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シンプルな運転の楽しさ ヒョンデ・キャスパーへ試乗 韓国版軽自動車のクロスオーバー 

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シンプルな運転の楽しさ ヒョンデ・キャスパーへ試乗 韓国版軽自動車のクロスオーバー 

オンラインで販売される小型クロスオーバー

今回試乗した小さなクロスオーバーは、ヒョンデ・キャスパーという。クルマ離れが進む都市部の若年層にアピールするべく、友達のような存在が目指されている。確かに個性的な見た目で、なかなか可愛いカタチだ。

【画像】シンプルな運転の楽しさ ヒョンデ・キャスパー 同クラスの競合モデルと写真で比較 全125枚

このキャスパーは、同社の多彩なラインナップのなかでは最小で、韓国では2022年に発売されている。i10と呼ばれるコンパクト・ハッチバックと同じプラットフォームを採用し、全長は3595mm、全幅は1595mmしかない。

ちなみにこのサイズは、韓国でいう軽自動車に相当する。ヒョンデはi10を英国で販売しており、兄弟モデルとなるキア・ピカントも売られているが、英国を含む欧州での販売計画はないという。小さなクルマを好む人が多いとしても。

安全規制や環境規制など、欧州市場の要求は厳しい。価格の安い小型車で、これらを叶えつつ充分な利益を得ることは難しい。他のメーカーが、小型車の開発へ二の足を踏んでいる状況も、これに起因する。

韓国では、キャスパーはオンラインでのみ販売されている。ディーラーを介する体制がないことも、輸出されない理由の1つだろう。それでも、現地ではかなりの人気を博しているという。

実際、都市部の渋滞に出くわすと、少なくない台数のキャスパーを目にする。小さいボディだが、モダンな見た目にLEDライトが眩しく光り、良く目立つ。

特徴的な見た目 洗練不足のメカニズム

キャスパーは、トヨタ・アイゴXのように車高が持ち上げられたハッチバックではなく、明確にクロスオーバー側にある。スズキ・イグニスへ近い。

上下にライトが重なるフロントマスクや、格子状の模様が入るテールライトなど、デザインには触れたくなる特徴が多い。Bピラーが太く、Cピラー部分のドアハンドルには、キャラクターのような笑顔のマークがあしらわれている。

同社のデザイナー、サイモン・ロースビー氏の言葉によると、「フィアット500とジープをかけ合わせたようなクルマ」。とのこと。もっとも、フィアットには500 Xという、まさにそんなモデルが存在するのだが。

車内は、外観ほど印象的ではない。腕利きのデザイナーをもってしても、安価なプラスティック素材を上質に展開することは難しいのだろう。インフォテインメント用のモニターは、ダッシュボード上部から不自然に突き出ている。

ヘッドレストを外すと、前後のシートをフラットに倒せ、ベッドのような空間が生まれる。デザイナーのロースビーは、キャンプで車中泊する人も多いと話す。

実際にステアリングホイールを握ると、欧州での提供が見送られた事実が見えてくる。可愛らしいスタイリングをもってしても、洗練不足のメカニズムまでは隠せない。

パワートレインは1.0Lエンジンのみ。試乗車はT-GDiと呼ばれるターボ付きのトップグレードだったが、質感は今ひとつだった。高速道路は、間違いなく得意とはいえない。

小さなクルマのシンプルな運転の楽しさ

少々荒削りなエンジンとはいえ、ある程度のスピードに到達すれば粘り強く走る。好感触なステアリングホイールと、短いホイールベースが生む、シンプルな運転の楽しさを味わえる。小さなクルマは、やはり魅力的だと感じる。

間違いなく、都市部では大柄なSUVより運転しやすい。交通量の多い道でも、キビキビと行く先を急げる。アクセルペダルを踏み込むと、粗っぽい3気筒エンジンのノイズが響いてくる。

現地の価格を換算すると、エントリーグレードのキャスパーは8665ポンド(約138万円)になる。装備も簡略化されているが、かなりお手頃といえるだろう。ヒョンデi10の英国価格は、1万4995ポンド(約240万円)だ。

韓国の自動車市場は多彩で、アメリカや中国の影響を受けたと思われるサルーンも人気が高く、欧州のようにハッチバックやSUVも数多く走っている。最近ヒョンデが力を入れているバッテリーEVは、まだそれほど多くはない。

そんなキャスパーだが、BEV版が計画されているという。妥当な価格で開発されれば、欧州市場へ上陸する可能性もゼロではないだろう。

都市部向けのコンパクトカーの選択肢は、欧州市場では減少傾向にある。ヒョンデ・キャスパーは、その魅力を再確認させてくれる。英国の若者がお友だちにする日も、そう遠くはないかもしれない。

番外編:筆者が気になった現地の韓国車

ヒョンデ・スタリア

近未来的なスタイリングをまとうスタリアだが、その内側はフォルクスワーゲン・マルチバンと同様の、ワンボックス・ミニバン。車内には小型のキッチンをオプションで指定でき、キャンピングカー仕様に仕立てることもできる。

ヒョンデ・ポレスト

スタリアとは別に、本気のキャンピングカーもヒョンデは提供している。こちらはポーターと呼ばれる小型トラックがベースで、日本でいうところのキャブコンバージョン・タイプだ。

車名のポレストは、ポーター(配達員)とレスト(休養)を組み合わせた造語らしい。キッチンだけでなく、就寝できる空間が3か所に設けられている。

キア・レイ

ボディサイズはキャスパーに近い、韓国版軽自動車。助手席側にスライドドアを備えた、四角いカタチの都市部向けコンパクトカー。ガソリンエンジンの他に、LPガス仕様もあるのが特徴。2011年にはBEV版もリリースされている、長寿命モデルだ。

ヒョンデ・キャスパー 1.0T-GDi(韓国仕様)のスペック

韓国価格:8665ポンド(約138万円)相当
全長:3595mm
全幅:1595mm
全高:1575mm
最高速度:−
0-100km/h加速:−
燃費:12.3-12.8km/L
CO2排出量:130-136g/km
車両重量:986-1060kg
パワートレイン:直列3気筒999ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:100ps/4500-6000rpm
最大トルク:17.5kg-m/1500-4000rpm
ギアボックス:4速オートマティック

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みんなのコメント

9件
  • イグニスの方が良いかと
  • コンパクトEVはこれくらいのサイズで作って欲しい
    それにしても室内狭そうだな
    俺の二代目EKワゴンより絶対に狭い
    馬鹿みたいに燃費悪いし何でこんなもの作った?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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