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懐かしの「フェアレディZ」「MR2」にも採用! 今や希少な「Tバールーフ」の国産車5選

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懐かしの「フェアレディZ」「MR2」にも採用! 今や希少な「Tバールーフ」の国産車5選

Tバールーフが目立っていた個性派モデル

 オープンモデルといえばマツダ・ロードスターのようにガバッと屋根が開くクルマをイメージしがちだが、すべてがそうとは限らない。たとえばポルシェの“タルガトップ”やトヨタ・スープラ(70型や80型)の“エアロトップ”のようにAピラーだけでなくBピラーも残し、その間の屋根だけを取り外すタイプもオープンモデルに含まれる。マツダ・ロードスターRFやホンダS660などもこのタイプだ。

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 そして、最近の新車ではまったく見かけなくなってしまったが「Tバールーフ」というのもある。これはタルガトップやエアロトップに対し、Aピラー上部中央とBピラー上部中央を繋ぐ棒を追加したもの。今回は、かつては日本にも存在した、Tバールーフの採用車種に注目してみよう。

日産フェアレディZ

「フェアレディZ」に初めてTバールーフが登場したのは、1980年11月のこと。2世代目の130型だった。その後1983年登場のZ31型、1989年登場のZ32型までは継続して設定された。 フェアレディZといえばTバールーフモデルをイメージする人も少なくないに違いないが、その理由はおそらく石原軍団の刑事ドラマ「西部警察」に登場したS130のTバールーフのイメージが鮮烈だったからではないだろうか。ただし、劇中に登場するのは改造車で、市販車には油圧によるルーフ開閉機能が備わっていないし、ガルウイング状にルーフと連動して開く窓(市販車より大きい)からショットガンを撃つこともできない。 ところで、フェアレディZの伝統といえるTバールーフがZ33型では消えてしまったのはなぜか。カギとなるのは「フェアレディZロードスター」の存在だ。オープンモデルはZ32時に「フェアレディZコンバーチブル」として登場していたが、ルーフは手動式開閉式だった。それが「フェアレディZロードスター」にネーミングチェンジしたZ33では手軽に開閉できる電動式へと進化したことで、Tバールーフ車の存在意義が薄れてしまったからだ。ロードスターはZ34型でも引き続き用意されたが、モデルライフ途中で終了している。

トヨタMR2

 フェアレディZと並んで、Tバールーフが象徴的だった国産車といえばトヨタMR2。トヨタが作ったコンパクトなミッドシップのスポーツカーだ。

 MR2のデビューは1984年だが、Tバールーフが設定されたのはマイナーチェンジを受けた1986年。スーパーチャージャー付きモデルとともに登場した。 1989年にはフルモデルチェンジを受けたが、Tバールーフモデルも引き続き設定。すべてのグレードで選択できた。MR2は、1999年に後継モデル「MR-S」にバトンタッチして新車販売を終了している。MR-SにはTバールーフが設定されなかったが、その理由はそもそも全車がソフトトップのオープンモデルだったからだ。

日産エクサ

 1986年に発売した小型クーペ&シューティングブレークの「エクサ」にもTバールーフが用意された。このエクサが凄いのは、Tバールーフは“設定している”ではなく、“全車に標準採用”だということ。思い切った判断である。 さらに、ルーフだけでなくテールゲート(キャノピーモデルはルーフ後半も含む)まで取り外して、開放感を味わえるという自由な発想も斬新。なんでもありの、今から思えばいい時代の、伸び伸びとしたアイデア満ちたクルマだったのだ。感覚としては、ルーフだけでなく車体後部の“囲い”も取り外せる「ジープ・ラングラー」のようなものといっていい。 さすがに自由過ぎたのか、そのアイデアは後継車には受け継がれなかったのが悔やまれる。

日産NXクーペ

 エクサの実質的な後継車(「サニーRZ-1」の後継車も兼ねている)となる「NXクーペ」は、さすがにテールゲートを外す遊び心までは継承しなかったものの、Tバールーフは設定(全車標準ではない)。 当時は奇抜なデザインだと思っていたが、今にして思えばスッキリとまとまったデザインのように見えるのは気のせいだろうか。1990年から1994年にかけて販売された。

スズキX-90

 スズキ「X-90」というクルマを知っている人は、かなりクルマに詳しい人に違いない。デビューは1995年10月。「エスクード」のショートボディのメカニズムを使ってつくられた、いわばパイクカーだ。

 メカニズムはラダーフレームに縦置きエンジンを組み合わせた本格クロカンだが、スタイリングはまるでUFO。2シーターでSUVなのにトランクを備えるという、かなりアバンギャルドな商品企画だ。あまりに奇抜かつ2シーターで実用性が低すぎるゆえに、国内で販売されたのはわずか1348台。それにしても、あの堅実なスズキが、よくこんな企画を通したものである。つくづく自由な時代だったのだ。すっかり本題からそれてしまったが、このX-90もTバールーフを標準採用していた。

まとめ:性能と解放感を高い次元でバランスさせたのがTバールーフだった

 ところで、Tバールーフのメリットはどこにあるのか。まず、タルガトップやエアロトップに比べると取り外すルーフが小さく、脱着が容易で気軽に開閉できるのは大きな長所。外したルーフを積む場所を車内に用意するのも容易だ。また、ルーフのバーが“つっかえ棒”になるのでボディ剛性を確保しやすいのもアドバンテージと言える。

 コンバーチブルやロードスターといったいわゆるフルオープンのモデルに比べると、開放感という点では劣る。しかし開口範囲が狭い分だけ車体強化が少なく済むから設計や生産が楽になるとともに、ユーザーサイドとしては価格上昇が少なく済むのは大きなメリット。

 開放感はどうかといえば、確かにTバールーフはフルオープンモデルに対する違いはなくはない。しかし、その差が大きいかといえば、後ろを振り向かない限りはそう大きなものではないという印象だ。

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みんなのコメント

5件
  • 解放感あって良かったんだけどねぇ。
    ただ大雨振ったら雨漏りすんのよ・・・
  • 形からすると「T」というよりは「エ」ではないか。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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