現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 日産・ホンダ経営統合! 合同開発でVTEC搭載「シルビア」が登場? 魅力的なOEM車種も? 元ディーラー目線で考える

ここから本文です

日産・ホンダ経営統合! 合同開発でVTEC搭載「シルビア」が登場? 魅力的なOEM車種も? 元ディーラー目線で考える

掲載 127
日産・ホンダ経営統合! 合同開発でVTEC搭載「シルビア」が登場? 魅力的なOEM車種も? 元ディーラー目線で考える

世界第3位の自動車グループ誕生

 ホンダと日産自動車は、2024年12月23日に経営統合に向けた本格的な協議を開始するため、基本合意書を締結したことを発表した。

【画像】「えぇぇぇ!?」 これが日産自動車の「平均年収」です! グラフで見る(10枚)

 この統合は、両社の車を取り扱う新車ディーラーにとって、無視できない重要なテーマとなる。

 統合の形態としては、両社が持ち株会社を設立し、その傘下に収める形が取られる。最終合意は2025年6月を予定しており、2026年8月には持ち株会社を上場する計画だ。この統合が実現すれば、世界第3位の規模を誇るグループが誕生することになる。

 本稿では、特に日産ディーラーにとって、この統合がもたらす変化は大きな関心事だ。今回は、その影響を中心に分析していく。

ホンダ車で日産ラインアップ強化

 筆者(宇野源一、元自動車ディーラー)は先日、本媒体に寄稿した「日産ディーラーの悲鳴 マーチ消失で、現場から「国内向けモデル必要」の声! 車種削減と販売低迷の現状とは」(2024年12月16日配信)という記事で、日産自動車の現状が日本国内の日産ディーラーに大きな影響を与え、苦境に立たされていることを指摘した。

 この状況が今回の経営統合のきっかけとなったと考えている。しかし、この統合を前向きに捉えれば、日産ディーラーにとって新たな「武器」が増える可能性があるのではないだろうか。

 日産の国内ラインアップは厳しい状況にある。もしホンダとの経営統合を契機に、ホンダの車に日産のブランドを冠して販売できるようになれば、現在欠けているラインアップを補完できる可能性がある。

 例えば、ホンダのフリードを5ナンバークラスのミニバンとして提供し、「ラフェスタ」や「キューブ」として販売する案が考えられる。現行フリードはブルドッグやパグを彷彿とさせるフロントマスクを持ち、かつて生産されていた最終型キューブもブルドッグをモチーフにしていたため、

「キューブキュービック」

といった車名の復活もひとつの選択肢となるだろう。過去のファンからは反発を受けるかもしれないが、販売現場としては新たな選択肢が増えることで、顧客への提案の幅が広がり、非常に有益だといえる。

共同開発で生まれる新たな競争力

 日産とホンダの経営統合には、両社にとって大きな戦略的なメリットがある。ホンダは「VTEC」など、エンジン技術において高い評価を受けており、日産はレースで培ったエンジン技術や、実用的な装備として「デュアルバックドア」を搭載したセレナなどを強みとしている。

 仮に両社が共同でスポーツカーを開発した場合、VTEC搭載の「シルビア」や「スカイライン」ができるかもしれない。また、ミニバン分野では、先代ステップワゴンに搭載された「わくわくゲート」を改良し、デュアルバックドアを採用した新型が登場する可能性も十分にある。筆者がディーラー勤務時代に

「リアゲートの使い勝手が決め手で商談に負けた」

という経験があるように、この機構は非常に競争力が高い。日産とホンダの技術を融合させたリアゲートが実現すれば、トヨタのノアやヴォクシーに対抗する力を持つだろう。

 さらに、日産の「e-POWER」は日本市場で非常に効果的だ。高速道路での燃費低下が課題となり、欧米市場では受け入れられなかったが、軽自動車というニッチ市場では十分に競争力を持つ。例えば、N-BOXにe-POWERが搭載されれば、その市場での地位はさらに強固なものになるだろう。また、日産、ホンダ、三菱の3社による軽自動車の共同開発は、ファンにとって非常に魅力的なコラボレーションとなるだろう。

 筆者が現在の自動車販売現場に戻ったと仮定すると、各社の特徴や強みを顧客にしっかり伝えることになるだろう。ホンダはその優れたエンジン技術、日産はe-POWERの可能性、三菱はプラグインハイブリッド車の高い性能など、各社の強みを反映した車種を提案することが予想される。

 営業担当者の間では、各社の特徴に対する捉え方に意見の違いがあるだろうが、技術者も同様の見解を持っているだろう。

日産ディーラー効率化の進展

 ディーラーの販売現場に立つ立場から見ると、長期的には

「販売網の縮小」

につながる懸念があるだろう。2024年12月23日の記者会見で「日産とホンダの両ブランドは残す方向」と発表されたが、筆者はしばらくの間はディーラーの再編は行われないとの希望的観測を持っている。ただし、日産の影響力が弱まれば、地場の正規販売店である日産ディーラーが厳しい状況に直面することは避けられない。

 すでに日本国内では日産ディーラーの効率化が進んでいる。2024年4月には、日産自動車が直営の神奈川日産と日産プリンス神奈川を統合し、「日産神奈川販売」を設立した。このような統合は日本各地のディーラーでも進み、店舗の統廃合が加速する可能性がある。

 多くの店舗に少ないスタッフでは効率が悪く、統合による効率化は必要不可欠だ。しかし、長期的にはホンダと日産のブランド統一が進むなかで、さらに店舗の統廃合が進む可能性が高い。

