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【万人受けは狙わない】 時代を裏を突いた仏の一台 DS 4エスプリ・ド・ヴォヤージュEテンス

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【万人受けは狙わない】 時代を裏を突いた仏の一台 DS 4エスプリ・ド・ヴォヤージュEテンス

賑々しい見た目、尖った高級路線

CセグメントのクロスオーバーSUVというと、こんもりとしたボディを想像していたのだが、DS 4は違った。全周にわたって水平のプレスラインがビシッと入りボディの低さを強調しているのだ。

【画像】DS 4エスプリ・ド・ヴォヤージュEテンス試乗の様子をみる 全57枚

クロスオーバーの枠に辛うじて踏みとどまっている感じ。雰囲気的にはレクサスにも似ている(?)。どちらもハイブランドを標榜し誕生したメイクスなので、共通項があるのかもしれない。

ドアを開けるとサイドシルにEsprit de Voyageの文字。今回の試乗車はエスプリ・ド・ヴォヤージュという特別仕様車だった。専用のドアミラーや放射線状のエンボス入りのダッシュボードやドアトリム/フロアマット/19インチホイール等を装備しているという。

外観に負けず劣らず、インテリアも徹底的に作り込まれている。革素材以外の全ての“面”にエンボス加工やクローム処理が施されている感じで、ファッションでいうところのパターンオンパターンのような賑々しさが感じられる。

最近は複雑になり過ぎた造形をシンプルに戻す、リダクショニズムのようなスタイルがポピュラーといえる。DSの攻め方が突出して感じられるのは、時代の裏をうまく突いているからかもしれない。

プラットフォームはおなじみのEMP2で、前輪を駆動するエンジンも“いつもの”1.6L直4ターボだが、車名の末尾のEテンスが示すようにPHEVとなっている。エンジンは180psだが、モーターも110psと必要にして充分なスペックとなっている。小さな高級車、その仕上がりはどうなのか?

個性的な操作系、簡単には仲良くなれない?

DS 4 Eテンスが搭載している走行用バッテリーの容量は12.4kW。一充電走行距離は56kmとなっているので、普段使いをEVとして完結できるはずである。

ところが今回は撮影場所までの道程で電気を使い果たしてしまったらしい。そこでスポーツモードを選び積極的に回生を促したのだがほとんど充電できなかったので諦めることにした。

このためエレクトリック・モードを試すことができなかったが、それでも発進の瞬間はちゃんとモーターで静かに走りはじめていたし、加速のたびにアシストも入っていたので結果オーライだった。

しばらくドライブしていて操作系も見た目と同じく個性的であることに気がついた。エアコン関係はセンターモニター下の物理スイッチで操作するのだが、小さくてオシャレすぎて分かりづらい。シフトレバーのすぐ前にあるDSスマートタッチというタッチスクリーンも直感的に扱うことは難しく、慣れが必要だと感じた。

メーターパネルの表示も小さめで走りながら理解を深めるのは難しかった。操作系は総じて「オーナーになって慣れる必要あり」という感じだったのである。

一方ドライブフィールの部分もそれなりに個性的だった。セルフセンタリングが強いのでコーナーの立ち上がりでステアリングを握る手の力を緩めるとスルスルッと素早く舵が中立に戻っていく。そしてもちろん、乗り心地はフワッと柔らかく、こちらもすぐに “シトロエン系”とわかるものだったのである。

走りの質感、あのクルマには敵わない

ハイブリッドのパワートレインの存在感は決して強くないが、それでも最高出力はシステム総計で225psもあるのでパワー不足は感じない。だがCセグメントの背が低いクロスオーバーというスタイリングから想像するほど軽快という感じもしなかった。

高速を走っていて気になったのは、なんとなく姿勢がリア下がりになっているように思えたことだった。ストローク感のあるリアサスがゆっくりと動くのに比べ、フロントがいくぶん硬めなのでそう感じたのかも。

また今回燃料タンクはほぼ満タンで、さらにリア寄りに走行用バッテリーが搭載されていることでその感覚が助長されていた可能性もある。とはいえ1人乗りでそれはダメだろう。

またコーナーが続くような区間では、リアのダンピングが不足気味でピッチングの収まりが悪かった。これはオーバーハングが潔く切り落とされたリアスタイルとは相容れないドライブフィールだった。

今回DS 4のドライブフィールがすっきりと腑に落ちなかったのは、先月レポートしたシトロエンC5 Xの印象がすこぶる良かったことも影響している。何しろDS 4とC5 Xは全長以外のスペックはかなり似通っているのだ。

シロトエンらしい深みがある乗り心地を備え、動的質感のまとまりがいいC5 Xと比べると、DS 4のそれは少し煮詰めが足りていないように思えた。個性的な見た目が気に入ったのであれば買いだが、走りにもこだわりたいのであればそこは冷静に周囲のモデルと乗り比べてみる必要があると思う。

試乗車のスペック

価格:695万6000円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4415×1830×1495mm
燃料消費率:16.4km/L(WLTC)
駆動方式:FF
車両重量:1760kg
システム合計最高出力:225ps
システム最大トルク:36.71kg-m
一充電走行距離:56km
パワートレイン:直列4気筒DOHC1598cc+ターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:180ps/6000rpm
最大トルク:25.49kg-m/1750rpm
電動機:交流同期電動機
定格出力:30kW
最高出力:110ps/2500rpm
最大トルク:32.63kg-m/500~2500rpm
駆動用バッテリー:リチウムイオン電池
ギアボックス:8速オートマティック
タイヤサイズ:205/55R19(フロント)205/55R19(リア)

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みんなのコメント

3件
  • mar********
    DSっていう時点で万人受けしないと思う。
    でも私にはぶっ刺さってます。
  • xtr********
    シトロエン系は現行も一瞬、すごいとなるが、
    ある意味、本物のビッグ系のDS SM CX XMに並ばれたら霞みまくる。新型だろがA8、7シリーズSクラスもドン臭くみえる。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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