トヨタ、中国・広州ショー「カローラセダン」発表 詳しく説明

トヨタは2018年11月16日に開幕した中国の広州国際モーターショーで、新型カローラ・シリーズのセダン（中国名：「カローラ」と「レビン」）を世界初披露した。中国でベールを脱いだとはいえ、新型セダンは中国地域仕様ということではなく、基本性能を大幅に向上させたTNGA-Cプラットフォームをベースにした、国や地域に適合させたセダン・モデルだ。


アクティブさ、走りを強調したスポーティ仕様（北米、中国「レビン」、日本など）と、Cセグメントのトップエンドモデルらしい上級感を表現したラグジュアリー仕様（中国「カローラ」、ヨーロッパなど）の2タイプをグローバル市場向けに発表している。

グローバル戦略車

この新型カローラ・セダンは2019年春にアメリカ、ヨーロッパで販売を開始し、2019年央以降に中国などで販売され、世界150以上の国・地域で順次発売する。日本はスポーティ仕様のカローラ・スポーツ（ハッチバック）をベースに、日本のユーザー層、道路環境に合わせて最適化した専用仕様のセダン、ワゴンを2019年内に発売する予定としている。



開発責任者の小西良樹チーフエンジニア（CE）は
「新型モデルは、見てカッコよく、乗って、走って楽しいクルマを目指して開発しました。また、クルマ本来の楽しさだけではなく、新たな価値を生み出す、つながる機能としてコネクテッドも拡充することで、世界中のお客様のモビリティライフを豊かにするクルマにしていきたいと考えています。世界中に数多くのお客様がいるカローラ・シリーズは、トヨタがTNGAの取り組みを通じて進めてきたもっといいクルマづくりの成否を占う重要なクルマだと考えています。お客様には、トヨタのクルマづくりが変わったことを必ず実感いただけると確信しています」
と語っている。

　
NEXT：開発コンセプトは…

開発コンセプトは、すでに日本で発売されたカローラ・スポーツと同じで、コネクテッド技術の採用や、ダイナミック性能を高めるため、5大陸の各国を舞台に100万kmの走行テストを行なうなど、開発に時間をかけ、かつてないほどのシャシー性能の熟成が行なわれている。


なお、今回登場したカローラ・セダン、レビンの公表スペックは次の通りだ。

全長4640mm、全幅1780mm、全高1435mm、ホイールベース2700mmで、全高は従来型から45mmのダウン。全長、全幅はわずかにサイズアップしている。当然ながらボディはブローバルCセグメントのサイズになっている。




TNGA-Cの採用による走りの刷新

12代目となる今回のカローラ・セダンは、TNGAによる「もっといいクルマづくり」の取り組みを行ない、2018年夏に発売したハッチバックや、2019年初旬にヨーロッパなどで発売するワゴンも含めて、グローバルでTNGA-Cプラットフォームに統一し、効率的な開発を進めると同時に、商品力の大幅な向上を実現。また、今回から、ヨーロッパなどで展開するハッチバック（旧名：オーリス）やワゴン（旧名：オーリス・ツーリングスポーツ）のシリーズ名を「カローラ」に統一し、カローラ・ブランドのグローバルでの強化を行なうことにしている。



走りは、プラットフォームの刷新により、上質で気持ちの良い走りを目指し、乗り心地、静粛性、安全性能などの面も世界トップレベルを目指している。また同時にセダンではあるがドライビング・プレジャーを追求している。


エクステリア・デザインは「シューティング・ロバスト」、骨格で魅せる逞しさとアクティブさを併せ持つデザインをコンセプトとし、TNGAプラットフォームの採用により、現行型より全高を低く、トレッドを広げることで、踏ん張り感のある低重心でスポーティなシルエットを実現。

インテリアは、「センシュアス・ミニマリズム」、シンプルでありながら感性に響くデザインをコンセプトとし、薄型インパネによる開放感のある空間と、センタークラスターなど集約された機能部品とのコントラストにより、質感の高いデザインを追求している。



　
NEXT：パワートレーン、安全装備、コネクテッドは地域ごとに設定


パワートレーン、安全装備、コネクテッドは地域ごとに設定

このニューモデルは、国や地域により、TNGAの新世代パワートレーンである2.0Lのダイナミックフォース・エンジン、1速ギヤ付きのダイレクトシフトCVT、レブマッチング式6速iMTなど、ニーズに合わせて選択できるように設定している。アメリカ仕様は2.0Lエンジン＋ダイレクトシフトCVTを採用するが、他の地域では1.2Lターボなども設定される。ちなみに中国仕様は1.2Lターボ、1.8LのNA、1.8Lハイブリッドの3機種だ。

また1.8L、または2.0Lエンジン＋新世代THS-IIを搭載するハイブリッド・モデルは新たに90以上の国・地域に投入し、電動化車両をグローバルに普及させる役割を担う。また、先進安全装備も、国・地域に応じて最新の夜間歩行者検知機能付き「トヨタ・セーフティセンス」の設定を拡充するとしている。


さらに新型カローラ・セダンは、安全・安心、快適・便利なコネクテッド機能、サービスを国・地域ごとに展開する。中国では、車載通信システムであるDCM（通信モジュール＝SIMカード）を標準搭載し、24時間365日、ユーザーの見守り、ジャスト・イン・タイムなサービスを提供する「トヨタコネクティッド」（中国名「豊田智行互聯」）を全グレードに設定する。

米国ではアップルCarPlayやアマゾンAlexaとの連携をはじめとする多様なコネクテッド・マルチメディア機能を搭載。ヨーロッパでは事故や急病時にオペレーターに接続して車両位置情報に基づき緊急車両を手配するe-Callサービスが設定される。


日本仕様は？

日本仕様は、コネクテッドサービス、新世代トヨタ・セーフティセンスは標準装備される。パワートレーンは、カローラ・スポーツと同様に1.8Lハイブリッドと1.2Lターボが搭載されると予想される。日本市場は中国やアメリカとは違ってカローラ・セダンのボリュームはかなり小さいので、パワートレーンに関しては後回しになりそうだが、6速iMT、ダイレクトシフトCVTは導入される可能性は大きいだろう。

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