 現役のディーラー勤務者、特に若いスタッフにとっては、自身が働く会社の将来について不安を感じているのではないだろうか。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

日本未導入「キャシュカイクラシック」200万円台前半の小型SUVが日産を救う??
日本未導入「キャシュカイクラシック」200万円台前半の小型SUVが日産を救う??
ベストカーWeb
日産の不振の原因は「軽自動車」にもある!? 軽のプロ「ダイハツ&スズキ」以外にとっては「パンドラの箱」
日産の不振の原因は「軽自動車」にもある!? 軽のプロ「ダイハツ&スズキ」以外にとっては「パンドラの箱」
WEB CARTOP
その進化は吉か凶か!? 初代モデルからコンセプトが変わったクルマ3選
その進化は吉か凶か!? 初代モデルからコンセプトが変わったクルマ3選
VAGUE
自動車メーカーの日本事業、難しさ増す舵取り 母国市場の生き残りは数年がヤマ
自動車メーカーの日本事業、難しさ増す舵取り 母国市場の生き残りは数年がヤマ
日刊自動車新聞
「マジか…」記者が震えた 2024年最も印象に残ったクルマの記事 3選
「マジか…」記者が震えた 2024年最も印象に残ったクルマの記事 3選
AUTOCAR JAPAN
危機的状況の日産を応援したい! 元日産開発者が語る、なぜ日産はピンチに陥ったのか? 復活に必要な打ち手は?
危機的状況の日産を応援したい! 元日産開発者が語る、なぜ日産はピンチに陥ったのか? 復活に必要な打ち手は?
ベストカーWeb
「またトラ」対応 中国メーカーの大躍進…… 2024年自動車業界10大ニュースと2025年「最も恐るべきこと」
「またトラ」対応 中国メーカーの大躍進…… 2024年自動車業界10大ニュースと2025年「最も恐るべきこと」
ベストカーWeb
「スカイラインを諦めない」はもう無理か? 日産が本気で生き残るための苦渋の決断の可能性とは【ホンダ・日産考察】
「スカイラインを諦めない」はもう無理か? 日産が本気で生き残るための苦渋の決断の可能性とは【ホンダ・日産考察】
ベストカーWeb
「ジムニー5ドア」「クラウンエステート」「フォレスター」発売へ! 2025年の「新型車」どんなモデルが登場する? 注目車を大胆予想!
「ジムニー5ドア」「クラウンエステート」「フォレスター」発売へ! 2025年の「新型車」どんなモデルが登場する? 注目車を大胆予想!
くるまのニュース
トヨタの国内未導入モデルに注目 カムリ・C-HR・ハイラックスチャンプなど独自に進化
トヨタの国内未導入モデルに注目 カムリ・C-HR・ハイラックスチャンプなど独自に進化
日刊自動車新聞
35年以上続いた「SUV」&マツダ「セダン」も消滅!? 2024年「販売を終えた」クルマ7車種とは
35年以上続いた「SUV」&マツダ「セダン」も消滅!? 2024年「販売を終えた」クルマ7車種とは
くるまのニュース
こんなちっちゃいのにシボレーかよ! かつて行われたスズキとGMの提携は多くの日本人が知らないビッグプロジェクトだった
こんなちっちゃいのにシボレーかよ! かつて行われたスズキとGMの提携は多くの日本人が知らないビッグプロジェクトだった
WEB CARTOP
「100% BEVに」と宣言したメーカーと現在の戦略…「君子豹変す」は褒め言葉ですよ!!
「100% BEVに」と宣言したメーカーと現在の戦略…「君子豹変す」は褒め言葉ですよ!!
ベストカーWeb
2024年に「消えたクルマ」何があった? 「超人気車」&異例の「ロングセラーモデル」にも幕… 惜しまれつつ「生産終了したクルマ」とは
2024年に「消えたクルマ」何があった? 「超人気車」&異例の「ロングセラーモデル」にも幕… 惜しまれつつ「生産終了したクルマ」とは
くるまのニュース
1990年代に登場したマニアックなセダン3選
1990年代に登場したマニアックなセダン3選
GQ JAPAN
【高級車ならぬ高旧車が流行中】一時代を築いたトヨタ・セルシオと日産シーマは国産高級車の文化遺産!
【高級車ならぬ高旧車が流行中】一時代を築いたトヨタ・セルシオと日産シーマは国産高級車の文化遺産!
AUTOCAR JAPAN
2025年「値上がりしそうな中古車」何がある? 「インプ/ランエボ」もヤバい!? 米国「25年ルール」解禁で国産の“名モデル”海外流出の危機! 今買っておくべき5台は
2025年「値上がりしそうな中古車」何がある? 「インプ/ランエボ」もヤバい!? 米国「25年ルール」解禁で国産の“名モデル”海外流出の危機! 今買っておくべき5台は
くるまのニュース
鈴木修さんを偲ぶ「生涯現役」を貫いた筋金入りの“マルチ”経営者[新聞ウォッチ]
鈴木修さんを偲ぶ「生涯現役」を貫いた筋金入りの“マルチ”経営者[新聞ウォッチ]
レスポンス

みんなのコメント

127件
  • hagiku
    お花畑が書いた能天気な内容
    そんな単純なもんじゃないでしょう
  • pcp********
    厳しい言い方だが日産は一度倒産したほうが良いのではないか。魅力的な車はないし、経営陣は覇権争いでドロドロ、官僚のイメージしかない。日産とホンダのOEM車、例えば、ステップワゴンとセレナ、フィットとノート、どのように統合する?イメージできない、
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村