アルピーヌはF1イギリスGP終了後の7月10日に組織改編を発表。モータースポーツ活動を率いる役職が新設されることになった。この狙いは何なのだろうか?
今回発表された人事によれば、アルピーヌのF1エンジン責任者であるブルーノ・ファミンが、新たに設けられた競技活動の全てを統括するモータースポーツ担当バイスプレジデントに任命されるという。
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そもそも今年のアルピーヌについては、ローラン・ロッシCEOからそのパフォーマンスについて「受け入れがたい」「アマチュアのようだ」と痛烈なコメントが発せられるなど、上層部から強いプレッシャーがかけられてきた。そんな背景も、こうした人事が注目を集めるひとつの要因となっていた。
今回の人事の目的は、ロッシCEOが彼本来の役割に従事できるようにすることに主眼が置かれたモノだ。彼はアルピーヌが市販車部門での目標を達成するためには、モータースポーツプログラムへ十分に気を配ることはできないと理解したのだ。
そのためロッシCEOは、ファミンをモータースポーツプログラムのトップに据え、彼にF1チームや他のモータースポーツ活動に集中してマネジメントしてもらうことを狙っている。
新たな組織構造についてファミンは、motorsport.comに対し次のように説明した。
「この変更は現在のF1チームの状況とは関係のないものだ。これはブランドそのものや、開発や新製品、市販車といった分野での野心的な目標と関連している」
「我々のブランド、そして会社は非常に順調に成長している。新しい投資家と共にいくつか大きな発表を行なったのも、その一例だ」
「ローラン・ロッシは、たとえ彼がモータースポーツを愛していたとしても、彼の道に専念しなくてはならないことに気がついたのだと思う。それが彼の優先すべきことなんだ」
なおファミンは今回の組織改編はF1チームにとってもプラスだと考えている。この新構造では報告の構造も簡素化され、結果を改善することにより集中できるようになるという。
「主な違いは、私がこの役割に100%コミットメントすることだ。もちろん、そのほうがプロジェクトにとってはずっと良いことになる」
またアルピーヌが苦戦しているのは、成功へ向けて細部まで深く掘り下げるられる人物がいないことが原因か、と訊かれた際にファミンはこう答えている。
「もちろん、細部のひとつひとつが非常に重要だ。ただ私はこの新しい組織は、我々がコミットしている全てのモータースポーツプログラムの目標を達成していくために役立つと思っている」
「F1も当然含まれる。だがル・マンや耐久レースでも、中団で戦うためにプログラムを推し進めているわけではない。F1同様に我々は勝利を目指しており、できるだけ速くタイトルを目指したいと思っている」
「もちろん、F1も明日すぐにというわけではない。そのためには非常に大きなステップが必要になると分かっている。今回のことはより大きな視点に関するものであり、若手ドライバーのことや耐久レース、F1を含む全てのプロジェクトに100%専念する誰かが必要だったという考えなんだ。より効率的に仕事をして、目標へ届くチャンスを増やすためにね」
F1チームのサフナウアー代表を信頼
なおファミンはF1チームを率いるオットマー・サフナウアー代表とはこれまでも仕事を共にしてきたため、すでに信頼を寄せているという。
前述のロッシCEOのF1チームへの厳しい発言は、チーム運営に関する不満を示唆していたが、ファミンは現在は良くなっていると語った。
「チーム全体が、どのレースでも最高のレースとなるように最善を尽くしている」
「ローランの反応はまさにそういうものだった。皆があのメッセージを理解したと思う。もちろんミスをしないだけではなく、可能な限り最高のマシンをドライバーに手渡すために、皆がベストを尽くしているんだ」
またファミンは、2021年にロッシCEOが「100レース以内にアルピーヌが上位を争う」とぶち上げた目標を変更することはないとも語った。
「ロードマップを変更する理由はない」
「その目的は、ゴールにたどり着くチャンスをもっと増やそうというものだ」
「当然、我々はモータースポーツで沢山のプロジェクトを抱えており、ブランドとその発展に向け大きな期待を抱いている。だからこそ、目標を達成するためのチャンスを増やすために、組織改編を行なったんだ」
ファミンはサフナウアー代表の役割に踏み込むつもりはなく、監督する立場で関わることを強調した。
「誰もが組織内でそれぞれの役割を持っている。オットマーにはオットマーの役割があり、私も自分の役割がある。そういうことだ。それに私は細かいマネジメントが好きなわけでもないからね」
そしてファミンは、自身の新しい役割がアルピーヌが“100レース計画”を達成するために必要なインフラと開発の改善を実行していくことだと語った。
「我々はエンストン、そしてヴィリーに開発プロジェクトがある。それらのプロジェクトに完全に専念する人がいることで、プロジェクト実現を促進するために役に立つだろう。このアイデアはできるだけ早く進めるようにして、チームをどんどん良くしていくことが目的だ」
「以前と違うのは、私が日常的にそこに居て、皆が目標を達成できるように後押しすることになる点だ」
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