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知れば知るほど面白い 自動車メーカーのエンブレムの意味 54選 前編

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知れば知るほど面白い 自動車メーカーのエンブレムの意味 54選 前編

エンブレムに秘めた「想い」

自動車メーカーのエンブレムは、会社やそのクルマを象徴するシンボルである。

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フェラーリ、ランボルギーニ、BMWなど、有名なメーカーのエンブレムは、クルマに詳しくない人でもすぐに認識できるほどよく知られている。しかし、エンブレムにまつわる興味深い裏話や、その形の意味について知る人は多くない。

マツダ、フォルクスワーゲン、シトロエン、プジョーなどのエンブレムにも、それぞれ背景がある。

最近では、主にデジタル世界に対応してエンブレムのデザインを微調整するメーカーも多い。この記事では、現在多くのクルマに付けられているエンブレムをいくつか紹介しよう。

アバルト

サソリは、同社創設者カルロ・アバルト氏の星座であるさそり座を表している。上部にはイタリア国旗があり、赤はイタリアのレーシングカラーに由来する。現在のアバルトのエンブレムは、フィアットベースの高性能モデルに付けられている。

アキュラ

一見、説明不要の「A」の文字をデザイン化したものだが、実際にはノギス(厚さを測る工具)を表している。これは、アキュラの優れた技術力をアピールするものだ。よく見ると、エンブレムの中に「H」の文字も見え、母体であるホンダとのつながりを示している。

アルファ・ロメオ

社名のアルファ(Alfa)は「アノニマ・ロンバルダ・ファブリカ・アウトモビリ(Anonima Lombarda Fabbrica Automobili)」の頭文字であり、ロメオ(Romeo)は1915年に同社を買収した実業家の姓である。エンブレム左側の赤い十字はミラノのシンボルで、右側は歴史的にミラノを支配していたヴィスコンティ家の紋章だ。そこに描かれているのは、王冠をかぶった大蛇がムーア人を飲み込んでいる姿である。

アルピナ

アルピナ(Alpina)という名称は、アルプス山脈の麓に同社初の工場(タイプライターの製造)を構えていたことに由来する。エンブレムには、同社とBMWの緊密な関係の始まりとなった部品であるウェーバーキャブレターとクランクシャフトが描かれている。

AMG

今日よく見かけるAMGのロゴは、3文字のアルファベットが描いてあるだけだ。非常にわかりやすいが、非常に退屈でもある。しかし、もっと凝ったデザインのエンブレムも持っている。

上に書かれたアファルターバッハ(Affalterbach)はAMGの工場があるドイツの町の名だ。円の左側にある木と小川はこの町の旗を模したもので、バルブとスプリングは工場を表している。このエンブレムは、最新のAMG車にも見ることができる。

アストン マーティン

ブランド名の後半は、同社の共同創設者の一人であるライオネル・マーティン氏に由来し、前半は彼が成功を収めたアストン・ヒルクライムレースに由来する。エンブレムの「ウィング」は1927年にスピードを象徴するものとして選ばれ、これはベントレーの「ウィングドB」から着想を得たものと言われている。

2022年、同社初のEVモデルの発売を控え、顧客層を広げるためにシンプルなデザインに一新された。

アウディ

アウディの創設者であるアウグスト・ホルヒ氏は、自身の名を冠した会社(ホルヒ)を去った後、再び同じ名を使用する権利は認められなかった。新会社の名称として「アウディ」を提案したのは彼の息子だ。ホルヒ(Horch)はドイツ語で「聞く」を意味し、アウディ(Audi)はそれと同じ意味のラテン語である。

4つの輪が連なったエンブレムは、4つのブランド(アウディ、DKW、ホルヒ、ヴァンダラー)が合併したアウトウニオンに由来する。各ブランドを表す輪が重なり合い、団結を表している。輪の色はドイツのナショナルカラーであるシルバーだ。

2022年、訴求力とブランド認知度を高めるために平面的な2次元デザインに変更され、細い黒い枠で囲まれた。

ベントレー

ベントレーは第一次世界大戦中に航空機エンジンの製造を開始したため、翼をエンブレムとするのは自然な選択だった。シルバーカラーは洗練性を表している。両側の羽根は奇数枚あり、歴史の中で変化してきた。

