最近のクルマは個性がない! などと言われているけれど、それって姿・カタチで判断していませんか? よくよく調べてみると、あのクルマもこのクルマもなんと芸達者なこと! 要するに、人もクルマも見てくれじゃなくて中身が大事、ナンバーワンじゃなくて特別なオンリーワンが重要ってこと。ここに登場する10台の国産車もキラリと光る個性が素敵です。
文/FK、写真/ダイハツ、トヨタ自動車、本田技研工業、マツダ
期待に届かぬアクアと好調ノートオーラ!! コンパクトハイブリッド買うならどっち?
【画像ギャラリー】「芸は身を助ける」を体現する現行車たちを一気に画像で見る(21枚)
「レクサス」オーナーだけの特権! マークレビンソンのカーサウンドシステム
オーディオマニア垂涎のブランド「マークレビンソン」。ロゴが入っているだけでも拍が付く
1972年に米国で設立以来、数々の名機を発表してハイエンドオーディオのジャンルを確立したマークレビンソン。そんなオーディオマニアが羨望する、名門ブランドが手がけるカーサウンドシステムを世界で唯一採用するのがレクサスだ。
マークレビンソンは開発段階から車両設計に参画し、車種ごとの最適な音響設計で臨場感溢れるサウンドを追求。レクサスのラインナップ中、標準装備となるのはLSのEXECUTIVE、EXECUTIVE Advanced Drive、version L Advanced DriveとUX300eだが(その他はメーカーオプション設定)、なかでもLS専用に開発された3Dサラウンドシステムは23個のスピーカーと自然な包まれ感・正確なステージ感・定位・ダイナミクス再生を実現したQuantum Logic Immersion(QLI)サウンドテクノロジーによってリアルなサウンドを提供。
ちなみに、マークレビンソンのサウンドシステムは2002年10月発売のソアラ 430SCV NOBLE COLOR EDITIONに標準装備されたほか、セルシオ、ランドクルーザー100シリーズ、クラウンにオプション設定されていた。
すべてにおいて最高級を追求するレクサス。オーディオシステムも最高級だ
健常者と障がい者がクルマを共有できる「MX-30 EV」のSelf-empowerment Driving Vehicle
MX-30 EVをベースとしたMX-30 EV Self-empowerment Driving Vehicleは共生社会の実現を推進する先駆的車両。登場はこの秋
1995年に国内メーカーとして初めてスロープ式の車いす移動車を発売以来、介護用福祉車として車いす移動車・リフトアップシート車・回転シート車・オートステップ車を展開してきたマツダ。
2000年以降もMPV、プレマシー、ロードスター、アクセラ、CX-5などに福祉車両を設定してきたが、この秋、下肢障がい者が運転・操作しても安心安全に移動可能な“自操車”としてMX-30 EV Self-empowerment Driving Vehicleの導入を予定していることをご存じだろうか?
クルマの運転を通じて自由な移動や運転の楽しさ、走る歓びを下肢障がい者に味わってもらうべく、足でのペダル操作が困難な人が運転できる手動運転装置をはじめ、乗降時の補助を行う運転席横の折りたたみ式アクセスボードやスイッチひとつで自動開閉するフリースタイルドアなどを搭載。マツダならではの優しい心づかいが行き届いた1台といえるだろう。
手動運転装置はロードスター、アクセラなどにも装備。コントロールグリップにアクセルやブレーキ操作が可能で、さらにウインカー、ホーンなどのスイッチが集約されている
スタビライザーの効きを自動で電子制御する「新型ランドクルーザーGR SPORT」のE-KDSS
フルモデルチェンジしたばかりのランクル。E-KDSSはダカールラリー8連覇という快挙を成し遂げたランクルだからこそ実現できた最強テクノロジー
スタビライザーリンクを油圧シリンダーで構成し、前後を油圧配管で連結してスタビライザーの剛性を機械的に制御するKDSSというシステムが採用されたのは2007年(ランドクルーザー200に搭載)。そのシステムが進化を果たし、新型ランドクルーザー(GR SPORTグレード)に搭載されたのが電子制御でスタビライザー効果を変化させる世界初のE-KDSS(Electronic-Kinetic Dynamic Suspension System)だ。
これは、前後スタビライザーを独立して自動で電子制御し、路面状況や前後輪それぞれの状況に応じてより細かくスタビライザー効果を変化させるもの。SUVに求められる高いロール剛性と悪路走破性の両立や市街地における走行安定性をもたらす、ダカールラリー参戦のフィードバックによって改善された最新のサスペンション制御システムなのだ。
MAZDA2の「15MB」はモータースポーツもイケちゃう一挙両得の二刀流モデル!?
6速のSKYACTIV-MTや大径ブレーキなどを採用するなど、走り追求派にはたまらない設定に。そのままでもモータースポーツを楽しめるところは天晴!
国産のモータースポーツベース車といえばGRヤリスやロードスターNR-Aが有名だが、もう1台忘れてはいけないモデルがある。それは、MAZDA2の15MB。
エンジンはMotorsport Baseというネーミングに相応しく、他のグレードと同型式のSKYACTIV-GのP5-VPS型でありながら最高出力を6ps、最大トルクを0.7kgmアップした無鉛プレミアムガソリン仕様を搭載。6MTのみの設定となるトランスミッションもギヤ比を最適化して、モータースポーツシーンでストレスのない走りを実現している。
モータースポーツベース車であるがゆえに、他のグレードに比べると標準装備の内容は簡素でオプションの設定も少ないが、その希少性とベースグレードで150万1200円という比較的お手頃な車両本体価格はちょっと魅力だと思わない?
