Bugatti Divo
ブガッティ ディーヴォ
あらゆる希望に応え、世界に1台の「ディーヴォ」を作り上げるブガッティのパーソナライゼーション
自分だけの1台を作り上げる“コーチビルディング”
強烈にパワフルかつ、他にない類を見ない個性をもつ存在・・・。ブガッティ製ハイパースポーツは、常に自動車文化の頂点に立つ存在だ。最高の品質とクラフトマンシップによるユニークな作品とも言えるブガッティは、執念とも呼ぶべきディテールへの拘りをもって開発・製造されている。
わずか40台が限定生産される「ディーヴォ」はその象徴ともいるべき存在だろう。110年の歴史をもつブガッティの伝統「コーチビルディング」を現代に復活させたディーヴォの価格は500万ユーロ。間もなく1号車がラインオフし、ブガッティのエンスージアストの元へと届けられる。
ブガッティのステファン・ヴィンケルマン社長は、ディーヴォがいかに特別な存在なのかを強調する。
「製造されるすべてのディーヴォがユニークかつ究極の贅沢を象徴しています。この非常に高性能な限定ハイパースポーツには、独自の個性があります。最高速度ではなく、あえてコーナーリング性能を優先し、ブガッティのエンスージアストにとっては、絶対にコレクションに加えたい1台になるはずです」
すべてのリクエストに応えるブガッティのカスタマイズ
ブガッティによると、ディーヴォを購入するオーナーの3分の2以上が独自のカスタマイズを施すことを選んでいる。カラー、レザー、ファブリック、ステッチなど、独自のカラーやマテリアルを選択。オーナーは自身のアイデアや好みを伝え、そこから世界に1台しか存在しない“パーソナルカー”を作り上げるのだ。
ブガッティのセールス&オペレーション・マネージャーを務めるローラ・ベネトーは「このパーソナライゼーションによって、すべてのディーヴォが比類なき存在になるのです」と説明する。2006年からブガッティで働くベネトーは、400名のヴェイロン・オーナー、300名のシロン・オーナーをサポートしており、新たに2018年からディーヴォのオーナーも加わった。
「私たちはお客様とクルマを作り上げていきます。しかも、それだけではありません。私たちと一緒に彼らは夢を見るのです。世界にたった1台のブガッティを実現するために、あらゆる願いが実現できるんですから」
カラーのチョイスは無制限。カスタマイズチーム全体は15名のスタッフで構成されており、3名のスタッフが世界中のカスタマーの要望に対応し、サポートを行っている。「私たちは長年にわたって多くのお客様と密接な関係を築いてきました。皆さんが私たちを信頼し、私たちの意見を大切にしています」と、ベネトー。
カスタマーの好みを熟知したセールスコーディネーター
ブガッティのカスタマーは、その生まれ故郷であるフランス・モールスハイムを訪れることで、エットーレ・ブガッティによって生み出された伝統、最新鋭の製造設備などを、ローラ・ベネトーをはじめとするスタッフの先導で学ぶことができる。
デザイナーや開発エンジニアたちも、この購入プロセスをサポートしており、車両の技術的な説明も適宜行われている。このモールスハイムでの見学や仕様決定プロセスは実に5時間も要するという。ブガッティのハイパースポーツは、カスタマイズ可能なコンポーネンツが多岐にわたっているため、これほどの時間が必要となる。
「お客様は自分が何を望んでいるのか、正確に理解しています。ただ、私たちから詳細な説明を受けた上で、クルマの仕様を決めたいお客様も少なくありません。だからこそ提案を行いながら一緒に仕様を決めていくのです」と説明するのは2011年以来、ブガッティでセールスコーディネーターを務めるアン・ベイナット。
「お客様は、家紋、国旗、自身のロゴマーク、特別な配色など、独自のアイデアをお持ちになっていることがよくあります。そのアイデアをどうやって技術的に可能にするのか、我々は考えるのです。あるお客様は、お気に入りのハンドバッグや靴とマッチする、カラーやレザーを選択したこともありました」と、ベイナット。
とはいえ、彼らのリクエストに応えるために車両の安全性を犠牲にしたり、ブガッティのロゴを変更することは許されていない。ベイナットはカスタマーの希望に合わせた提案を複数提示し、話し合いを続けるという。
「お客様のほとんどがすでにブガッティを所有していることもあって、私たちは皆さんの好みを知っています。ディーヴォに関しては、購入したお客様全員がすでにシロンを所有していることも大きいですね」
特別なカラーや素材採用のために惜しまぬ努力
ディーヴォに関しては、ボディカラーに加えて、センターライン、ルーフ、エンジンカバー、フェンダーのエアインテークも好みのカラーでペイントすることができる。
インテリアに関しても、一般的なレザー以外に自動車ではなかなか採用されることのない貴重なヴィンテージレザーをシートやサイドトリムに使用することが可能だ。レザーは厚さが異なるため、ミシン目はその都度対応。ボディカラーをレザーに合わせて調整することもできるという。
ブガッティによると、アジアのカスタマーは、明るく派手なカラースキームや珍しい色を選ぶ傾向にある一方、ヨーロッパのカスタマーは、カタログに掲載されているボディカラーを選択することが多いという。また、米国や中東のカスタマーは、より目を引くゴージャスなカラーの組み合わせをチョイスする傾向にあるそうだ。
これまで施されてきた特別な仕様としては、ヴェイロンのリヤパネルに入れられたエンボス加工の子供の足跡、ドアポケットに刺繍されたパートナーの名前、さらにコクピットにクリスタルが埋め込まれたこともあったという。ホイールに特別な装飾やロゴを入れたりすることもできる。
オーナーの希望を実現するために1年を要することも
特別なカラーや素材を使用する場合、当然時間は余分に掛かることになる。 新色を開発するには最大4ヵ月、新しいレザーには9ヵ月、新しいカーボンインテリアには1年という時間がかかる場合もあるという。そのため、カスタマーには2週間ごとに、ブガッティから開発の進捗状況を伝える写真が届けられる。
「カスタマイズ仕様でも、カタログ仕様と同じ仕上がりとクオリティが要求されます。何年掛かろうとも、私たちはブガッティ製ハイパースポーツの外観、そして走行性能を完璧にしたいと考えているのです」と、ベネトーは微笑んだ。
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