BMW

社名はドイツ語の「バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ(Bayerische Motoren Werke)」の頭文字で、バイエルン州のエンジン工場という意味だ。外側の黒い円はBMWの前身であるラップ社のエンブレムに由来し、青と白の市松模様の円はバイエルン州旗を表している。

2020年、BMWはデザインを変更し、よりオープンで親しみやすいブランドになるという想いを込め、白を基調としたシンプルなエンブレムとした。これは主に、ITに精通した若い顧客を惹きつけることを目的としている。

しかし、実際に街中を走るクルマでは、エンブレムはそれほど変更されていない。青色の縁取りは、電動モデルであることを意味している。

ボルクヴァルト

19世紀末に創業したボルクヴァルトは、1960年代に生産活動を停止したが、21世紀になって創業者の孫にあたるクリスチャン・ボルクヴァルト氏によって再建された。エンブレムは赤と白の三角形で構成されたダイヤモンド型で、創業地であるドイツの都市ブレーメンの旗を模したものとなっている。

しかし、中国市場での事業展開は数年しか続かず、現在では再び休眠状態にある。

ブガッティ

楕円形の内側のモチーフは、ブランド創設者であるエットーレ・ブガッティ氏のイニシャルを表している。赤い楕円の縁に並ぶ60個の点は、ブランドの偉大さを示す真珠であるという説と、ガスケットレス・エンジンのネジが緩まないようにブガッティが使用していた安全ケーブルであるという説という、相反する2つの説明がある。これはエットーレ氏自身にしかわからない謎だ。

ビュイック

ビュイックの初期のエンブレムは、社名を優雅に表記したものだった。しかし、創設者デビッド・ビュイック氏(スコットランド出身)の家系の紋章が3つの盾で構成されていることが調査で判明したため、それを称えるためにエンブレムが変更され、今日我々が知るデザインとなった。

キャデラック

この名称は、デトロイトの町を創設したフランスの探検家、アントワーヌ・ド・ラ・モス・キャデラック氏に由来する。複雑なエンブレムは、同氏が昔の隣人であるラモット・バルディグ男爵の本物の盾を基にして、自ら作った紋章から来ている。当初、キャデラックのエンブレムには6つのマーレット(紋章学における脚のない架空の鳥)が描かれていたが、2000年に金色のクオーターに黒の横縞が入ったデザインに変更された。

2021年にはEVへの移行を見据え、単色の新しいエンブレムを発表したが、クルマに付いているのは馴染みあるカラフルなものだ。

シボレー

有名な「蝶ネクタイ(ボウタイ)」のエンブレムは、同社が設立されてから2年後に導入された。これはルイ・シボレー氏が地元の新聞の広告で目にした、石炭会社コーレッツのデザインにインスピレーションを得たものとされている。

クライスラー

1924年発売のクライスラー・シックスで、中央にメダル状の飾りをあしらったシルバーの翼のエンブレムが初めて使用された。初期のチーフデザイナーであるオリバー・クラーク氏が、翼のついたラジエーターの装飾と、古いトランプで使用されていた封蝋(シーリングワックス)を思わせるデザインを考案した。クルマの品質の高さを象徴するものである。

1940年代には、中央に5つの星をあしらった紋章に変更され、有名な「ペンタスター」となったが、その後、オリジナルに近いデザインに戻された。封蝋はもう見られないが、伸びやかな銀翼は残っている。

シトロエン

1901年、創業者アンドレ・シトロエン氏はポーランドを訪れ、そこで二重らせん状のヘリカルギアの特許を購入した(歯車製造が同氏の本来の事業であった)。2つの山型は、この噛み合う歯車を象徴している。

2022年、シトロエンはEV時代に向けて、1919年のオリジナルを再解釈した新しいエンブレムを採用した。

ダッジ

ダッジは長年、長い角を持つ雄羊の頭をシンボルとしてきた。この雄羊は「ラム」と呼ばれ、ステランティスの商用車ブランド名(RAM)にもなっている。これにより、ダッジは独立した際に、ラムに頭と角を奪われた。現在のエンブレムは、よりシンプルでエレガントなものとなり、2本の赤いストライプは情熱とエモーションを象徴している。少なくとも、ステランティスはそう言っている。