軽快な走りを生み出す「新型アクア」のバイポーラ型ニッケル水素電池
バイポーラ型ニッケル水素電池による出力向上により、アクセルレスポンスが向上。より軽快な走りが楽しめるようになった
2021年7月に発売された新型アクアで大きな話題となっているのが、Z、G、Xグレードに新たに投入された“バイポーラ型ニッケル水素電池”という次世代型のバッテリー。
その特長は従来型のニッケル水素電池に比べると部品点数が少なくなるため、よりコンパクトにできること。例えば、従来型電池と同じバッテリーサイズの場合、より多くのセルを搭載することが可能になるというわけだ。
事実、新型アクアでは旧型に搭載されているニッケル水素電池に比べて約2倍の高出力を達成。その結果、アクセルレスポンスの向上や低速からパワフルかつスムーズな加速性能はもとより、電気だけによる走行可能速度域を拡大したことでエンジンを使わない電気だけの静かでパワフルな走行がより多く楽しめるようになっている。
時代を先取り! 「レジェンド」に搭載された市販車世界初搭載の自動運転レベル3技術
2014年に発表された安全運転支援システム「Honda SENSING」が進化。まずはレジェンドからの搭載に
2021年3月に発売された新型レジェンド。その話題の中心となったのは、Honda SENSING Eliteの搭載によって実現した自動運行装置=トラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)だ。
これは、ホンダが国土交通省から自動運行装置として型式指定を取得した自動運転レベル3に適合する先進技術で、高速道路走行中に渋滞が発生すると、一定の条件下でドライバーに代わってシステムが周辺を監視しながらアクセル・ブレーキ・ステアリングを制御して円滑な運転操作を支援してくれるもの。このシステムにより、ドライバーはナビ画面でのテレビやDVDの視聴、目的地の検索などのナビ操作をすることが可能となるという近未来のようなシステムだ。
約1000万通りのシミュレーションとテスト車両による高速道路約130万km走行の実証実験によって実現した高い安全性と信頼性を確保したシステムに、ホンダのチャレンジングスピリットを感じずにはいられない。
子育て中の奥サマは一度乗ったらやめられない! 「タント」の運転席ロングスライドシート
軽自動車のスーパーハイトモデルの先駆者であるタント。軽自動車初の駐車支援システム「スマートパノラマパーキングアシスト」が設定されていることも話題に
大開口のミラクルオープンドアや乗り降りが楽な回転シートなど、カユいところに手が届く充実装備が人気を博すダイハツのタント。だけど、それ以上に注目してほしいのが540mmという最大スライド量を実現した世界初の運転席ロングスライドシート。
運転席と後席間の室内ウォークスルーができたり、運転席に座ったまま後席の子どもの世話ができたり、後席の荷物を簡単に取ることできたり、極めつけは助手席も380mmのスライドが可能なので、ミラクルオープンドアから運転席への乗り降りも可能なこと。便利このうえなし!
その存在がもはや一芸! 「カローラ アクシオ」は国産5ナンバーセダン最後の砦!?
ハイブリッドでも213万4000円、エントリーモデルなら155万7600円というリーズナブルな価格設定も魅力
ひと昔前なら挙げだしたらきりがないほどのラインナップを誇った5ナンバーセダンだが、現在、新車で買えるのはなんと! トヨタのカローラ アクシオのみ。
今や絶滅危惧の危機に瀕している5ナンバーセダンだが、とはいえ日本の道路事情にフィットするサイズ感や取り回しの良さは大きな利点。アクシオを含めたカローラシリーズは今年、世界累計販売台数が5000万台に達する金字塔を打ち立てただけに……多様性が叫ばれている今、カローラ アクシオだけは時代の波に呑まれることなく、5ナンバーセダンを維持し続けてほしい。
現行軽乗用車で最小回転半径が一番ちっちゃい「アルト」なら狭い道もコワくない!
小回りのきくクルマは実際に乗ってみると実に快適! 軽視されがちだが、最小回転半径は重視すべき数値なのだ
普段はあまり気にしないけれど、毎日使うクルマにおける小回り性の良し悪しは意外と重要。狭い道幅や複雑に入り組んだ道、狭い駐車場が点在する日本では、取り回しの良いクルマが重宝する。
そこで注目したスペックが最小回転半径。“乗用車で一番小さい”という観点で現行モデルの最小回転半径を調べた結果、第1位はアルトの4.2mだった。一般的に4.5m以下なら小回り性が良いクルマ、5.5m以上は小回り性が悪いクルマといわれているが……ちなみに、皆さんは自分が乗っているクルマの最小回転半径を知っていますか?
白線がなくても楽チン駐車で超便利! 「アクア、ヤリス、MIRAI、ヤリス クロス」に搭載! アドバンスト・パーク
今後、続々と搭載されるであろうアドバンスト・パーク。このシステムを搭載しているだけでも芸達者に認定できるほどの優れものだ
誰でも簡単に駐車できる駐車支援システム搭載車両が増えた昨今だが、なかでも秀逸なのがアクア、ヤリス、MIRAI、ヤリス クロスが搭載するアドバンスト パーク。
なぜなら、区画線で区切られた駐車場での駐車だけでなく、事前に駐車位置を登録しておけば区画線のない所での駐車操作もアシストしてくれる世界初のメモリ機能を搭載しているから。駐車場所の横に停車→アドバンスト・パークスイッチON→開始スイッチONであら不思議? あっという間に駐車できるのだ。その感覚は、まるでテーマパークのアトラクションのよう!
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