Stellantis(ステランティス)ジャパンは2022年8月29日、シトロエン・ブランドのフラッグシップモデルに位置する新型「C5 X」を発表した。発売は本年10月1日を予定する。
車種展開は以下の通り。
シトロエンC3エアクロスSUVのBlueHDiディーゼルエンジンモデルが日本上陸
C5 X シャイン(受注生産):484万円
C5 X シャイン・パック:530万円
C5 X シャイン・パック・プラグインハイブリッド:636万円
約14年ぶりの全面改良で、しかも欧州生産モデルとしては約4年ぶりの復活となる第3世代の新型C5は、進化版のEMP2(Efficient Modular Platform 2)プラットフォームをベースに、サルーンのエレガンスさとステーションワゴンのダイナミズム、そしてSUVの高いスタンスを組み合わせた新世代のクロスオーバーモデルとして開発され、車名はそのキャラクターを示すように「C5 X」を名乗る。
まず基本フォルムは、2016年開催のパリ・モーターショーで発表された「CXperience Concept」にインスパイアを受けてデザイン。Dセグメントのスタイリングのコードを刷新し、SUVの魅力的な要素を加えてセダンとステーションワゴンを融合させたファストバックのボディスタイルを構築する。また、長いフロントフードに流れるようなエアロダイナミックライン、高い位置に配したウエストライン、リアエンドのキックアップ、大型のテールゲートなどは、シトロエンのトップレンジを彩ってきた様々なモデルの流儀を最新のアレンを施しながら踏襲。新世代シトロエンを象徴するV字型のシグネチャーライトや、サイドまで回り込ませた立体的で大胆な造形のV字型リアコンビネーションランプ、スマートかつお洒落にアレンジしたモデルバッジなども、見る者を惹きつける要素だ。一方、従来のセダンよりも高くなったグランドクリアランスと、19インチアロイホイールAERO X Black Diamond+205/55 R19タイヤの組み合わせによって、SUVのファンにも好まれる高い位置でのドライビングポジションを実現する。ボディサイズは全長4805×全幅1865mm×全高1490mm、ホイールベース2785mmに設定。ボディカラーはグリアマゾニトゥ/ノアールペルラネラ/ブランナクレ/ブルーマグネティックの4色をラインアップし、シャイン・パック系はルーフをノアールペルラネラで彩っている。
内装するインテリアは、シトロエンのデザイン哲学に基づき、ドライバーのイメージに合わせてパッセンジャーコンパートメントを形作ることができるオリジナルの室内スペースを構築。広いガラスエリアに囲まれた明るいキャビンは、水平基調にデザインしたダッシュボードと、フロントドアまで回り込ませたウッド調のデコラティブパネルによって、個性的かつゆとりのある空間を演出する。また、室内に開放感をもたらす目的でリアクォーターにもウィンドウを設け、360度のガラスエリアを実現。静粛性にも配慮し、複層構造のラミネーテッドガラスを配して(シャイン・パック系に標準装備)、外部からのノイズを最小限に抑える。シャイン・パック系には、サンシェード付きのスライディングガラスサンルーフも組み込んだ。
シートに関しては、高密度フォームと厚みのある構造を特徴とするアドバンストコンフォートシートを装備。ベースに低反発効果のある高密度ウレタンを使用し、合わせて表層部に15mmの厚さの柔らかなスポンジを挟む手法を用いて、優れた姿勢保持性とコンフォート性能を成し遂げる。また、シャイン・パック系のフロントシートには空気圧で腰部をサポートするマルチポイントランバーサポート付きの電動シート(前後/高さ/バックレスト角度調整)に加え、シートヒーターとベンチレーションを装備。運転席には、乗車時にシートを自動的に後退させ、スムーズな乗車をサポートするウェルカムファンクションも組み込んだ。一方、6対4分割可倒機構を配したリアシートは、後席のニースペースを先代のC5セダンから66mm拡大させるなど、乗車時の快適性を飛躍的に向上。シート表皮はシャイン・パック系に2トーンレザーシート(Hype Adamantium)を、シャインにレザー&テップレザーシート(Metropolitan Grey)を採用した。
ラゲッジルームについては、寸法面からも機能面からもステーションワゴンの精神を念頭において設計する。フラットなフロアや側面、広く機能的な開口部などにより、荷室容量は後席使用時で545リットル、リアシートバックを倒すと最大1640リットルの容量を確保。また、テールゲートと連動したラゲッジロールアップは荷物の積み込みを容易にし、合わせて電動テールゲートにはハンズフリー機能を備えて、両手が塞がった状態でも容易に開閉することができる。さらに、スーツケースなどの出し入れがスムーズに行えるよう、フロア部にレールを設置した。乗員それぞれの収納スペースであるパッセンジャーコンパートメントを豊富かつ適切に配置したことも、C5 Xの訴求点である。
