直線で、コーナリングで……。走りに個性がにじみ出るモデルは数多ある。そんな星の数ほどのクルマたちのなか、自動車評論家であり、そしてまたレーシングドライバーでもある松田秀士氏がうんうん悩みぬいた末に選出してくれた「走りが個性的なクルマたち」5台がこれらだ!
【画像ギャラリー】思い通りのハンドリング、コーナーリング…楽しくも深き印象を刻んだ5台をギャラリーでチェック!!!
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※本稿は2020年9月のものです
選出・文/松田秀士、写真/ベストカー編集部ほか
初出:『ベストカー』 2020年10月10日号
■どうしてこんなにも楽しいのか? スカイラインクロスオーバー
今でも、どうしてこんな楽しいクルマができてしまったのか不思議な1台が、スカイラインクロスオーバーだ。
日産 スカイラインクロスオーバー(2009年)…いきなり挙がったこのモデル。しなやかで怒涛の走りだ!
2007年に北米向けインフィニティ・ブランドのEX35が発売されたが、2年後に日本国内向けとして発売。ベースはセダン&クーペと同じEプラットフォーム。しかも、当初予定はなく、急きょSUVブームに乗るべく開発された。
セダン&クーペよりホイールベースを短くしてデザインを優先。330psを発生するVQ37VHRエンジンをそのまま搭載。FRと4WDの2モデルあった。
サスペンションはしなやかなのにハンドリングは正確そのもので、FRゆえのアジリティ健在。パワーもあるし素晴らしいクロスオーバーだった。
■踏むほどにグイグイ曲がる! ホンダ 3代目/5代目プレリュード
1996年発売の5代目プレリュードType S。このモデルに採用されたATTS(アクティブトルク・トランスファーシステム)によるハンドリングは忘れることができない。
FFは駆動と操舵の両方をフロントタイヤが行う。このためアンダーステアになりやすい。より速いコーナリングをするにはアクセル全開で、できるだけステアリング切り角を減らしたい。
ホンダ 5代目プレリュード(1996年)…スポーツグレード「Type S」限定で個性派走りモデルに選出。220psの走りは快感
そのATTSは旋回外輪の駆動力を最大80:20まで高めるのだ。ちょうど紙コップを倒して転がした時を想像してほしい。アクセル踏めば踏むほどグイグイ曲がるのだ。
まるでオーバルコースを走るインディカー。ショボいタイヤでも恐ろしく速いコーナリングスピードだった。
同じくプレリュード3代目に採用された後輪操舵の4WSも少ない操舵角でよく曲がり込むFFだった。でもATTSのほうが凄かったね。ATTSの技術は、後にレジェンドのSH-AWDへと進化していった。
ホンダ 3代目プレリュード(1987年)…スタイルは2代目のキープコンセプトながら、走りが進化。後輪操舵の4WSも少ない操舵角でよく曲がり、個性が光る
■SUVの皮を被ったランエボVI トミー・マキネン
ランサーエボリューションVI トミー・マキネンもよく曲がるクルマだった。
ランエボが素晴らしいのはアクセルONだけでなくOFFでもしっかり4WDをコントロールして曲がり込むこと。
ベースはFFレイアウトのフロント横置きエンジン。フロントヘビーなのにあのハンドリングは、ほかでは味わえない個性。
三菱 ランサーエボリューションVI(2000年)…ランエボVI、その特別仕様車「トミー・マキネンエディション」も選出された。ハンドリングが絶妙すぎ!
■3列電動SUVの皮を被ったランエボ!? アウトランダーPHEV Sエディション
最後も三菱。アウトランダーPHEV Sエディションにはドライブモードにスポーツがあり、S-AWC、AYCがあった。
これらをONにすると非常にアクティブになり、こんなに背が高いモデルからは想像できないくらいにハイスピードで、しかも思いどおりのコーナリングができる。
ダンパーもビルシュタインを装備。かといって乗り心地も悪くない。PHEVゆえ、1500Wまでの100V AC電源も装備する便利さ。まるで、3列電動SUVの皮を被ったランエボだ。
三菱 アウトランダーPHEV(2012年)…2018年のモデルチェンジで現在の2.4Lエンジン搭載のPHEVに。エコを考えつつもアクティブな走りを見せる
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