主戦場のアメリカでは攻めたフロントマスクが必須
コンパクトなレクサスのクロスオーバー、UXに乗る。造形の豊かさで鮮烈なインパクトを放つレクサスデザインだが、これ、メインマーケットであるアメリカの街並や、フリーウエイの流れに混ざるとごく普通に見える。
「高級ミニバン」vs「高級セダン」 後席で移動するならどちらが快適か
つまりそれほど個性の強いアメリカンや韓国勢が溢れている地では、強烈なインパクトを与えなければ負け!? とくに女性ドライバーには、威嚇できるマスクが必要だ、と聞く。交通の流れにおいて、無理な割り込み等を防ぐための重要な要素なのだと言う。
そんな事をLAオートショーに行き、向こうでも試乗して”理解”した。とは言えレクサス、スピンドルグリルにはだいぶ慣れたが、UXを含むクロスオーバー各モデルを斜め後方から眺めると、空力効果を狙った造形の奇抜さと斜めに入るキャラクターライン、切れ上ったホイールアーチの角度や形状に、日本で慣れるにはもう少し時間が必要か。
コクピットは上質感に溢れている。まずは高級感のあるセンタークラスターがドライバーを迎え入れる。クロスオーバーとは言え、見下ろす視界とは少々違い、視線はダッシュボード上面からボンネットに、ほぼ水平に延びてセダンのように低いドライビング姿勢に驚く。もちろんシート高を最下端まで下げた状態の話で、ハイト調整により背中を立てたアップライトな姿勢も取れるのでご安心を。
スリーサイズは4495x1840x1540mmと2640mmのホイールベース。新型のライバルで比較するとサイズ的に近いところは、三菱エクリプス・クロスやボルボXC40だが、UXは全高が100mm以上低く、やや背の高いスポーツハッチバックのような個性だ。
低いと言っても室内高は十分で、とくに後席は頭上と足もとともに余裕の広がりを見せる。
基本はパワーユニット違いでUX200とUX250hにわかれる。新開発の自然吸気2リッター直噴4気筒搭載のFWDがUX200。2リッターハイブリッドの4WD(E-Four)がUX250hで、それぞれに標準のバージョンC、スポーツ系のFスポーツ、豪華装備がバージョンLの3グレードが用意される。
レクサスらしさを味わうならハイブリッドがいい
UX200のトランスミッションはCVTだが、ゼロスタートからタイヤが鳴くほどの好ダッシュを示す。発進をギヤ駆動にした威力だが、アクセル操作に直結した加速を示し、加速すればあとはベルト駆動CVTが無段階変速で滑らかに車速をコントロールする。通常走行なら滑らかで快適に流れて行く。
とはいえ中間加速でアクセルを床まで踏みつけると、エンジン回転は6700rpmまで跳ね上がり(スパイ針が最高回転を示す)燃焼音と機械音の盛大なエンジン音とCVTのネガである空転感に閉口。やはりレクサスといえば音、静粛性の高さで世界に衝撃を与えたそこをすべてのモデルで統一して欲しいものだ。
一方ハイブリッドの250hは2リッター直噴エンジンとモーターを組み合せたレクサス初の2リッターハイブリッドシステム。CVTではないギヤ式無段階変速が、急加速時に空転感は感じるものの、モータートルクが瞬時にエンジン加速を上まわる加速Gで増幅するため、期待以上の速度のノリの良さに身体はシートバックに押さえ付けられる。
もちろんほぼ無音のモーター走行もあり、レクサスのブランドイメージから言うと250hがあらゆる意味で相応しい。操縦性は、すでにプリウスで定評のプラットフォームのレクサス版、GA-Cの採用で操作に対する動きのすべてが自然に行なわれる。
直進安定性の高さはFWDも4WDも変わらない。Wウイッシュボーンの優れたリヤサスペンションが直進性も旋回性能にも深く関わっている。
コーナリングのトレース性も転舵したステアリングのとおり自然に癖なく曲がる、動きが読める安定したハンドリング特性が素晴らしい。
レクサスはランフラットタイヤを標準装着する。あえてこの難しいタイヤ特性にチャレンジした事、それを上手く履きこなしている点を評価する。しかし標準サスペンションでは、波状路を高速で通過した際の角の尖った硬さを感じた。
同じシーンでFスポーツは、姿勢を抑える意味でより質の高い硬さ、角のない路面からの衝撃吸収感で凹凸をいなした点に注目できる。
夜間の歩行者、自転車も検知する安全装備の類も標準装備されたUX。お薦めは先にも言うが、250hである。
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