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痛快なエンジンにして、街乗りもこなせるスーパーカー──マクラーレンGT試乗記

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痛快なエンジンにして、街乗りもこなせるスーパーカー──マクラーレンGT試乗記

マクラーレンのグランドツアラー「GT」に小川フミオが試乗した。実用性と高い走行性能を兼ね備えたスーパーカーに迫る!

ゴルフバッグも積めます

スマートな日産サクラか、泥臭い三菱eKクロスEVか?

遠出が気持ちよく出来るスーパーカーならコレをオススメしたい。英国のピュアスポーツカーメーカー、マクラーレンが手がける「GT」だ。性能的にはピュアスポーツカーでありながら、GT(グランドツアラー)の名のとおり、どこまでも快適に走っていける。

マクラーレンは、徹底している。ふたり乗りのミドシップしか作っていない。しかも「SUVは手がけない」って公言しちゃっている。そのぶんプロダクトは、サーキット走行を前提に開発されたようなピュアなスーパーカーだ。

ラインナップの頂点には、1050psというロケット(!)なみにパワフルと思える「スピードテイル」なんて限定モデルもある。いっぽう、「ふだん使いならコレ!」という狙いで開発されたのが「GT」だ。

すこし前まで「570」シリーズに「570GT」が設定されていた。グラスハッチを開けると、運転席背後に荷物が入れられて、ちょっとした旅行にも使える汎用性の高さが魅力だった。その伝統を受け継ぐのが、今回試乗した「GT」である。

リアクオーターウィンドウをもつキャノピーは、プロファイル(側面)でみると、流れるようにリアへとつながる美しい輪郭をもつ。そこにゴルフバッグが積める空間が設けられている。エンジンがないのでフロントボンネット下にも荷物用スペースがある。

巨大なエアインテークをもつ、けっこうアグレッシブな見かけのスポーツカーでありながら、これでクラブハウスに乗りつけて、後ろからゴルフバッグを取り出す……オーナーの喜びになりそう。

エンジンは痛快!

マクラーレンGTは、運転席背後に3994ccV型8気筒ガソリンターボ・エンジンを搭載。最高出力は456kW(620ps)で、最大トルクは630Nmに達する。7段の2ペダル変速機を介して後輪を駆動する。まわせばパワーが湧き出てくる痛快なエンジンだ。

最大トルクは、エンジン回転で5500rpmからのいわゆる高回転型のパワーユニットであるが、1500rpmもまわせば、市街地で周囲の流れをかんたんにリードできるほどの力強い加速を味わえる。

炸裂するような加速感が味わいたければ、大きなパドルシフターに手を伸ばそう。Dレンジだと、燃費をかせぐべく速いタイミングでシフトアップしていく。そこでパドルシフターでギアを固定し、上のエンジン回転域まで引っ張る。炸裂するような音とともに、「すさまじい」と言いたいぐらいの加速が味わえるのだ。

ボディ剛性は高く、カーボンファイバー製のセンターモノコックは、どんな速度域でもミシリとも言わない。マクラーレンがシャシーの剛性と軽量化にことさら注力しているのは、F1のコンストラクターという出自ゆえだろうか。少なくも私はそう思っている。

芸術品のようなインテリア

じつはマクラーレン車、“速いシャシー”にくわえて、もうひとつ、特徴がある。乗り心地の良さだ。電子制御ダンパーを備えているサスペンション・システムのセッティングは絶妙だ。

車内でダンパーの硬さが調整できるので「ノーマル」を選ぶと、こんな速いクルマなのに路面の追従性はよく、凹凸はよく吸収してくれる。

「スポーツ」さらには「トラック」(サーキット)に切り替えると、がぜん足まわりは引き締まる。ステアリング・ホイールを切り込んだときに、車体のノーズがサッとコーナーの内側を向くようにロール制御は効くうえに、路面のちょっとした段差で跳び上がるなんてことはない。

マクラーレン車の足まわりのよさは、ほかのモデルでも変わらない。ステアリング・ホイールに路面からのインフォメーションがもうすこし多く入ってくると楽しさが増すかもしれない。

“有機的”と表現したくなる、表面にさまざまなカーブがついたパーツで構成される室内の造型は、ちょっとした見ものだ。GTに限らずマクラーレン車に乗るたび、ちょっとした芸術品に接しているように思えて、うれしくなってしまう。

車幅が1925mmあるので、せまい道ではやや扱いづらい場面があるかもしれない。それでもステアリング比がクイックで、こちらの意のままに車体が動いてくれるため、意外なほど扱いづらさがない。

このクルマで買い物にいき、店の前に乗りつけたら、なかなか絵になるかもしれない。マクラーレンGTは、出来るだけ多くの都市生活者に乗ってもらいたい、という気にさせるスーパーカーである。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

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