8月炎天下の勝負となった2020年スーパーGT第3戦、鈴鹿サーキットでのGT500クラス公式予選を終え、チーム移籍初年度のQ2アタックで自身初ポールポジションを獲得した64号車Modulo NSX-GTの伊沢拓也とルーキーの大津弘樹が、圧倒的パフォーマンスを披露したダンロップタイヤの感触を語るとともに、300km決勝への展望を語った。
伊沢拓也
「序盤2戦は苦労しましたけど、テストの感触からしてこの鈴鹿はチャンスがあると思っていて。正直、この鈴鹿に合わせて準備をしてきた部分はありました。ただ、今日の朝フリー走行を走ってみて、想像以上に調子が良かった」
31号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTが今季初ポールポジションを獲得【スーパーGT第3戦鈴鹿300クラス予選】
「大津選手も素晴らしい走りでQ1トップ通過してくれて。僕自身も、そういうのを見ると気合も入るし、怖さもあるし……いろんな思いのある予選だったんですけど、最終的には、こんなに長くやっていますが、初めてポールポジションを獲得できました」
「もう本当に今日の僕たちのポールはチームが良いクルマを用意してくれて、あと何よりもダンロップが用意してくれたタイヤがこの鈴鹿に本当に合っていた。多分“このクルマに乗れば誰でもポールが獲れる”というくらいに仕上がってたと思う」
「そういうクルマを作れたというのは、ここで僕たちの力を証明できたと思うし、正直こういう場所で言うのは適切ではないかもしれませんが、今年に賭ける想いというのは『ここで自分の力を証明したい』というネガティブなモチベーションからくる思いが非常に高く、それが今回、こうして達成できたことは自分としてはすごくホッとしているし、うれしく思っています」
「伝え方はなかなか難しいですが、僕らのダンロップは富士だと100Rとか速いコーナーがすごく良くて、その代わりに犠牲として少し低速コーナーが難しくなる場面があったんですが、鈴鹿のテストでここを走ってみると『良いところしか出ない』くらい、サーキット特性とダンロップの持ってる特性が非常にマッチしていた。『なかなかこんな感覚で走れないな』っていうくらいクルマが落ち着いてくれているので。自動車メーカーもタイヤメーカーもいろんな特徴があると思うんですけど、今回はその両方が僕らの特性と鈴鹿の特性に完璧にマッチしているのかな、と思います」
「僕らもそうですし、他のメーカーもそうですし。今日と同じコンディションでレース距離を走ったときにタイヤの状況がどうなるかは未知数です。NSXが少し持ってる特有の部分、ピックアップの問題だったり、他にも難しい部分が出てくる可能性はゼロじゃない思うんですけど、このクルマのスピードがあって、多分そのままいければピックアップの問題も少ないんじゃないかなと思ってます」
「前がいない状態でスタートして、自分たちのペースで走り続けられる、っていうのは、もしかしたら僕らにとってすごく良い方向に働くのかな、働いて欲しいなと思っています」
「このスピードをまた明日もみなさんにお見せできればいいなと思ってますし、まだどっちがスタートするかは決まっていないんですけど、個人的には明日、自分がスタートして20秒ぐらいブッちぎって大津選手に渡して完璧に優勝したいなと思ってます。一応、まだ決まっていないので僕の個人的な希望です」
■大津「明日が本当に大事なので、決勝での強さを見せていきたい」
大津弘樹
「今は率直にうれしい気持ちで一杯です。とくに今年GT500デビューで開幕前から『速さを見せつけなきゃいけない』と思っていて、予選で担当したセッションでのトップと、優勝というのをつねに目標に掲げていました。それを第3戦目の鈴鹿でまずQ1トップタイムが出せたのはすごく安心というか、うれしい予選になったなと思います」
「朝の公式練習から伊沢選手のタイムが速くて、クルマ的にもタイヤ的にもすごく良い感触を得ていました。僕が担当したQ1ではそれを信じ切って、とにかく自分の持っている力を出し切ろうと思ってアタックしました」
「僕自身も鈴鹿SRS-F出身で相当な周回数を走っているので、その部分で合わせ込みも出来たなって気持ちもあります。Q1へ行く前は伊沢選手からいろいろとアドバイスも貰って、それが活きた予選だったと思います」
「僕自身のポールというのは、GT300から上がって来てこのチームに入って、やっぱり他のチームに比べたらダンロップタイヤは1台しかいないですし、少し厳しい戦いが予想される中で、何か『光るモノを見せなきゃいけない』という思いはありました。それがあるからこそ、このポールというのは今後に向けても自分の自信になる予選だったと思います」
「これまでの2戦は上手くタイムが出せないとか、上手く走れないレースが続いていたので、その中で魅せれたな、とは思う。ただ明日が本当に大事なので、決勝での強さというのも見せていきたいなと思います。決勝のコンディションがどうなるか分からない部分もありますし、僕たちのレースペースも未知数の部分がありますが、そのなかでも前だけを見て、表彰台の真ん中を獲得できるように、ベストを尽くして頑張りたいと思います」
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