■ユーザーの反響から市販化が決定
東京オートサロン2016で多くの来場者の注目を一身に集めた、カスタマイズカーが出品されました。それは、大きなメーカーブースの真ん中にドンと展示された訳ではなく、小さなチューニングショップなどが所狭しとコンセプトカーを並べる車両展示専用スペースの一角に置かれていました。
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特別な存在感を放っていた1台で、かく言う筆者(先川知香)も心を奪われたひとり。ディズニー映画「カーズ」に登場するキャラクターのような、くりくりとした大きな目と、いたずらっ子のような表情に魅せられてスペックボードを見てみると、ベース車両がホンダ「S660」であることに驚いたのを覚えています。
また、出展社名は「N lab.」(エヌラボ)。聞いたことのないその社名を即座にスマホで検索してみると、『ホンダアクセス』従業員の有志による制作だと知り、さらに驚きました。そんな「S660 ネオクラシック・コンセプト」が、同じく東京オートサロン2017に出品された「S660 ネオクラシック・プロトタイプ」を経て、遂に市販化されました。
今回発売されたのは「S660」の外装パーツを換装して「ネオクラシック・コンセプト」のようにカスタマイズできる「S660 ネオクラシック・キット」。そして、ホンダ中古車専門店の『ホンダユーテック』が「S660」の中古車をベースにこのキットを架装して販売する、ホンダの認定中古車「S660 ネオクラシック」です。
そんな「S660 ネオクラシック・キット」を装着したコンプリートカーを実際に見てみると、2年前にオートサロンで出会ったコンセプトカーそのもの。もちろん市販化に際して、軽自動車の規定サイズにおさめるためや、安全性の観点から細かい部分に変更は施されていますが、「S660 ネオクラシック・コンセプト」を初めて見た当時のイメージと、一切の変化はありませんでした。
スポーティだけどキュートで、レトロだけど新しい。小さく低い車体のフロントマスクに大きなヘッドライトが印象的で、上目遣いの甘えたような表情に、なんとも言えない愛着が沸々と湧いてきて、見かけたら立ち止まらずにはいられません。
そんな可愛さ溢れるフロントとは一変。リアは少し厚めでスーパーカーを彷彿とさせるスポーティで重厚感あるイメージで、これはまさに公道を走れるオモチャのクルマ。そのコクピットに乗り込んで、思わずワクワクして自然とアクセルを踏んでしまいます。
小回りの利く小さなボディとキビキビとした走りが、どこへでも行けるのではないかと思わせてくれる。愛車というより相棒という印象を受け、エクステリアデザインを一新するだけで“気分まで変えてくれる”そんな1台です。
■購入方法は2択のみ
ホンダ「NSX」をそのまま小さくしたような「S660」ノーマル車の“ザ・スポーツカー”という印象も、もちろんいいのですが、いたずらっ子のような可愛さと、スーパーカーのようなメカニカルさというギャップを併せ持つ「ネオクラシック」も魅力的。キットの完成度の高さも相まって、全く別の車種だと言っても過言ではない新しい「S660」が登場したのです。
樹脂にガラス繊維を練り込んだFRP製の外装パーツと、灯体等で構成されたキットの価格(消費税込)は、129万6千円。キットは無塗装のため、車体に合わせた塗装が必須となっています。
販売しているのはキットパーツのため、「S660 ネオクラシック」を手に入れるためには、愛車のS660を持ち込んでの施工か、キット装着済みのコンプリートカーを購入するかの2択となります。購入できるのは「オートテラス城北」「オートテラス鈴鹿東」「オートテラス筑紫野」の3店舗です。
ちなみに「S660 ネオクラシック」のコンプリートカーは、ホンダユーテックにて2017年式(走行距離0.5万km)をベースにしたモデルが約440万円で販売しています。
また、ホンダアクセス広報部の石川さんは「150万円のベース車にキットを装着するとしたら、取り付け費や塗装費を含めて約400万円を想定していて、製品には3年間6万kmのメーカー保証が付いています」と話します。
維持費も安くて走りも楽しめるハイパフォーマンス軽自動車「S660」に“自分好みのカスタムで差を付ける”そんなこだわり派オーナーは、是非検討してみてはいかがでしょうか。
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