■人気ミニバン「ヴォクシー」の実燃費をチェック
2017年度(4月~3月)には同クラスのミニバンで2位のセレナを1万台あまり引き離す最多の9万1185台を販売し、登録車全体の中でも7位にランクインしたヴォクシーは、現行型の登場からそれなりに時間が経過しても依然として高い人気を誇っています。今回は、そんなヴォクシーの「ハイブリッドZS」の実燃費をお伝えします。
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まずは水道橋にあるトヨタの東京本社で車両を拝借。当初、ハイブリッドにはエアログレードの設定がなかったところ、2016年初頭の一部改良時に追加されたのが今回の「ZS」で、軽量化のため専用のBBS製の鍛造アルミホイールを標準装備されるのが特徴です。
■ヴォクシー:一般道(街乗り) 実燃費[16.5km/L]
走り出した時点で駆動用バッテリーの残量は、8段階あるうちの2目盛りを指していましたが、一般道を約1時間走ったところ、徐々に増えて5目盛りまで上がり、平均燃費は16.5km/Lと表示されました。市街地でこの数字はなかなかのものです。外気温は26度とそれほど高くなく、エアコンは25度のAUTOにセット。市街地を走っていると、とても頻繁にエンジンが停止することと、ブレーキフィールの違和感が小さいことが印象的です。
高速道実燃費について、今回は栃木方面を目指します。まずはご参考までに、首都高速を流れに乗って東北道の浦和料金所まで60kmあまり走ったところ、燃費はぐんぐん伸びて21km/Lを超えました。
そのまま東北道を北上したところ、しばらく走ったところで工事車線規制によりプチ渋滞発生。その時点で距離も燃費もほぼ「20」ちょうど。バッテリーは8分の7と表示されていました。ただし、渋滞に入って、先行車に合わせて低速でのろのろと走るときにはエンジンが止まってモーターのみで走り、すなわち燃料を消費せず走行距離は増えるので、燃費の表示はむしろ一時的に上がるときがあるのですが、今回もそうでした。
■ヴォクシー:高速道路(東北道) 実燃費[20.2km/L]
渋滞は通過まで時間にして3分ぐらい、距離にして数百メートル。よっぽどだったらリセットしようと思ったのですが、燃費的には本来巡行していたのと大差なさそうな感じだったので、そのまま続行することにします。
そして佐野サービスエリアへ。ここまでの走行距離は52.8km、平均車速は82km/h、平均燃費は20.2km/L。バッテリー残量は6目盛りを表示していました。
さらに、東北道を下りて、インターからしばらく20分ほど平均車速35km/hで12kmたらずの距離を走ったところ、21.5km/Lと高速を上回る燃費が出ました。過去の経験からしても、THSは郊外のような状況をもっとも得意としているのは明らかです。
■ヴォクシー:ワインディング路 実燃費[11.6km/L]
続いてワインディングは、今回は栃木市内の市街地からちょっと離れた、東北道を走っていたときにも遠くに見えた小高い山を走ります。上り勾配と下り勾配が交互に訪れる曲がりくねった道を平均車速30km/h台で走ってみたところ、燃費は11.6km/Lとなりました。
そこから佐野サービスエリアのスマートICを目指します。ご参考まで、制限速度は50km/hで信号もないような郊外の道を20kmたらず走ったところ、なんと下り勾配でもないのに途中ベストで30km/L台が出たこともお伝えしておきましょう。
帰路の東北道でACCを試そうと思ったのですが、今回の車両にはACCが装着されていなかったので、一応クルーズコントロールを100km/hにセットして走ってみたところ、3車線あるうちの2車線目ではすぐに先行車に追いついてしまい、3車線目ではすぐ後続車に追いつかれてしまいます。最近では筆者もACC付きのクルマに乗る機会がほとんどなのですが、ACCの必要性をあらためて実感した次第です。
そこで、これまでノーマルで走っていたので、エコモードで走って印象の違いを確認することにしました。すると、アクセルワークに対する反応がいくぶんおだやかになることがわかります。そのことはパワーメーターでも明らかで、ごく普通に車速をキープしながら走っているぶんには、めったにパワー側に振れることはありません。
ノーマルではパワー側に振れそうな状況でも、エコモードではぎりぎり超えない感じです。かといって、加速がもたついてストレスを感じるほどでもありません。むろんノーマルのほうがダイレクト感があって筆者は好みなのですが、エコモードのほうがアクセルレスポンスがなまされるので乗りやすく感じる人も少なくないことでしょう。
ところが、結果は53.7kmの距離を平均85km/hで走って、燃費は18.8km/Lと往路よりもだいぶ下がるという意外な結果となりました。これには外気温が表示で29度と比較的高かったせいもありそうです。
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