速MTのトランスミッションもいすゞから供給されました。

 そして、2代目エラン最大の特徴は、ロータスが生産するクルマで初のFFだったことです。

 足まわりは4輪ダブルウイッシュボーンを採用し、ロータスの手によるセッティングから優れたハンドリングを実現。新世代のFFスポーツカーとして高く評価されました。

 しかし、伝統的に後輪駆動のクルマを製造してきたロータスがFFを採用したことは、昔からのファンにとっては納得がいかないほどの出来事で、さらに価格も高額だったことから販売は極端に低迷。

 結局、1995年にエランの生産を終了し、その後のロータスは現在まで二度とFF車をつくることはありませんでした。

●ボルボ「P1800」

 ボルボのクルマというと、現在ではSUVとステーションワゴンが主力となっており、どのモデルも力強さと美しさを兼ね備えたデザインが特徴です。

 しかし、ひと昔のボルボ車というと、無骨なデザインから質実剛健で高い安全性能を誇るというのが、多くの人が抱くイメージだったのではないでしょうか。

 ところが、さらに昔に遡ると、美しいデザインのスポーツカーが存在。それが1961年に登場した「P1800」シリーズです。

 外観はイタリアのスポーツカーをイメージした伸びやかで低いフォルムの3ドアクーペで、エンジンは当初車名のとおり1.8リッター直列4気筒OHVを搭載。最高出力は100馬力を発揮しました。

 また、ボディバリエーションはクーペのみでなく、ステーションワゴンタイプ(シューティングブレーク)やオープンカーのコンバーチブルも設定されています。

 このP1800は、イギリスのテレビドラマ「セイント 天国野郎」(原題:The Saint)で主人公が乗るクルマとして有名になった逸話がありますが、主人公は後に3代目ジェームズ・ボンド役となったロジャー・ムーア氏で、自身の愛車だったそうです。

 美しいスタイルの異色のボルボ車であるP1800は1972年に生産を終えましたが、今も人気が高く、日本でも愛好家が存在します。

■国産メーカーでもあった! イメージできないクルマとは

●スバル「ブラット」

 アメリカでは古くから今に至るまで、ベストセラーカーといえばピックアップトラックです。日本の軽自動車と同じく税金や保険の面で優遇されているという背景があり、仕事で使われるだけでなく若い世代が乗るクルマとしても普及しました。

 このピックアップトラック人気に追従するため、1970年代の初頭にスバルのアメリカ法人は小型ピックアップトラックの開発を本社に打診。

 そして1977年に、初代「レオーネ」をベースにしたモノコックボディのピックアップトラック「ブラット」をアメリカで発売しました。

 フロントまわりはレオーネに準じたデザインですが、2人乗りのキャビンから後ろは純粋なトラックです。

 初期のモデルはアメリカの高額な関税を回避するために、荷台にプラスチック製のシートが2脚装備され、乗用車として輸入したことから価格を低く抑えたといいます。

 駆動方式は全グレードが4WDで、エンジンは当初1.6リッター水平対向4気筒のみでしたが、1981年に2代目が登場すると1.8リッター自然吸気とターボを設定。

 悪路走破性が高いだけでなくスタイリッシュなデザインも評価され、アメリカでは1987年まで、欧州やオーストラリア、ニュージーランドなどでは1994年まで販売していました。

●ダイハツ「ラガー」

 2019年11月に発売されたコンパクトSUVのダイハツ「ロッキー」は、かつてラインナップしていた本格的なクロスカントリー4WD車の名前を踏襲して話題となりましたが、さらにもう1台のクロスカントリー4WD車「ラガー」がありました。

 ラガーは1984年に、ジープタイプの4WD車「タフト」の後継車としてデビュー。ラダーフレームのシャシに前後リーフリジッドサスペンションという、クロスカントリー4WD車の王道のレイアウトが採用されました。

 エンジンは全車2.8リッター直列4気筒OHVターボディーゼルで、トランスミッションは5速MTのみを設定。

 ボディタイプは全車3ドアで、車体後部が幌の「ソフトトップ」、同じくFRP製の「レジントップ」、すべてスチール製の「ハードトップ」の3タイプを展開しました。

 1995年に国内向けの生産を終了しましたが、欧州など海外向けは継続して2002年まで販売されました。

 ダイハツというと軽自動車や小型乗用車のメーカーというイメージが強く、本格的なクロカン車をつくっていたとは今では想像できないのではないでしょうか。

※ ※ ※

 新たなジャンルのクルマを販売するのは、相当に大変なことです。それは技術的な面だけでなく、ブランドイメージという面もあります。

 たとえばプレミアムSUVのポルシェ「カイエン」はデビュー当初、生粋のスポーツカーメーカーであるポルシェがSUVをつくったことで賛否が大きく分かれたほどです。

 結果的にカイエンは大成功を収めましたが、古くからのポルシェファンには相当ショッキングな出来事だったのではないでしょうか。

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みんなのコメント

26件
  • メーカーのイメージから離れたクルマねえ…
    今や猫も杓子もSUVを作らないメーカーがないくらいになっているから、イメージからかけ離れたメーカーだらけってことになるね。でも、イメージなんて年月を経れば変わるもんじゃないの?
  • 大発のラガーって、メーカーのイメージから離れているのか?
    そもそもご先祖様の初代タフトの後継なんだから、決して突飛なモデルではないんだけどな

    初代タフト&ラガーは、トヨタではブリザードとして売られていたね

    今の名称復活タフトの方が違和感あるわ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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