2019年のWRC世界ラリー選手権第11戦トルコは9月15日、SS14~17が行われる競技最終日を迎え、セバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)が第3戦メキシコ以来となる2019年シーズン3勝目を飾った。また総合2位はエサペッカ・ラッピ(シトロエンC3 WRC)が獲得し、シトロエンがワン・ツーフィニッシュを決めている。
シリーズのなかでもっともタフなイベントとも呼ばれるラリー・トルコは、気温30度前後というコンディションのなか、大きな石もあるグラベル(未舗装路)を舞台に争われる1戦だ。
このラフコンディションは13日(金)に行われた競技2日目からドライバーたちに牙を剥き、タイヤトラブルに見舞われるドライバーが多く出た。
また競技3日目にはチャンピオンを争うオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)がECUトラブルでデイリタイア、ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)がマシンが横転するコースアウトを起こし4分以上のタイムを失っている。
そんな難しい状況のなか、シリーズ7連覇を目指すオジエは競技2日目に行われたSS6終了時点で総合2番手へ浮上すると、3日目に行われたSS12でついに逆転。0.2秒リードで競技最終日に臨んだ。
オジエは競技最終日最初のステージであるSS14で総合2番手ラッピとの差を5.7秒へ広げると、SS16ではラッピがスピンしたこともあり、一気にリードを19.9秒まで広げてみせる。
充分なマージンを手にしたオジエだが、最終ステージのSS17は上位5名にボーナスポイントが与えられることもあり、ペースは緩めずステージ3位。最終的に34.7秒リードで2019年シーズン3勝目を飾った。
総合2位はラッピが入り2019年シーズン3度目の表彰台となったほか、総合3位にはアンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)が食い込んだ。
TOYOTA GAZOO Racing WRTでは、前日デイリタイアしたタナクが走行に復帰。ボーナスがかかるSS17と同じルートを走るSS14でライバルを1.5秒突き放してステージトップタイムを刻んでみせる。
しかし、スペアタイヤがなかったことやポイント圏内へ浮上することが不可能に近かったことから、続くSS15~16ではタイヤを温存するべくペースを落として走行した。
そして最終SS17ではボーナスポイントを目指してハードプッシュ。4分55秒2のタイムでステージトップタイムを奪い、ボーナスポイント5点を手にしてみせた。
残るトヨタ勢ではヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合6位、クリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合7位でフィニッシュし、チームにポイントを持ち帰っている。
ドライバーズランキングではパワーステージ1位だったタナクが210ポイントでトップを維持し、ランキング2位に上ったオジエが193ポイント、ランキング3位のヌービルが180ポイントとなっている。
マニュファクチャラーズランキングではヒュンダイが314ポイントでトップ、トヨタが295ポイント、シトロエンが259ポイント、Mスポーツ・フォードが184ポイントとなった。
2019年のWRCは残り3戦。第12戦は10月3~6日にイギリス・ウェールズを舞台に行われるラリーGBだ。
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