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トヨタはなぜ中国車の宣伝に注力? 日本で中国人向けの展示会を開催した理由とは

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トヨタはなぜ中国車の宣伝に注力? 日本で中国人向けの展示会を開催した理由とは

■なぜ?中国車がお台場に集合!?

 東京・お台場には、クルマのテーマパーク「MEGA WEB(メガウェブ)」があります。ここはトヨタの市販車展示をはじめ、レーシングカーや過去の歴代モデル、未来のモビリティなどさまざまな企画展示がおこなわれています。

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 2019年10月初旬現在、このメガウェブにトヨタが中国市場向けに販売しているモデルが多く展示され、案内用の巨大なスクリーンで流されるプロモーション動画もすべて中国語です。

 さらに、各車の前に置かれた車両説明文も中国語が主体で飛び交う言葉も中国語と、日本と思えない場所になっていました。なぜ、メガウェブは中国車を展示していたのでしょうか。

 中国語の化粧プレートを付けた左ハンドルのトヨタ車と飛び交う中国語に囲まれて、中国にいるかのような錯覚を覚えましたが、このイベントは中国の祝日である「国慶節」(10月1日:中国の建国記念日)に合わせた、トヨタ流のビッグな「おもてなし」でした。

 中国からの観光客が年々増えるなか、メガウェブを訪れる中国人来場者も年間120万人規模になっているといいます。

 そのため、中国の祝日である国慶節の時期は普段より多くの中国人観光客が訪れることから、展示エリア内に中国仕様のトヨタ車やコンセプトカーを展示し、中国人専用の試乗車まで用意して最大級のおもてなしを展開しているのでした。

 今回のイベントについて、メガウェブの企画・広報グループ担当者は、次のように話します。

「2019年2月の春節の時期にも同様のイベントを開催しましたが、今回はさらに規模を大きくしています。中国からのお客さまはもちろん、日本のお客さまにもふだん見ることができない中国車が見られるとあって大変好評でした。

 また、前回は写真を撮ってSNSに上げて楽しんでもらうことを主な目的にしていましたが、今回は試乗や同乗をしていただくことで、トヨタの新エネルギー車をアピールしたい狙いもあります」

※ ※ ※

  中国市場向けのトヨタ車には、「一汽トヨタ(第一汽車+トヨタの合弁会社)製造販売」、「広汽(同広州汽車+トヨタ)製造販売」、「日本からの輸入車」の3種類があり、今回のイベントでもそれぞれのモデルが展示されていました。

 中国では、国策として自動車メーカーに一定台数以上の新エネルギー車を販売することが課せられているため、日本を訪れた中国人観光客に、「トヨタの新エネルギー車をもっと買ってもらいたい」と販売へのアピールも兼ねているとのことでした。

 また、これらの市販車に加えて、中国では販売されていない燃料電池車の「MIRAI」と2019年4月開催の上海モーターショーに出展された「RHOMBUS(ロンバス)」も出展。

 ロンバスは、中国の研究開発拠点TMECで開発されたコンセプトカーで「90後」と呼ばれる1990年以降生まれの中国の若者に提案するEVです。

■中国人観光客人気のトヨタ車は? 実際に聞いてみた!

 今回、出展された車両のなかで人気のトヨタ車は何だったのでしょうか。メガウェブの担当者に聞いたところ、以下の4台が挙がりました。

 ●ロンバス
  かなり目を引くデザインで、まずはこのクルマに集まってくる人が多いようです。中国人来場者以外にも、多くの外国人来場者が写真を撮っていました。

 ●MIRAI
  今回は、参考出品という形で展示されました。中国では販売されていない車であり、新エネルギー車の一つとして、電気ではない「水素」に関心を持つ人も多く、なかなかの人気でした。

 ●アルファード
  中国で絶大な人気を誇るミニバンです。中国では、「アルファード」が「LEXUS」や「BMW」などのように、ブランド名として確立しているとのことです。

 ●センチュリー
  中国車展示スペースとは、離れた場所に展示されていましたが、わざわざ見に行く人が多数おり、日本の最高級車に興味津々の様子でした。

 会場では、日にち限定で1回10分間の試乗ができる中国来場者向けの試乗会も開催されていました。中国の運転免許証があれば運転可能で、スタッフが運転するクルマへの同乗試乗も可能。

 中国仕様のカローラPHEV、レビンPHEVの他、MIRAI、RAV4とC-HRのHEV、86も試乗車として用意され、試乗実施日にはいずれの車種も試乗希望者が列を作って大変好評を博しているとのことでした。

 実際に会場を訪れた中国人観光客は、今回のイベントについて次のように感想を話します。

「日本は初めて来ました。聞いていた通り、街のなかも建物も大変綺麗ですね。そして人々がとても礼儀正しく、対応が丁寧です。メガウェブはツアーのなかに組み込まれていたので訪れましたが、中国人観光客向けのこのような催しはとてもユニーク。展示されているクルマはどれも大変美しく、先進的で感動しました。

 気になった車はMIRAIです。水素を燃料として動くというシステムにとても興味を持ちました」(山東省から来た宋さんご夫婦)

「中国では、日本のクルマは性能や燃費が良く、それでいて値段も安いので大変人気があります。販売店の対応も中国車の販売店とは違ってとても丁寧です。

 今回、日本に来たのは2回目でメガウェブも2回目ですが、国慶節に合わせたこのようなイベントが開催されていることは知りませんでした。スタンプでポストカードを作って写真を撮り、SNSにあげたら特別なボールペンとバッグをいただきました。嬉しいです!」(黒竜江省からきた馬さん家族)

※ ※ ※

 お台場で開催された中国人観光客向けの中国専用車の展示会は、トヨタの「おもてなしの心」がこもったイベントでした。

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