ハイブリッドの開拓者でもあるトヨタの「プリウス」。その最新モデルが、2023年1月より発売開始となっています。この最新の「プリウス」のエクステリア・デザインには、どのような特徴があり、その狙いは何なのでしょうか。新型「プリウス」のデザインを解説します。文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK
愛車であり続けるために、自身が生まれ変わる
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トヨタの「プリウス」は、初代モデルが世界初の量産ハイブリッドカーとして1997年に誕生しました。その誕生から約25年にわたり、ハイブリッドカーの普及を牽引してきました。ところが、ハイブリッドが普及するほどに、ハイブリッドが当たり前のような存在になってきました。今では、トヨタのラインナップのほとんどがハイブリッドするまでに、ハイブリッド技術は当たり前のものとなりました。
そうなってくると、「ハイブリッド専用車」として売ってきた「プリウス」は、その存在意義が薄くなってしまいます。トヨタの主力であり、「プリウス」と同じくらいのサイズの「カローラ」にもハイブリッドが存在しているため、「プリウス」を選ぶ理由が薄まってしまうのです。
そこで、第5世代となる新型「プリウス」は、「Hybrid Reborn(ハイブリッド・リボーン)」をコンセプトとしました。その狙いは「ハイブリッドが、これからの時代もお客様に選んでいただける愛車であり続けるため、生まれ変わろう」というもの。具体的には、従来の高い環境性能はそのままに、「一目ぼれするデザイン」と「虜にする走り」を兼ね備えた、エモーショナルな車を目指したというのです。
「一目ぼれするデザイン」を実現するプロポーション
新型「プリウス」の大きな特徴が、斬新なエクステリア・デザインです。その狙いは「一目ぼれするデザイン」。その実現のために、プロポーションは、よりスタイリッシュなものとなりました。
歴代モデルに受け継がれてきている、「プリウス」ならではのプロポーションは「モノフォルムシルエット」です。横から見たときに、ボンネット、キャビン、トランクが別々にある3ボックスではなく、ひとつの塊のようになっています。しかも、ルーフにピークがある三角形になっているのが特徴です。その伝統を生かしつつも、ルークの一番高いピークの位置を、より後ろにずらし、Aピラーを極端なまでに寝かしました。ロングノーズを持つ低い姿勢は、まるでスポーツカーのようなサイドシルエットです。
全高が下がったことで空力特性も向上しました。また、床下にあえて段差を作ることで、空気の流れをスムーズにする「エアロスタビラインジングアンダーボディステップ」を採用。車体周りと床下に流れる走行風を滑らかにすることで、燃費向上と優れた操縦安定性を実現しています。
キャラクターラインを減らしたシンプルな造形
ボディサイドにキャラクターラインが少ないのも新型「プリウス」のデザインの特徴です。それでも、膨らんだフェンダーからは力強さが感じられます。シンプルでありながらも、抑揚に富んだボディ形状となっているのです。このボディの形状によって、新型「プリウス」は、「感性に響くエモーショナルさ」と「普遍的な美しさ」を表現しています。
フロントとリヤのデザインも個性的です。フロント部は、新型「クラウン」などにも採用されている、最新のトヨタ・デザインである「ハンマーヘッド・モチーフ」となっています。横に細く伸びるヘッドライトと、その上に平行に伸びるウインカーのデザインが、シュモクザメ(ハンマーヘッドシャーク)を彷彿とさせます。
薄型で左右一文字に延びるリヤランプも、新型「プリウス」のユニークな点。斬新なデザインが、新型「プリウス」の先進性を演出します。
スポーティさと洗練を追求したカラーデザイン
新型「プリウス」は、新色2色を含む8色のボディカラーを用意します。新色は「アッシュ」と「マスタード」の2色。それ以外は「ダークブルー」「エモーショナルレッド」「プラチナホワイトパールマイカ」「アンティチュードブラックマイカ」の6色です。
新色「アッシュ」は、ニュートラルなソリッドグレーに色味のあるマイカを加えて、普通のソリッドグレーとは異なる雰囲気を生み出しています。同じく新色の「マスタード」は、彩度を抑えて、さらにメタリックを追加。ハイライト部分のみが輝く独特の質感を実現します。どちらも、スポーティさと洗練さを追求しています。
5代目となった新型「プリウス」のコンセプトは「Hybrid Reborn(ハイブリッド・リボーン)」。その狙い通りに、新型「プリウス」のデザインは、生まれ変わったように、大きく変化しています。端的に、非常に格好よくなっているのです。過去のイメージを払拭するような斬新なデザインは、新型「プリウス」の最大の魅力と言えるでしょう。
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みんなのコメント
出来れば、ドアハンドルをテスラみたいな目立たないものに、
グリルをもうちょい格好良くして欲しかった。