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【クラウンの軌跡 12】12代目は伝統の制約から解き放たれ、すべてをゼロから開発

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【クラウンの軌跡 12】12代目は伝統の制約から解き放たれ、すべてをゼロから開発

日本を代表する乗用車といえば、まずトヨタ クラウンの名が思い浮かぶのではないだろうか。初代が登場してから、2020年の1月で65年になる。そこで、初代から現行型まで歴代のクラウンの軌跡を振りかえってみよう。今回は、12代目のGRS180/UZS180系を紹介する。

トヨタ高級セダンの新たな潮流をつくる
■GRS180/UZS180系(2003年12月~)
クラウンは刷新や革新より継承を美徳とする高級車である。が、2003年(平成15年)12月に衝撃的なデビューを飾った12代目のクラウンは違った。「静から躍動への変革」を掲げ、すべてを原点から発想するクルマ造りに取り組み、「ゼロ・クラウン」というキャッチフレーズが使われた。

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トヨタの総力を結集して開発されたのが12代目のGRS180系だ。内外装のデザインだけでなくコンセプトもメカニズムも大きく変えた。プラットフォームやサスペンションを作り直し、パワーユニットも伝統の直列6気筒と訣別して新開発のV型6気筒DOHCを搭載した。

エクステリアはトヨタのデザインフィロソフィ「VIBRANT CLARITY」に基づいてデザインされている。11代目までのクラウンは重厚感を売りにしていたが、12代目は躍動感あふれるアグレッシブなデザインを狙い、フェンダーやホイールまわりには力感がみなぎっている。

ホイールベースは2850mmまでストレッチされ、先代から始まったキャビンフォワードを受け継ぐボディも全長と全幅を広げ、トレッドも拡大している。が、ユーザーフレンドリーを貫き、全幅は1780mmに留められた。空力性能も優秀でCd値=0.27を達成する。

ラインアップは、フォーマル志向のロイヤルシリーズとアスリートシリーズの2つだ。先代で誕生したエステートはモデルチェンジを見送っている。上級のマジェスタは発表が少し遅れ、2004年7月にモデルチェンジを行った。

12代目クラウンは軽量化のためにボンネットやサスペンションにアルミ材を多用し、アスリートはスポーティ度を大きく引き上げている。メッシュタイプのフロントマスクや専用の18インチタイヤ&アルミホイールなどを採用し、エアロパーツも身にまとう。

パワーユニットも一新し、V型6気筒DOHCとした。排気量2994ccの3GR‐FSE型と2499ccの4GR‐FSE型で、ストイキ直噴のD‐4を採用した。これにVVT‐iを組み合わせている。トランスミッションは5速ATとシーケンシャルシフト付きの6速ATを用意している。

サスペンションはフロントがダブルウイッシュボーン、リアはマルチリンクだ。アスリートには電子制御サスペンションのAVSを標準装備した。クラウン初の電動パワーステアリングの採用も注目ポイントのひとつにあげられる。

2004年7月に登場した第4世代のマジェスタは排気量を4292ccに拡大した3UZ‐FE型 V8DOHCエンジンを搭載し、6速ATを組み合わせた。エアサスを採用し、FR車は電子制御ブレーキも標準だ。

2005年10月のマイナーチェンジで、アスリートに3456ccの2GR‐FSE型 V6エンジンを搭載する。日本の高級車の歴史を変えたのが、12代目の「ゼロ・クラウン」だ。

クラウン ロイヤルサルーンG(2003年)主要諸元
●全長×全幅×全高:4840×1780×1470mm
●ホイールベース:2850mm
●重量:1610kg
●エンジン型式・種類:3GR-FSE型・V6 DOHC
●排気量:2994cc
●最高出力:188kW<256ps>/6200rpm
●最大トルク:314Nm<32.0kgm>/3600rpm
●トランスミッション:6速フロアAT
●タイヤサイズ:215/60R16
●価格:470万円

クラウンの軌跡バックナンバー

[ アルバム : 12代目クラウン はオリジナルサイトでご覧ください ]

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