新世代インフォテインメントシステムのMyCITROËN DRIVE PLUSを採用したこともトピックだ。大きくワイドな高精細の12インチタッチスクリーンをダッシュボード中央の上部に配し、スマートフォンなどのように指先のスクロールやスワイプなど直感的な操作を実現。合わせて、複数の情報を同時に表示するウィジェットも可能な、より使いやすいシステムへと進化させる。また、コネクティッドナビゲーションシステムを標準で装備し、リアルタイム交通情報を活用したルート検索および案内が可能。さらに、音声認識システムを組み込み、呼びかけることでシステムを起動させることもできる。ミラースクリーン機能により、Apple CarPlay/Android Autoとシームレスにつなぐことも可能だ。
運転に必要な情報をフロントウィンドウに投影するエクステンデットヘッドアップディスプレイを初採用したことも見逃せない。車速やナビゲーションのルート、認識した標識(制限速度など)、ドライバーアシスト機能の作動などを、約4.5m先の路面上に浮かび上がるかのようにバーチャル感覚で表示。ドライバーは前方視界から目を逸らさずに情報を読み取ることができ、安全・安心な運転をサポートする。
パワーユニットには、最新の“Pure Tech”1598cc直列4気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジン(最高出力180ps/5500rpm、最大トルク250Nm/1650rpm)+EAT8(8速オートマチック)と、1598cc直列4気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジン(最高出力180ps/6000rpm、最大トルク250Nm/1750rpm)+モーター(最高出力81kW/2500rpm、最大トルク320Nm/500~2500rpm)+リチウムイオンバッテリー(総電力量12.4kWh)+e-EAT8(8速オートマチック)で構成するプラグインハイブリッドを採用。システム総出力225ps/360Nmを発生するプラグインハイブリッドは、電動モーターで走行する「エレクトリックモード」、エンジンとモーターを活用し燃費効率を最適化する「ハイブリッドモード」、乗り心地を重視した「コンフォートモード」、高出力のダイナミックな走りが楽しめる「スポーツモード」という4つのドライブモードを設定し、さらに住宅街などでEV走行をするためにエンジンによる走行で発電した電力を蓄電する「e-SAVE」機能を組み込む。EV走行可能距離は、WLTCモードで65kmを実現。満充電に要する時間は、普通充電器(200V・3kW)を使って約5時間 、ウォールボックスタイプの普通充電器(200V・6kW)を使って約2.5時間でこなす。自宅などでの充電時に開始時刻をあらかじめ設定しておく充電予約や、乗車するタイミングに合わせて車内が快適な温度になるようエアコンを作動させるプリコンディショニングも採用した。
一方、シャシー面では“魔法の絨毯”と形容されるシトロエン独自のハイドロニューマチックサスペンションの流れを汲む最新のシステム、プログレッシブ・ハイドローリック・クッション(PHC)を専用セッティングで全車に標準装備。ショックアブソーバー内にセカンダリーダンパーを内蔵することで従来のシステムでは吸収しきれなかったショックを抑制し、フラットライドな乗り心地を提供する。さらに、プラグインハイブリッドモデルには走行モードに応じてダンパー内の油圧をコントロールするアドバンスト・コンフォート・アクティブ・サスペンションを採用。4つのドライブモードに連動し、速度域や路面状況に応じて柔軟なダンピング調整を可能として、PHCの効果をいっそう高めている。
先進運転支援システム(ADAS)に関しては、全車に最新のセーフティ&ドライバーアシストを採用。走行ポジションを維持するレーンポジショニングアシストと、渋滞時の停止および再発進を自動で行うトラフィックジャムアシスト機能を統合させたアクティブクルーズコントロールや、車両に設置した4台のカメラにより周囲の状況をクリアにタッチスクリーンに映し出す360°ビジョン、車両に内蔵したレーダーにより最大75m後方からの車両を検知してドアミラー内の警告灯で知らせるロングレンジブラインドスポットモニターシステム、後退時に死角のエリアから接近する車両や歩行者を検知して警告するリアクロストラフィックアラートなど、日常ドライブをより安全で快適にする多くの機能を装備した。
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508やDS7,DS9、3008とC5ACのPHEVは独立懸架なのに…
いいのか?シトロエン