2022年6月1日、レクサスのコアモデルである新型「RX」が世界初公開された。ラグジュアリーSUVとしてカテゴリーを牽引するモデルであり、先代モデルの人気が非常に高かったことから、新型RXの完成度は非常に気になるところ。
はたして、新型RXは、偉大な先代を超えることができるか!?? 現時点で公開されている情報から考察してみよう。
レクサス最強SUV「RX」がいよいよ発売秒読み!! 偉大な先代を超えるヒットとなるか!??
文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:LEXUS
RXをレクサスを代表するモデルへと成長させた現行型
「RX」はレクサスにラインアップされるミドルクラスSUVモデルだ。初代RXの登場は1998年のことで、RXの初代と2代目は、日本の「ハリアー」と同一モデル。3代目からは、ハリアーはトヨタブランド、RXはレクサスブランドとなった。
現行型(といっても、すでに販売終了になっている)は、2015年に発売された4代目。ラグジュアリーで質感の高い内外装とパワフルなパワートレイン、レクサスならではのスポーティなインテリアと実用的なパッケージングで人気を獲得し、ブランドを代表するモデルに成長した。
4代目RX。スピンドルグリルを中心とした伸びやかでスポーティなデザインが魅力的だ
サイズはほぼ維持ながら、存在感が増したデザインに
新型レクサスRX(5代目)は2022年6月にモデル概要が発表され、今秋からデリバリーが開始される。パワーユニットはトヨタの最新ユニット「全部盛り」といえる以下の4種類。2.4L 直4ターボハイブリッドを搭載したハイパフォーマンスモデルの「RX 500h」、2.5L 直4プラグインハイブリッドの「RX 450h+」、2.5L 直4ハイブリッドの「RX 350h」、そして2.4L直4ターボエンジンの「RX 350」だ。
新型RXのデザインは、ボリューム感のあるボトムセクションと流麗なクーペフォルム、眼光鋭いヘッドライト周りなど、4代目RXの特徴を基本的には継承しつつも、厚みを感じさせるボンネットフードやくっきりとしたキャラクターライン、特にサイドシルからリアフェンダー上部に向かってせり上がるように描かれたプレスラインが特徴的だ。
もっとも大きな変化は、レクサスのアイデンティティでもある「スピンドルグリル」が「スピンドルボディ」になったことだろう。従来のようなはっきりとグリルを囲むフレームがなく、緻密なデザインがボディに溶け込むように配置されている。車両電動化が進むにつれて将来的にはグリルの役割が変わっていくことを踏まえ、冷却機能をもった「穴」から「レリーフ」に変化する過程がデザインされている。
ボディサイズは全長4890mm(±0)×全幅1920mm(+25)×全高1695mm(-10)、ホイールベースは2850mm(+60)(カッコ内は従来モデルとの差)。これだけ存在感とボリューム感が増したように見えて、ボディサイズは、従来モデルとほとんど変わっていない、というのは、扱いやすさの面で非常にありがたい。
「DIRECT4」は異次元の走りを見せてくれる
走りに関しては、プラットフォームは、RAV4やハリアーなどと共通のGA-Kであるが、新型RXでは、リアセクションを全面刷新してマルチリンク式サスペンションを採用。これだけで、基本の走りと乗り心地は、先代モデルより大きく向上するものと思われるが、トップグレードである「RX500h F SPORT Performance」には、ある「飛び道具」が採用されている。電動化技術を活用した4WDシステム「DIRECT4」だ。
リアに高出力モーターである「eAxle」を搭載し、新開発のハイブリッドシステムとの組み合わせによって、緻密な四輪駆動制御とパワフルな走りを実現。クルマとドライバーが一体化したような思い通りのコントロールを楽しめるという。トヨタのハイブリッドシステムで「E-Four」という四輪駆動システムがあるが、リアモーター出力が全く異なるため、「DIRECT4」は異次元の走りを見せてくれるだろう。
インテリアも、先代モデルは機能性とスポーティな雰囲気が強調されていたが、新型では開放感のある広がりと包み込まれるような空間を両立させ、エレガントな雰囲気に生まれ変わった。運転をする際の心地よい緊張感を柔らかく包み込んで楽しさに変えてくれる、そんな印象を受けた。
妥協的な電動化を「武器」に変えている
ラグジュアリーSUVにとって重要なのは、まずはデザインだと思われるが、ライバルひしめくこのカテゴリーで、レクサスならではの個性や特徴を出していくというのは簡単なことではないはず。「どことなく◯◯に似ている」と思ってしまえば、高級車としての魅力は半減してしまうからだ。
新型RXのデザインは、RXらしさとレクサスのコンセプトを表現しつつ、しっかり個性が表れている。また、単に高級感のあるデザインではなく、良い走りを想起させるイメージが表現されている。見て美しいだけでなく、しっかり所有欲も満たしてくれるようなディテールであり、クルマを走らせるのは楽しいことなんだということを直感的に提供してくれる、そんなデザインに感じられる。
もちろんデザインだけでなく、走りのメカニズムにも相当こだわっている。電動化は、内燃機関エンジン車の迫力と面白さを知っている世代には妥協的に感じてしまうところだが、RXでは最新の技術で、それをクルマ本来の面白さを伝える武器に変えている。
「スピンドルボディ」など挑戦的なディテールもありながら一つ一つに意味があり、それを支持するメカニズムに妥協がない。他メーカーから乗り換えても、現行RXオーナーが買い替えても、十二分に満足いくクルマに仕上がっているといえる。売れない要素が見当たらず、新型RXは、偉大な先代を超える存在へと成長するだろう。
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新型RXの日本でのデリバリーは、2022年秋頃から、とのこと。次世代のラグジュアリーSUVの動向に注目だ。
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