新車1年以内転売の実態
多くの車好きにとって、新車の納車は特別な体験だ。しかし、その高揚感が長く続くとは限らない。最新の調査では、新車購入から1年以内に手放される車種が一定数存在することが明らかになった。
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米国の自動車調査サイト「iSeeCars.com」は、2022~2025年モデルを対象に、2023年と2024年の新車販売1850万台超を分析した。車両識別番号(VIN)を基に、納車から4か月後から1年の間に中古市場へ移った車両を特定した。走行距離4000マイル(約6400km)未満の中古車や、生産終了モデル、大型車、超高級車、少量生産モデルは分析対象から外した。
分析の結果、1年以内に売却される可能性が最も高い10車種が抽出された。これらの車種は中古市場で再流通する割合が平均を大きく上回った。調査では新車の平均3.6%が1年以内に転売されていたが、該当車種は10%を大きく超えていた。
売却の背景は単純ではない。「iSeeCars」のエグゼクティブアナリストであるカール・ブラウアー氏は、買い手の経済的事情に加え、ディーラーの販売戦略が影響している可能性を指摘する。販売実績を伸ばす目的で、一部のディーラーがデモ車を「販売済み」として登録するケースもあるという。
高級EV・ICEモデルに広がる早期売却
初年度の売却率が最も高い上位10車種は、いずれも高級車だ。
・1位:ランドローバー・ディスカバリースポーツ:28.3%
・2位:ポルシェ・マカン:22.2%
・3位:メルセデス・ベンツGLB:21.2%
・4位:メルセデス・ベンツ CLA:20.4%
・5位:メルセデス・ベンツ GLA:16.7%
・6位:ランドローバー ・レンジローバーイヴォーク:16.4%
・7位:メルセデス・ベンツ Cクラス:14%
・8位:ランドローバー・ディスカバリー:13.6%
・9位:BMW 5シリーズ:13.4%
・10位:ジャガー F-PACE:13.3%
最も高い売却率となったディスカバリースポーツは、ランドローバーの中では比較的手頃な価格帯に位置づけられている。それでも購入者の28.3%が1年以内に手放している点は特筆に値する。
現行型ディスカバリースポーツは、同セグメントとしては販売期間が長く、最後のマイナーチェンジは2020年だった。登場当初は洗練された内装や先進装備が評価されたが、その後5年間で競合モデルが急増し、市場環境は大きく変わった。加えて、ライバル車に比べ信頼性が低いとの声が広がっており、これが初年度の売却率を押し上げている可能性がある。
2位のポルシェ・マカンは、昨年発売された電気自動車(EV)モデルが主力になりつつある。内燃機関(ICE)モデルは販売終了が決まっており、価格はICEで7万ドル弱、EVでも8万ドル超と高額だ。オプションを追加すれば最終価格はさらに上がる。この高価格帯にもかかわらず、購入者の22.2%が1年以内に売却している。
3位のメルセデス・ベンツGLBは、3列シートで7人乗りながら、取り回しやすいサイズが特徴だ。上位グレードは実用性と走行性能の評価も高い。それでもメルセデスの中で最も高い売却率を示し、購入者の21.2%が1年以内に下取りに出している。
初年度の売却率が高い車種は高級車に集中する。iSeeCarsのカール・ブラウアー氏は、高級車購入者が事前調査を十分に行っていない可能性や、資金に余裕がないケース、あるいは購入判断が気まぐれであることを示唆すると指摘する。
いい換えれば、憧れや見栄で高級車を購入したものの、維持費の負担が想定以上で、早期売却に踏み切るケースが多いとみられる。高級車は1年程度では価値が大きく落ちにくく、比較的高値で売却できる。このため、下取りを活用してより価格帯が低い車に乗り替えやすい環境があるとも言える。
高級ブランドに広がる早期売却の常態化
初年度売却率が最も高い大衆車のトップ10は以下のとおりだ。
・1位:MINI・クラブマン:11.4%
・2位:三菱・ミラージュG4:8.6%
・3位:マツダ・CX-70:7.2%
・4位:MINI・カントリーマン:6.7%
・5位:現代・ソナタ:6.4%
・6位:マツダ・CX-90:6.4%
・7位:現代・サンタクルーズ:6.4%
・8位:トヨタ・GRカローラ:6.3%
・9位:ジープ・チェロキー:6.3%
・10位:MINI・ハードトップ4ドア:6.3%
前述のブラウアー氏は、大衆車といえども価格が4万ドル(約600万円)を超えるケースが多いため、家計への負担が大きくなっていると指摘する。新車ローンの月額が700ドル(約10万円)を超えると、多くの購買層が支払いに追われ、短期間での売却に至る可能性が高まるという。
1年以内に転売される可能性が最も高い自動車ブランドのトップ10は以下のとおりだ。
・1位:ポルシェ:16.0%
・2位:ジャガー:10.7%
・3位:メルセデスベンツ:9.1%
・4位:ランドローバー:8.9%
・5位:インフィニティ(日産):6.5%
・6位:BMW:6.2%
・7位:ジェネシス(現代):6.1%
・8位:アウディ:6.0%
・9位:MINI:6.0%
・10位:マセラティ:5.7%
ブラウアー氏によれば、上位12位まですべて高級ブランドが並んでおり、高級車が最も早期売却されやすいという傾向を示している。気まぐれな購買行動だけでなく、デモカーの登録や販売台数を押し上げるための会計処理など、ディーラー側の事情も背景にある可能性を指摘する。
新車が短期間で売却される理由は一様ではない。ただ、こうした車両は中古市場では魅力的な存在になる。新車価格を大きく下回りながら、状態は新車に近い。購入する際は新車保証がどれだけ残っているかを確認する必要がある。
いずれにしても、新車を1年以内に手放すのは本意ではないはずだ。想定外の出費や後悔を避けるためにも、購入前の検討と維持費の見積もりを慎重に行うことが求められるだろう。(仲田しんじ(研究論文ウォッチャー))
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みんなのコメント
走りも作りも薄っぺらい感じ。
値段に見合った内容ではない。
買ってガッカリして売却されてそう。