一部改良を受けたレクサスのフラグシップクーペ「LC」のうち、ハイブッド仕様である「LC500h」に今尾直樹が試乗した。“和製GT”の実力とは?
リッチな1台
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レクサスを象徴するラグジュアリー・クーペとして2017年3月に国内発売となったLCは、そのグラマラスで流麗なスタリングと、5.0リッターV8、もしくは3.5リッターV6+モーターのハイブリッドによる圧倒的な高性能でもって存在感を放ち続けている。
私もデビューしたばかりの頃、思い出すなぁ。(以下、フィクション)
たまさかLC500に知り合いを隣に乗せて、ドアを閉め、ラクダ色のレザーとアルカンターラで覆われたゴージャスな小部屋にふたりきりになったときの自分の感情の変化というものを。V8の鼓動を聴きながら走り始めたときの名状しがたいセクシーなムードを。
このままどこかにドライブに行き、海の見えるホテルかなんかのレストランでお食事をし、ワインなんか傾けちゃったりする。自宅は松濤にあって、ガレージにはほかにもいろいろ並んでいて、LCはそのなかの1台なんだけど、つい乗っちゃうんだよ。と、つぶやく。
やがて太陽が真っ赤な夕焼けとともに沈むと、レストランのガラスの向こうは闇に包まれ、海も景色もなにも見えなくなる。ここではない、別の世界、真っ暗な世界が広がっている。ああ。なにもかも捨てて、あちらの世界に行ってしまいたい……
というような小説の世界というか“リッチなライフ”の断片を、ほんの一瞬のうちに想像させたことを。
こんな国産車、レクサスLCをおいてほかにはないのではありますまいか。
そのLCもレクサスの常で小改良をチョコチョコ受けており、昨年秋には外装色に若干の変更があったほか、クーペ・モデルのサスペンション・セッティングを最適化し、運動性能のさらなる進化が図られた。LCはレクサス全モデル・ラインナップの乗り味を方向づけている1台であり、レクサスにとって、その先を照らす灯台のような、きわめて重要な存在である。当然、乗って確かめてみるべきでしょう。
スイスイ曲がる!
「サスペンション・セッティングの最適化」について、あまり具体的に明らかにされていない。「コイルス・プリング、スタビライザーの諸元やショックアブソーバーの制御を最適化することで、タイヤの接地感を高め、操舵入力に対する車両応答のリニアリティと高い旋回 G 領域 でのコントロール性を高めている」と、リリースにあるのみである。
レクサス・ダイナミック・ハンドリングシステム(LDH)装着車では、VGRS(Variable Gear Ratio Steering)、DRS(Dynamic Rear Steering)制御を最適化することで、「レスポンスがよく、軽快感ある走りを実現。低速から高速まで、車両姿勢の適正化とコントロール性を両立する事で、操る楽しさと安定感を向上」させているという。
今回借り出したLC500h “Sパッケージ”は、ハイブリッド仕様の、まさにLDH、レクサス・ダイナミック・ハンドリングシステム装着車なのである。
驚くべきは、メチャクチャよく曲がる。という点だ。房総半島に渡ってワインディング・ロードをチョコっと走っただけなので、「高い旋回 G領域でのコントロール性」までは申しあげられないけれど、車重2tを超えるヘビー級なのにスイスイ曲がることは間違いない。
レクサス・ダイナミック・ハンドリング(LDH)というのは、前記したVGRS(可変ステリング・ギア・レシオ)のステアリングと、そのステアリングの電動パワー・アシスト、そしてDRS(後輪の切れ角)を統合制御するもので、駆動輪であるリアにはトルセンLSDを備えている。コーナリング中はブレーキもステアリングと連動して制御し、過大なアンダーステアもオーバーステアも封じ込める。ドライバーの知らないうちに、ステアリングとブレーキ、エンジンその他を制御して、それこそドライバーの狙い通りに曲がっちゃうのである。
ひと昔前だったら、電子制御のふるまいに違和感を覚えたものだけれど、いまどきは黒子に徹していて、ハンドリング方面での違和感は皆無といっていい。
電子制御の技術が発達しただけではなくて、フロント・ミドシップを採用して、理想的な前後重量配分と低重心につとめているからだ。運動性能のために基本からつくり込んでいる。だからこそ、電子制御の介入がおそらくは大げさでなくなり、大げさではないから自然に受け入れられる。
ドライバーとしては、ただただ、この大きさと重さにして! と、驚嘆するほかない。
“素晴らしい見本”
3456cc V6直噴ユニットとモーターによりシステム出力は359psに達する。低速でアクセル全開にすると、メーター・パネルのトラクション・コントロールの警告灯が点灯し、何事もなかったように加速する。モーレツに速い。
マルチステージハイブリッドという、V6エンジンと2基のモーターと4速のギアボックスを縦置きするこのシステムは、超ワイド・レシオを実現していて、なんと100km/h巡航をたったの1000rpmという低回転でこなす。ちょっと下り坂になっていると、エンジンは休止してEV走行に切り替わる。
それを頻繁に繰り返すことで燃費を稼ぐのである。その結果、GQの約300kmにわたるテストでも車載コンピューターは10km/Lオーバーという、車重2tのガソリン・エンジン搭載車としては良好な燃費を記録している。
近頃、なにかと話題のSDGs、持続可能な開発目標というのは、ラグジュアリーをガマンするのではなくて、ラグジュアリーをいかに持続可能にするかがテーマだと考えるべきだろう。
LC500h“Sパッケージ”はガソリン・エンジンからEV時代に移行する過渡期に現れた、その素晴らしい見本だった。と、間違いなく記憶されるはずだ。
文・今尾直樹 写真・安井宏充(Weekend.)
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記号や数字じゃあいくら名車でも後世にその名を刻めない