フル電動化に向け待ったなしのアウディから、4ドアスポーツクーペのEV、e-tron GTが登場。姉妹車のポルシェ タイカンとベースは共有しつつも、アウディらしい仕立てに。ポルシェとアウディが手掛けたEV、その走りにアウディらしさはあるだろうか?実力を検証する。
内外装にアウディらしさを演出したタイカンの姉妹車
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2021年9月、アウディは新戦略「Vorsprung 2030」を発表した。その主旨は、2026年以降に投入する新型車はすべて電気自動車とし、2033年を最終期限として内燃エンジンの生産を段階的に中止していくというものだ。おそらく今後、新規の内燃エンジンの開発は行われず、これから約10年でアウディから内燃エンジン車が段階的に消滅していくことを意味する。もはやフル電動化に向けて待ったなしというわけだ。
そうした中、SUVのe-tronに続くアウディのBEV(バッテリーEV)の第2弾、4ドアクーペのe-tron GTが日本に上陸した。これはEV用プラットフォーム「J1」を採用するポルシェ タイカンとの姉妹車だ。
ボディサイズは、全長4990mm、全幅1965mm、全高1415mm、ホイールベース2900mmと、タイカンに比べて全長は25mmほど長いがそのほかはほぼ同じだ。サイドから見たルーフラインなどのシルエットもとても良く似ている。その一方で特徴的なデザインのLEDライトやシングルフレームグリルを模したフロントバンパー、抑揚のあるリアのブリスターフェンダーなどでアウディらしさを演出している。
インテリアはデジタルメーターのバーチャルコックピットをはじめ、センターに10.1インチのタッチスクリーンを配した最新のアウディデザインに則ったもの。すべてをデジタルに、というわけではなく、使用頻度の高いエアコンの操作パネルには物理スイッチが残されている。シートはレザーのスポーツシートのほか、オプションでペットボトルや漁網などをリサイクルしたクロス素材を使用するレザーフリーパッケージが用意されているが、質感や座り心地も個人的にはこちらのほうが好みだった。
カタログ上の乗車定員は5人だが、後席にもしっかりとホールド感のある形状をしたシートが設えられており、実際はエマージェンシー用の4+1といったところ。後席の足元を避けるようにバッテリーが配置されており、身長178cmの大人2人が十分に寛げるスペースが確保されている。
タイカンには、2WDのベースモデルから、4S、GTS、ターボ、ターボSと、5つのバリエーションがある。一方で後発のe-tron GT quattroはアウディらしくクワトロのみで、ベースモデルとハイパフォーマンスなRSモデルのRS e-tron GTの2グレードだ。総電力量は93.4kWhの駆動用バッテリーをフロアに配し、フロントとリアアクスルそれぞれに2基のモーターを搭載し、4輪を駆動する。リアに2速のトランスミッションを組み合わせ、システム電圧は800Vである構成などもタイカンと共通のものだ。
e-tron GT quattroのシステム出力は、350kWでローンチコントロール使用時は390kWにまでアップ。最大トルクは640Nm。一方のRS e-tron GTは、440kWでローンチコントロール使用時は475kW。最大トルクは830Nmとなっている。これは前者がタイカン4S(320kW/390kW)相当、後者がタイカンGTS(380kW/440kW)とターボ(460kW/500kW)の間くらいと細かくセッティング変更されている。同じ素材を使ってもまったく同じにはしないあたりは、それぞれのブランドをしっかりと棲み分ける戦略ということだろう。ちなみに一充電走行距離はベースモデルもRSモデルも共通の534km(WLTCモード)となっている
スムースな走りと盤石のコーナリング
まずはベースのe-tron GT quattroに乗った。センターコンソール中央のボタンで起動。シフトセレクターはフラットな形状のスイッチを前後にスライドするタイプ。手前に引いてDレンジ、奥に押してカチッとRに入る。フラットボトムのステアリングに手をやると、パドルシフトが備わっていることに気付く。これはタイカンにはない装備で、シフトチェンジするように回生のレベルを3段階で調整できる。基本的にはアクセルペダルを戻すと強く回生ブレーキがかかるようないわゆるワンペダルフィーリングの設定にはなっていない。あくまでも高速巡航を主とするグランドツーリングとしての味付けだ。オーバーブースト時の0-100km/h加速は4.1秒。十分に速いが気持ち悪くなるほどでもなく、ちょうどいい。足回りは、電子制御ダンパーにスプリングを組み合わせたもので、オプションの21インチホイ−ルを組み合わせていた。さすがに荒れた路面では突き上げを感じる場面もあったが、基本的にはボディ剛性が高く、乗り心地はフラットなものだ。
一方のRS e-tron GTは、タイカンと同様の3チャンバー式エアサスペンションを採用するだけあって、あらゆる場面でスムースに走る。オプションのオールホイールステアリングが装着されていたこともあって、路面にはりつくような盤石のコーナリングをみせた。そして0-100km/h加速は3.3秒だから、やはりベース車に比べれば明らかに速い。ほんの少し加速したい場面などアクセルペダルにそっと力を込めれば、ドライバーの意志に沿うように瞬時に反応してくれる。
一般道から高速道路までそれぞれ120kmほど走行して電費は4km/kWh台だった。厳密に測定したわけではないが、実際の走行可能距離は400km前後といったところだろう。充電に関しては、200Vの普通充電で8kWまで、急速充電(CHAdeMO)では150kWまで対応している。
ちなみに車両価格はe-tron GT quattroが1399万円、RS e-tron GTは1799万円。それぞれタイカン4S(1462万円)やGTS(1807万円)よりも安価な設定になっている。フォルクスワーゲン・グループとしての実に巧みなマーケティング戦略ともみてとれる。しかも、ポルシェとアウディが手掛けたEVだけにその完成度もあって、高くないと感じてしまうのはさすがというほかない。
文・藤野太一 写真・柳田由人 編集・iconic
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みんなのコメント
オマエはどんだけ金満・金銭感覚ゼロなんだよ!
スゲェな、GQ藤野太一!!
失笑