フェラーリ

ロゴの上部にはイタリア国旗が描かれている。その下にはモデナのシンボルカラーである黄色の盾があり、スクーデリア・フェラーリの頭文字「SF」と、左向きに跳ねる黒馬が描かれている。この馬はもともと、第一次世界大戦の戦闘機エースパイロットであるフランチェスコ・バラッカ氏の愛機に描かれていたものだ。エンツォ・フェラーリ氏がバラッカ氏の母親に会ったとき、この馬をクルマに使うようにとの申し出を受け、エンブレムに採用した。

バラッカ氏は、大戦中に撃墜したドイツ軍機から馬の紋章を取ったと考えられている。それはシュトゥットガルトの紋章であり、フェラーリの馬はポルシェのエンブレムの馬と同じであるというのが一般的な説だ。

フォード

1927年に初めて使用された青い楕円形のエンブレム(ブルーオーバルと呼ばれる)には、創業者ヘンリー・フォード氏の署名が刻まれている。この署名は1909年以来ほとんど変わっていない。

2023年、フォードはエンブレムをわずかに変更し、クロームを廃止してシンプルかつモダンなデザインとした。

長城汽車

中国のメーカーである長城汽車は、楼閣を象ったエンブレムを使用している。これは、実際の万里の長城にある物見やぐらで、武器を保管したり、狼煙を上げたりするために使われていた。同社によると、このエンブレムは万里の長城の強さと堅牢さも象徴しているという。

ヒョンデ

一見すると、ホンダのエンブレムを単に斜体化しただけのように見えるが、これには隠された意味がある。2人の人間、すなわち会社と消費者の信頼関係を表す握手をデザインしたものであり、会社の方がお辞儀をするような、あるいは寄り添うような格好となっている。

2017年、3Dのメタリック効果を取り除き、平面的なエンブレムに変更された。ヒョンデの新しい企業イメージを打ち出すデザインである。

インフィニティ

このエンブレムには公式に2つの解釈があり、どちらも上向きの三角形に関するものである。1つ目は、未来に向かって伸びる高速道路を表しているという解釈で、ブランド設立前に社内で「ホライゾン(地平線)」というコードネームで呼ばれていたことに由来する。2つ目は、富士山を表しているという解釈で、これは日本の国民性と高い品質を象徴するものだ。

2023年にデザインが若干変更され、三角形の頂点が一点で交わらず、水平線が強調されるようになった。これは、顧客体験に重点を置くことを意味している。

ジャガー

ジャガーは当初、SSカーズと呼ばれていたが、第二次世界大戦中に「SS」の文字のイメージが悪化した(ナチス・ドイツを連想させる)ため、1945年に社名を変更した。ジャガーという名称は、古いSSのモデルに由来する。跳躍するジャガーの装飾(リーパー)は、優雅さと前進性を表現するために選ばれた。

2024年、ジャガーはブランド再構築のため、エンブレムのデザインを一新した。

ケーニグセグ

創業者のクリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏の姓はゲルマン語起源である。「フォン」は通常、貴族階級を意味し、フォン・ケーニグセグは中世の神聖ローマ帝国の騎士にまで家系を遡ることができる。ブランドのエンブレムである金と赤のひし形は、シュヴァーベン地方に起源を持つ同氏の古代の家紋を様式化したものである。

2020年にデザインが変更され、金と赤の色使いからシンプルな白背景に置き換えられた。

ラーダ

ラーダはもともと輸出車のみに付けられた名称で、ソビエト連邦ではジグリ(Zhiguli)というブランド名で知られていた。この名称は、ボルガ川沿いの工場近くの山脈にちなんで名付けられたものだ。そしてラーダという名称は、バイキングの河川用ロングシップの一種に由来し、ブランドのエンブレムにも反映されている。青いブランドカラーは、航行する水面を表していると言われている。

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